2月の観察記録
カテゴリ : 2004年
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 今月も天気に恵まれ,藪漕ぎを沢山して,よく歩く自然観察会になりました.集合前に新池では,コサギ(18羽),カイツブリ,カモ,シジュウカラ,カワウがきていました.参加者は,子供3名を含む30名になりました.

 まず,いつもの集合場所で,先月の記録を見ました.12月の細胞質突然変異について,ある参加者が鶴舞の緑化センターの資料を持ってこられ,その中に葉の突然変異の例がありました.12月の葉の突然変異の樹木名は,アカシア・メラノキシロン(Acacia melanoxylon)でした.後で調べるとインタネットのホームページにも写真と解説がありました.カイズカイブキと同じような先祖帰りで,常緑で成長が早いので荒れ地の早期緑化のために使われているようです.

【外部リンク】宮城教育大学 オンライン植物アルバム−メラノキシロンアカシア

 先月の鳥の剥製の話があったので,今回は鳥の巣を持ってこられた方がいました.小さな巣で,多分,メジロかカワラヒワの巣だろうということになりました.

 今回は,よく歩く観察会にするということで,必要な人には平和公園の地図が配られました.日当たりのよい所に行きたいという希望もありました.この後,自己紹介を省略して出発しました.

コサギ カモ 鳥の巣

 平和公園に入る前に,道路をわたって,シナヒイラギ(モチノキ科)を見にいきました.先月は,赤い実が鈴なりだったそうですが,残念ながら1つ2つを残して,鳥に食べられた後でした.日本のヒイラギはモクセイ科で,アメリカヒイラギとシナヒイラギは,モチノキ科で,遺伝子的にはニワトリと人ほどの違いがあるという説明がありました.シナヒイラギは,ヒイラギより大きな葉で四角い形で棘は少しでした.クリスマスホリーとして,使われるようです.日本のヒイラギもセイヨウヒイラギも,どちらも神聖な意味があり,祭事に使われます.四谷通り横の一角に,おちょぼ稲荷の専用のヒイラギ植生地があります.

 平和公園に入って,すぐに,竹林の陰になっているところで残り雪を見ました.霜ではないかと言う人もいましたが,常に日陰になっているため,雪が残っていたようです.

 この後,芝生広場から雑木林に入りました.途中で,ネズミサシ(ネズ)が1本,ヒサカキに隠れるようにありました.床柱や稲を干すためのはで木に使われるそうです.ヒサカキや松に負けて,光が足りないため,非常に細長くなっていました.

シナヒイラギ シナヒイラギの葉と実 ヒイラギ ネズミサシ

 馬の背に行き,東側の急斜面を降りて,シダを観察しました.オオウラジロですが,2m以上のものを根元から4本,取ってきて種々観察しました.見たものは真実ということで,いろいろな観察結果がでました.1)根に近い葉は枯れている.2)上に行くほど,一節の長さが短くなっている.3)葉は互生だが,小葉は対生である.などが出ました.一節が一年間の成長ということで,各節の長さをメジャーで,4本について測りました.上から19,30,54,60,143cmというのが1つの例でした.下の方の茎は,はじめからこの長さかどうかの議論がありましたが,養分を根にため込むということで,茎も毎年成長しているということになりました.上から4段くらいは,緑葉で,その下は枯れていました.6年ものが最も大きいものでした.尖端の来年の芽は,ゼンマイの尖端に似ていて,固く巻かれていました.裏は白く,正月にこのオオウラジロも使う場合があるそうです.

馬の背 オオウラジロ オオウラジロの芽

 この後,ハンノキ湿地の方向に向かい,シュンランと倒木の上のイタチの糞を見ました.イタチの糞は,形が崩れていなくて新しいものでした.平和公園に確かに生息していることが分かりました.昆虫やザリガニを食べているそうです.

 近くに,アオキがあり,大半はまだ緑の実を付けていましたが,1つだけ赤く色づいていました.この後,沢を歩き,イヌツゲ,イボタ,カマツカ(ウシゴロシ),サワフタギ(沢蓋木)を観察しました.湿地に最初に植生する植物たちで,サワフタギは,まさに名前がそのものを指しています.カマツカの枝が,東海豪雨で土砂に埋まっているのを,抜くと根が生えていました.とり木の自然版です.親木から切って持って帰る人がいました.

【外部リンク】森と木のミニ講座

 コシダを観察した後,西側から斜面を登って,馬の背の元の位置に戻りました.かなりきつい斜面の藪漕ぎをしたので,誰か脱落者がいないか心配でしたが,3人の子供も含めて無事でした.このとき,ヤマガラがさえずりと警戒音を発しました.姿は見えませんでした.

シュンラン イタチの糞 アオキ イヌツゲ
カマツカ コシダ

 芝生広場に戻り,愛護会の作業場横の落ち葉置きの下のカブトムシの幼虫を子供達と探しました.適当な場所で厚い枯葉を取り除くと,大きなカブトムシの幼虫が沢山出てきました.

 余程栄養がよいのでしょう.3年前から落ち葉を置いているそうですが,自然に卵を産んだそうです.1匹の雌は,30?40個の卵を産むそうですが,インタネット上にあるカブトムシ飼育記によると100匹の記録もありました.落ち葉置き全体では,数百匹の幼虫がいるのではということでした.

落ち葉の下のカブトムシ探し カブトムシの幼虫 カブトムシの幼虫

 この後に,愛護会の人が作っている芝生広場横の畑で,自己紹介を含めた感想会をしました.日当たり良好の気持ちのよい場所でした.お弁当を食べる人も多くいました.近くにはアベマキが多く,畑の中にも多くのアベマキの枯葉が落ちていました.葉の裏には毛(星状毛)が生えていて,灰白色に見えますが,さわるとビロードの生地のような感じでした.アブラムシの虫こぶのついたアベマキの枯葉も多くありました.アブラムシの成虫も暖かさに誘われて,葉の間を動いていました.

 男の子がバッタを捕まえて喜んでいました.厳しい冬を日当たりのよい場所で越冬したのでしょうか.手を離して逃げていくと,ジョウビタキの雌が,早速おっかけて行きました.ジョウビタキは木にとまりましたが,捕獲したかどうかは確認できませんでした.

アベマキの枯葉の裏のアブラムシの虫こぶ メジロ密猟注意

 観察項目のまとめで,芝生広場の上空でノスリを見たという人もでました.主な感想は,急斜面の薮漕ぎはきつかったですが,楽しかったというものでした.

観察項目:コサギ,シジュウカラ,カイツブリ,カワウ,カルガモ,シナヒイラギ,ネズノキ,オオウラジロ,シュンラン,ヒイラギ,イタチの糞,アオキ,ハリギリ,ノスリ,オオカマツカ(ワタゲカマツカ),イヌツゲ,コシダ,サネカズラ,イボタ,ウメモドキ,サワフタギ,コバノツツジ(コバノミツバツツジ),カブトムシの幼虫,アベマキの枯葉の裏のアブラムシの虫こぶ,ジョウビタキ(雌)

伊藤義人

監修 滝川正子