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2005年 > 1月の観察記録
1月の観察記録
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 さすがに寒くなりましたが,まだ,いつもの冬より暖かい感じがしました.晴天で気持ちの良い新年の観察会になりました.新池には,コザギと各種のカモ類が来ていました.新池横のセンダンの枝から実が無くなっていました.鳥が全て食べたのかと思いましたが,かなりの数の実が下に落ちていました.

 ヒヨドリがこの実をよく食べますが,食べきれなかったようです.先月まで葉が残っていたイチョウ,トウカエデ,コナラ,メタセコイア,元清風荘のカエデなども,さすがに全て葉を落としていました.集合場所での参加者は,子供6名を含む46名でした.観察会創設メンバーの1人も久しぶりにみえていました.また,途中から参加された方もおられました.

 まず,いつもの集合場所で,参加者が持ってきたシュンラン(春欄,ラン科)の花の塩漬けを食べました.最初に微妙な酸っぱさがあり,最後に苦みが残り,あまり勧められた味ではありませんでした.直に食べないで,お茶,天ぷら,酢味噌あえなどにするとよいそうです.もちろん,このシュンランは平和公園から採ったものではありません.話題は変わって,マックホルツ彗星が,オリオン座の三つ星の右上方向に見えるという紹介がありました.10万年に一度だそうです.3等星ですが,残念ながら南の空に見えるので,太陽風によるほうき(尻尾)は見えないそうです.星座を知るための「光る星座早見(三省堂)」の紹介もありました.

新池のコサギとカモ 実をすっかり落としたセンダン シュンランの花の塩漬け

 次にヒメユズリハ(姫譲葉,トウダイグサ科)の葉と実のついた枝を観察しました.長寿の象徴のウラジロと一緒に一家繁栄の象徴として正月飾りに使うものです.新しい葉が出そろってから古い葉が落ちるのでこの名前がついているそうです.この説明がされているときに,ツグミの鳴き声が聞こえました.

 今年はツグミやシロハラが多いようです.ピンオーク(ブナ科)の枯れた葉とドングリも観察しました.葉の形は独特のものでした.ドングリは,ヘーゼルナッツのような形で,食べてみた参加者によると非常に渋いそうです.

 今年の観察会の予定表が希望者に配布された後で,簡単な自己紹介をして出発しました.

 すぐには平和公園へは行かず,まず新池の鳥たちをフィールドスコープも使って観察しました.人によって見えたものが違ったようですが,コサギ(6羽),ハシビロガモ,ヨシガモ,マガモ,ヒドリガモ,オナガガモ,カルガモ,カイツブリ,コガモが観察されました.寒いので浮き寝鳥状態のものも多くいました.

ピンオークの葉とドングリ 実のついたヒメユズリハ ロウバイ

 さらに平和公園に行く途中で,道路を渡って民家のロウバイ(蝋梅または朧梅,ロウバイ科)を観察に行きました.黄色い蝋でできているような厚肉の花がきれいに咲いていました.蝋細工のような花が咲く,または蝋月(陰暦の12月)に梅に似た花が咲くことからこの名前があるそうです.民家を大勢の参加者が取り巻く格好になったので,近くのマンションの2階で洗濯物を干している女性が何事かと見ていました.道路を渡って戻ったときに,低い擁壁の上で小さな動物がさっと動きました.ネズミかしらという参加者もいましたが,アオジでした.

 きれいな暗緑の縞を持った2羽のアオジがいました.近くに大きなスイカズラ(吸葛,スイカズラ科) がありました.これもお茶にするそうです.

 街路樹のトウカエデ(唐楓,カエデ科)の枝の付け根にお椀型の小ぶりの鳥の巣を2つ見つけました.ヒヨドリの巣かキジバトの巣かということが話題になりました.キジバトの巣は平らな形をしているそうですので,結局,ヒヨドリの巣ということになりました.

 平和公園の中に入ってすぐに,セイタカアワダチソウ(背高泡立草,キク科)の実を観察しました.ベニマシコなどがついばみますが,ふわふわの白い綿毛の中に小さな実がありました.よくこんなに小さな実を食べるなあという感想がでました.関連してモグラの食性の話題になりました.モグラはミミズなどを通常食べますが,モグラの研究を大学でするときにミミズを集めるのは大変ということで牛肉を食べさせたそうです.その結果寿命が短くなったそうです.牛肉に栄養がありすぎるなどという理由で食性が合わなかったということでしょうが,食べ過ぎではという参加者もいました.ミミズを同じように食べ過ぎさせたら寿命がどうなるかを示さないと,食性が本当に問題であったか分からないという意見です.

 レンギョウ(連翹,モクセイ科)が幹と枝だけになっていました.よく見ると日当たりがよいのか季節はずれの黄色い花が2つ咲いていました.狂い咲き(狂い花)という参加者もいましたが,俳句などでは「戻り花」,「帰り花」,「忘れ花」という美しい言い方があるそうです.「二度咲き」という言い方もあるようです.レンギョウのすぐ後ろの,トウチク(唐竹,イネ科)が話題になりました.庭園によく植えられるもので,植木屋では大名竹として売られているそうです.

セイタカアワダチソウの種(子房)の観察 トウチク キリの実の断面

 トンボ池横の独特の樹皮を持ったキリの実を観察に行きました.大きなキリの木に巻き付いているツタで早速,子供達がターザン遊びをしました.キリの実が,背の届くところにないので,杖や落ちている枝で,引いたり叩いたりして落としました.実の中でアブラムシが越冬していることが多いそうです.残念ながら真ん中に仕切のある実を,いくつ割ってもアブラムシは観察できませんでした.

