10月の観察記録
カテゴリ : 2003年
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 天気もよく,50名を超える参加者の観察会になりました.小さな子供も多く,楽しい観察会でした.畑などで多くの時間を使ったので,芝生広場までしか行けませんでした.秋は,花,草,虫,鳥など多くの観察対象があり,嬉しい季節です.

 まず,集合場所の清風荘前の公園で,銀杏の実を観察しました.下の方の実は誰かに持っていかれたようです.この公園の銀杏は,いつものように大きな実がなっていました.次に,前回のアケビコノハ(ガ)とツマグロヒョウモンの観察記録の報告がありました.写真も見せながらの熱心な報告でした.ツマグロヒョウモンの幼虫は約10日で蝶になったそうです.ここで,蝶と蛾の違いについて,渡辺さんから詳しい話を聞きました.蝶の触角は,先が太くなったこん棒状の形をしているということでした.ただし,南アメリカに1種だけ,こん棒状の蛾もいるということでした.

集合 アケビコノハガの観察記録

 畑の横を通って平和公園に入りました.日本ミツバチが,カナムグリに群れて飛んでいました.沢山の花粉を付けていました.ほとんど刺さないそうですが,子供の頃に,掌の中に閉じこめて刺され,非常に痛かった記憶が急によみがえりました.マメガキに群がっているイラガを見ましたが,ほとんどの葉が食べられていて,惨めなマメガキでした.畑の大根が分からない大人が1人いて,皆,びっくりしました.大根の葉の形が非常に異なるものがあるという話になり,畑の持ち主から,種類によって葉の形が異なるという説明がありました.畑で栽培されているハヤトウリについて,どのように食べるかという話になり,生では食べず,漬け物にしたり炒めて食べるのが普通のようです.

ニホンミツバチ マメガキに付いたイラガの幼虫 大根の葉に付くガの幼虫 ハヤトウリ

 ダンギクに群れている,ヒメアカタテハ,ツマグロヒョウモン,ホウジャク,イチモンジセセリ,チャバネセセリ,ハナムグリを観察しました.ダンギクの蜜を吸いに来ているようでした.ススメガの一種であるホウジャクは,ホバリングして見事な静止状態で蜜を吸っていました.既に盛りは過ぎたお花畑の雰囲気でした.日本人の昔の価値観では,移ろいゆく花も愛でたようですが,最近はどうでしょうか.

 途中で,カラスウリは何故カラスウリというかという質問がでました.カラスガ食べるからだろうかという人もいましたが,まずいので食べないだろうということで,結局,唐のウリというような意味ではないかということになりました.

ホウジャク イチモンジセセリ ハナムグリ
カラスウリ ワタ ミズソバ

 芝生広場に到着して,捕まえて観察ビンにいれたミツカドコオロギトエンマコオロギを,観察しました.鳴き方は,エンマコオロギがコロコロリーで,ミツカドコオロギがリリリーということでした.エンマコオロギは,簡単に捕まえられますが,ミツカドコオロギは鳴き声はよく聞きますが,実際に捕まえるのは難しく,初めて見る人も多かったようです.頭の形がそのまま名前になっていることが,よく分かりました.エンマコオロギという名前も,頭の形ですが,ママコノシリヌグイなど,人との関係で付けられており,昔の人の名前の付け方の妙でしょう.

 ここで,芝生広場のコンクリートの上に小さな多くの虫が発見されました.アカバネアリガタハネカクシという細長い小さな虫でした.ほとんどの人が初めてみるようでしたが,それほど珍しい虫ではなく,普通見過ごしているだけのようです.

ミツカドコオロギ エンマコオロギ コオロギを食べるカマキリ アオバアリガタハネカクシ

 コナラとアベマキのドングリがたくさん落ちていたので,ここでドングリのコマを造りました.滝川先生がキリを用意されていたので,子供たちは喜んでコマをつくりました.キリの使い方が上手でない子供もいましたが何とか上手にコマを造って遊びました.

ドングリのコマの製作 ドングリコマの完成 コマ回し 外国産のカブトムシの角

 この後,芝生の上で不思議なものが発見されました.比較的大きな虫の角でした.カブトムシの角のように見えましたが,ギザギザがなく,通常のカブトムシの角ではなく,結局,趣味で輸入した外国産のカブトムシのもので,逃げ出したで死んだものだろうということでした.多分,繁殖はしていないだろうということでした.生物圏が乱れる可能性があるので,外国産の虫などを飼う場合は注意が必要だろうという話もありました.

 そうこうするうちに,12時近くになってしまい,芝生広場に座り込み,昼食を取りながら観察項目の確認と,参加者からの一言ずつ感想を言って終了しました.完走したのは13名の子供を含む約45名でした.平和公園の自然に驚き,楽しいというのが皆の感想でした.へちまをみて,正岡子規の「痰一斗 糸瓜の水も まにあわず」という俳句を思い出したという感想もありました.文化の香りのする観察会の感想でした.今後もまた来たいという感想も多くありました.

感想会 コムラサキ ガマズミ アケビの実

観察項目:銀杏の実,アケビコノハの繭,オオオナモミ,ニホンミツバチ,アゼムシロ,キタテハ,ダイコン,マメガキ,イラガの幼虫,ハヤトウリ,ショウガ,ヘチマ,ニガウリ,アケビ,ワタ,アカナス,オオカマキリ,ミツカドコオロギ,ガマズミ,ヒメアカタテハ,ツマグロヒョウモン,ホウジャク,イチモンジセセリ,チャバネセセリ,ハナムグリ,ダンギク,ミゾソバ,イシミカワ,カラスウリ,エンマコオロギ,アオバアリガタハネカクシ,外国産のカブトムシの角,ママコノシリヌグイ,トカゲ(順番は,ほぼ観察順)

伊藤義人

監修 滝川正子