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5月度の観察記録
2012年5月度の観察記録です。

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朝起きた時は小寒かったですが,平和公園の日当たりのよい場所では,少し汗が出るほどで,帽子とタオルが必要でした.新池の水面はスイレン(睡蓮,スイレン科)の葉で覆われ,水鳥は1羽もいませんでした.新池の土手のセンダン(栴檀,センダン科)は,緑葉をいっぱいつけていました.アカメガシワ(赤芽柏,ドウダイグサ科)の周辺をクマバチ(熊蜂,ミツバチ科)が飛び回っていました.東星ふれあい広場の枯れた9本のサクラ(桜,バラ科)は切られてしまっていました.工事をして残念な結果になりました,東星ふれあい広場横の公園にはアジサイ(紫陽花,アジサイ科)の花壇が東星中学によってつくられていました.里山の家の隣の大坂池の上空では数羽のツバメ(燕,ツバメ科)がさかんに飛んで虫を捕っていました.カルガモが1羽だけ水面にいました.参加者は,子供7名と大人24名でした.

東星中学によるアジサイ花壇

まず,水槽に入れた前後の足とエラのついた幼生の2匹のカスミサンショウウオ(霞山椒魚,サンショウウオ科)を観察しました.以前は,トウカイサンショウウオ(東海山椒魚,サンショウウオ科)としていたのですが,タンパク質を調べてカスミサンショウウオに近いということになり,最近のDNA研究では,トウカイサンショウウオとカスミサンショウウオとも違う枝分かれしたものと認識されているそうです.一応カスミサンショウウオに近いので,当面カスミサンショウウオとしているそうです.カエルは先に後ろ足が出て,その後前足(手)が出ますが,サンショウウオは前足が先に出るそうです.サンショウウオの卵はどんな形かという質問もでました.

カスミサンショウウオ

先月のイタドリ(虎杖,タデ科)の茎の中の幼虫はカミキリ(髪切虫または天牛,カミキリムシ科)の可能性も否定できず確定できていないという報告がありました.カラスノエンドウ(烏豌豆,マメ科),カスマグサ(かす間草,マメ科)およびスズメノエンドウ(雀エンドウ,マメ科)を比較のために持ってきた参加者がいました.蔓の先端がアフロヘヤーのように割れているのがスズメノエンドウという説明でした.今回は,現場でも見て触って観察することにしました.
先月見つけたスズバチ(鈴蜂,ドロバチ科)の巣の中の3匹の幼虫の内1匹が成虫になったので観察しました.他の1匹はカビがはえ,もう1匹は膜を作って蛹になっていました.成虫は何を食べるかという質問に,固形物は食べられないので 綿に蜜を含ませて与えているという回答がありました.1つ室を作って,餌を入れて卵を産んで,さらに土を運んで他の部屋を順次作るというので,大変な仕事だという感想がでました.雨があっても泥の巣が溶けないのは蜂の唾液で固めてあるからという説明がありました.幼虫の入った泥の巣はラップをかけて日陰に置いていただけだそうです.スズバチの成虫は,毒針を持っていなくて,手のひらに載せても刺さなかったそうです.

スズバチ

「非売品の屋久島の地質ガイド」という本の紹介がありました.珍しい岩石の露頭場所の紹介がしてありました.次に,ホソバイヌビワ(細葉犬枇杷,クワ科)を観察しました.名古屋が北限だそうです.また,双子の実をつけたサクラの枝も見ました.よく似たラクウショウ(落羽松,スギ科)とメタセコイア(Metasequoia,スギ科)の葉のついた小枝を比較しました.ハルジオン(春紫?,キク科)とヒメジョオン(姫女?,キク科)を,また,コバンソウ(小判草,イネ科)とヒメコバンソウ(姫小判草,イネ科)も比較しました.

ホソバイヌビワ 双子の実をつけたサクラ ラクウショウ メタセコイア

最初に大坂池横の先月観察したイタドリ(虎杖,タデ科)の場所へ行って,緑豊かになったイタドリを5本根元から切り取りました.茎を短く輪切りにしてから縦割りにしました.中は,空洞で節もありました.1本だけ根元に穴がありましたが,幼虫はいませんでした.このとき,北原白秋の「すかんぽの咲くころ」の歌を歌う女性がいました.九州地方ではギシギシ(羊蹄,タデ科)やイタドリをスカンポ(酸模,タデ科)というそうです.他の参加者はほとんどこの歌を知りませんでした.茎の中の水を飲んで適度な酸味があるという感想が出ました.ここで,持ってきたスズバチを逃がしました.

