雲が少し多い晴れの天気で,かなり暖かく着てきたものを1枚脱いだ方が良いようでした.新池には,オオバン(大鷭,クイナ科)4羽,ヒドリガモ(緋鳥鴨,カモ科)4羽,コガモ(小鴨,カモ科)16羽がいました.
里山の家の中で集合して,まず,先月の報告を皆で見ました.新池のコサギ(小鷺,サギ科)の写真を見て,最近,少しずつコサギが戻ってきたという感想がでました.湿地のアシ(芦,イネ科)を切ったので,オタマジャクシがコサギに食べられてしまうという人がいました.
今回は藪こぎもするよく歩く観察会にするとして出発しました.里山の家を出たときに,ムクドリ(椋鳥,ムクドリ科)8羽が飛び立ちました.
登りの藪こぎをして,森の中へ入ったときに,コゲラが2羽盛んに幹を回り込んで虫を取っていました.木の根元に落ちていたアベマキ(阿部槇,ブナ科)のどんぐりから根が出ていました.モリチャバネゴキブリの幼体が,枯葉の中に数匹いました.1m 丈のヤマコウバシ(山香し,クスノキ科)には,枯葉がついたままになっていました.葉柄に離層がうまくできず,新しい葉芽が出てくるときになって,落葉するという説明でした.落ないということで受験生の合格祈願のお守りに使われます.薮こぎを終えた所で,アブラゼミ(油蝉,セミ科)の2種の大きさの違う抜け殻を見つけました.お腹にこぶがないので,クマゼミ(熊蝉,セミ科)ではないという判定をしました.
緑色のアオスジアゲハ(青条揚羽,アゲハチョウ科)の3cm 長くらいのさなぎを葉裏に見つけましたが,2つの黒点があり,蜂などに寄生されており,多分羽化しないという説明でした.ヤツデ(八手,ウコギ科)の葉裏に黒色のカタビロトゲハムシ(肩広刺葉虫,ハムシ科,通称:トゲトゲ)を見つけた人がいました.そのすぐ横に,小さなチャタテムシ(茶立虫,チャタテムシ科)の幼生もいました.ハモグリ(葉潜り,ハモグリムシ科,通称:ジカキムシ(字書虫))に食べられた葉を見つけて,複雑な模様を観察しました.
かなり急な斜面の下りの藪こぎをして,湿地まで行きました.途中で,アベマキ(阿部槇,ブナ科)の幹の小さな洞にクヌギカメムシ(欅亀虫,カメムシ科)の卵を見つけて写真に撮りました.携帯などで光を当てないと見えないような位置にあり,観察に苦労しました.高い位置から里山の家の背景となっている名古屋市の高層ビル群を遠望しました.
水田の西側の湿地で,15mm 長くらいの非常に小さなニホンアカガエルのオタマジャクシが中で動いている卵塊を捕虫網ですくって透明容器に入れて観察しました.既にすべてが孵化していました.
周辺のあぜには背の低い土筆が数本あり,子供たちが取りました.一緒に,ヒメオドリコソウ(姫踊子草,シソ科),オオイヌノフグリ(大犬陰嚢,オオバコ科),タネツケバナ(種浸花,アブラナ科)などが花を咲かせていました.
日あたりのよい水田北側の土手で,ギシギシ(羊蹄,タデ科)の葉裏を探しました.密集した黄色い卵をいくつかの葉裏で見つけました.これまで何度か観察したコガタルリハムシ(小型瑠璃葉虫,ハムシ科)の卵でした.黒い幼体も2匹見つけましたが,成虫は見つかりませんでした.テントウムシ(天道虫,テントウムシ科)がこの卵などを捕食しているという説明がありました.近くにカラスノエンドウ(烏豌豆,マメ科)が群生しており,これについた油虫を食べているテントウムシの成虫がいました.また,枯葉の裏に密集してテントウムシの黄色い卵を見つけました.ざっと見て,50個くらいという人がいましたが,写真を撮って,数を数えた人もいて,正確には37個ということでした.
赤い口を持ったクビキリギス(首螽斯,キリギリス科)と水中を泳いでいたトゲヒシバッタ(棘菱飛蝗,ヒシバッタ科)を男の子が捕獲して皆で観察しました.ケキツネノボタン(毛狐牡丹,キンポウゲ科)の黄色い花も数株ありました.土手の一部は,湧水でぬかるんでいましたが,そこでヒメタイコウチ(姫太鼓打,タイコウチ科)を男の子が見つけました.ヒメタイコウチは水の中では溺れるので,水際に生息しているという説明がありました.
大坂池の土手に戻って,先月観察したハンノキ(榛の木,カバノキ科)の幹についたミドリシジミ(緑小灰,シジミチョウ科)の卵とハラビロカマキリの卵鞘を観察しました.白梅の木にスズバチ(鈴蜂,スズメバチ科)の泥でできた巣も観察しました.その白梅の花には,たくさんのハナアブ(花虻,ハナアブ科)が来ていました.キタテハ(黄立羽,タテハチョウ科)を昆虫大好き少年が網で捕獲しました.
里山の家のなかの机を移動させて対面ができるようにして,お弁当を食べながら感想会をしました.甘夏のチョコピールが,いつもの女性参加者から提供され,大変おいしく食べました.甘夏の皮は,ピールを作りやすいそうです. |