 トンボ池に行くと日陰の水面が氷に覆われていました.周辺には霜柱もありました.早速,男の子が氷を割り始めましたが,少しの間だけ止めて表面を観察しました.きれいな幾何模様が表面にできていました.また,池の端からは,凍り始めた様子が分かるような水晶の結晶のような形の模様ができていました.厚さを測った参加者によると,氷厚は4mm だったそうです.観察した後で,氷を皆で割りました.

 トンボ池の横で,春の七草であるセリ(芹,セリ科)とゴギョウ(御形,キク科,別名ハハコグサ(母子草))を観察しました.

幾何学模様の氷表面 セリ ゴギョウ(ハハコグサ) ハリエンジュ

 芝生広場から東に向かっていく小径で,幹と枝だけのコバノミツバツツジ(小葉の三葉躑躅,ツツジ科)を見ました.参加者の1人が整備をしていて,このあたりでツツジがきれいに咲くようにしたいそうです.次に,ネジキ(捩木,ツツジ科)の光沢のある赤い芽と若枝を観察しました.赤い色は紫外線よけだそうです.

 なお,若枝は有毒だそうです.その後で,近くのハリエンジュ(針槐,マメ科)の葉痕(ようこん,葉のついていた跡)を観察しました.葉痕の両側にトゲがあるので動物の顔に見えました.参加者から,何を想像するかを募ったところ,オオカミ,ピノキオ,コウモリ,ミミズク,牛,トナカイ,般若,ドクロ,ドラキュラ,孫悟空,キンシコウ,豚などが出ました.この葉痕と冬芽から樹木の種類が判る場合もあるようです.

【外部リンク】冬芽と葉痕

 さらに,この小径を歩いて行くと前方の低い枝に,小鳥が1羽いました.ジョウビタキかルリビタキの雌のようでした.我々が進んでいくと驚いて飛び立ちました.私が羽に紋が見えたのでジョウビタキの雌だろうと言いました.ある参加者から,言葉を知らず,すばらしい絵を描く人に,言葉を教えたら,絵が描けなくなったという例を持ち出し,野鳥の名前が分かるようになるということは,何かを捨てたことになるという発言がありました.趣味といえども選択ですから,時間以外にも何かを失っているのは確かでしょうが,得ているものも大きいと思います.

 キラニン広場に到着して,そこから南斜面の薮こぎをしました.前に火事になった場所で,まだ,火事の跡が少しだけ残っていました.薮こぎを終わったところで,サザンカ(山茶花,ツバキ科)とカンチク(寒竹,イネ科)がありました.カンチクは冬に竹の子が出るので,この名前があるそうで,見栄えがよいので庭によく植えられるそうです.カンチクの竹の子は非常においしいそうです.実際に観察してみると,竹の先端はほとんど切られていて,誰かが食用に持っていってしまったのだろうということでした.

 近くで,非常に小さなツクシ(土筆,トクサ科)を女の子たちが見つけてきました.春はそこまで来ているようです.

カンチク ツクシ

 この後,春の七草を探しに行きました.まず,ナズナ(薺,アブラナ科)とハコベ(繁縷,ネデシコ科)を見つけました.ナズナはロゼット状になっていました.同じところで七草ではないですがヒメムカシヨモギ(姫昔蓬,キク科)も見つけました.その後,畑に行って栽培されているズズナ(菘,アブラナ科,カブ(蕪))とスズシロ(蘿蔔,アブラナ科,ダイコン(大根))を見つけました.最後に,感想会をやった近くでホトケノザ(仏の座,キク科,コオニタビラコ(小鬼田平子))を見つけました.植物の名前としては,コオニタビラコが正しいようですが,春の七草というときは慣用名としてホトケノザを使うという説明がありました.すなわち,植物学的にはホトケノザというのは,平和公園でもよく観察される仏の蓮華座形状の草(シソ科)を指します.

【外部リンク】雑草ナビ

【外部リンク】季節の花300

 感想会では,薮こぎが楽しかったのと,春の七草を見つけるのが今の時期は難しいというなどの感想が出ました.

ナズナ ハコベ スズナ(カブ) スズシロ(大根)
ホトケノザ

平成17年1月の観察項目:シュンランの塩漬け,コサギ,ハシビロガモ,マガモ,ヨシガモ,ヒドリガモ,オナガガモ,カルガモ,カイツブリ,コガモ,シジュウカラ,ヒヨドリ,ツグミ,ヒメユズリハの実,ピンオーク,スイカズラ,ロウバイ,アオジ,セイタカアワダチソウの実,モズ,レンギョウ,トウチク,キリの実,セリ,ゴギョウ(ハハコグサ),コバノミツバツツジ,ネジキ,ハリエンジュ,ジョウビタキ(雌),サザンカ,カンチク,ツクシ,ナズナ,ハコベ,ヒメムカシヨモギ,スズナ(カブ),スズシロ(ダイコン),ホトケノザ(コオニタビラコ)(概ね観察順)

平成16年2月の観察項目:コサギ,シジュウカラ,カイツブリ,カワウ,カルガモ,シナヒイラギ,ネズノキ,オオウラジロ,シュンラン,ヒイラギ,イタチの糞,アオキ,ハリギリ,ノスリ,オオカマツカ(ワタゲカマツカ),イヌツゲ,コシダ,サネカズラ,イボタ,ウメモドキ,サワフタギ,コバノツツジ(コバノミツバツツジ),カブトムシの幼虫,アベマキの枯葉の裏のアブラムシの虫こぶ,ジョウビタキ(雌)

伊藤義人

監修 滝川正子

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