切り取ったイタドリの茎

前日に崖登りを子供にさせたときに,崖が背丈より高いのでハーネスを付けてやるべきという意見があったことに対して議論がありました.木登りを危ないとしてやらせないか,自己責任でやらせるかということと同じです.労働安全衛生法に従って仕事をする場合は,当然ハーネスが必要ですが子供の遊びについては自己責任という声が多かったようです.
交尾中のヒメウラナミジャノメ(姫裏波蛇目,タテハチョウ科)を見つけて,写真を撮りました.カメラを近づけても逃げませんでした.蛇の目の模様は効果があるのかという質問がでました.動いていれば鳥に食べられない効果があるのではということでした.このとき気持ちの良いさわやかな風が吹き抜けていきました.

交尾中のヒメウラナミジャノメ

大坂池の境界の擬木に緑色の3cm長くらいの幼虫がついていました.尾に突起がありスズメガ(雀蛾,スズメガ科)の幼虫ではという人もいましたが,図鑑で調べてオオシマカラスヨトウ(大縞鴉夜盗,ヤガ科)の幼虫と分かりました.ニレ(楡,ニレ科),コナラ(木楢,ブナ科),ヤナギ(柳,ヤナギ科)などが食草と書いてありました.周辺にはアメリカフウロ(亜米利加風露,フウロソウ科)の小さな5弁の薄いピンク色の花がたくさん咲いていました.カスマグサを見つけて,鞘状の実があり,花が2つあることを確認しました.近くにスズメノエンドウもあり,巻き蔓の先端が割れているのを確認しました.男の子がトノサマバッタ(殿様飛蝗,バッタ科)を捕まえたので皆で観察しました.
タチイヌノフグリ(立犬の陰嚢,ゴマノハグサ科)を見つけて,皆で観察しました.ハート形の実がなるそうです.シャクガ(尺蛾,シャクガ科)がアメリカフウロの葉の端に水平にまっすぐになって付いていました.どこにそんな力や筋肉があるのだろうという疑問がでました.種類は同定できませんでした.約80cm發ゴボウ(牛蒡,キク科)を見つけて観察しました.花はまだ咲いていませんでしたが,花芽がたくさんついていました.初めてゴボウを見た参加者も結構いました.その横に,カキドオシ(垣通し,シゾ科)もありました.

オオシマカラスヨトウの幼虫 シャクガの幼虫 ゴボウ

スモモ池にもカルガモ(軽鴨,カモ科)が一羽来ていました.周辺に,数株のキショウブ(黄菖蒲,アヤメ科)が黄色い花を咲かせていました.少しずつ増えているようです.ここから水田まで,キショウブの数を数えました.柵の向こう側に数株のムラサキツユクサ(紫露草,ツユクサ科)が紫色の花を付けていました.誰かが植えたのかもしれないという人がいました.
紫色の花をたくさん付けた大きなキリ(桐,キリ科)の下に行きました.独特のにおいがしました.既に,落ちている花も結構ありました.横にはシンジュ(神樹,ニガキ科,別名:ニワウルシ)とマルバヤナギ(丸葉柳,ヤナギ科,別名:アカメヤナギ)もありました.マルバヤナギ雄花の芽をたくさんつけていました.1人の男の子が地下足袋をはいており,昔ゴミヨシと言っていたという話が出ました.ここで,4cmくらいのツチイナゴ(土蝗虫,イナゴ科)を見つけました.これまで枯草色をしたトノサマバッタと思っていたものは,目の後ろと下に黄色い線があり,ツチイナゴだということが紹介されました.成虫で越冬するそうです.

キリ マルバヤナギの雄花の芽 ツチイナゴ

炭焼き広場で低い崖になっている横でヤマブキ(山吹,バラ科)の茎を切り出して,鉄砲遊びをしました.ヤマブキは一重と八重の両方の花が付いていました.茎を輪切りにして,2cmくらいの長さにして,茎の中の白いスポンジ状の髄を細い枝などで押し出しました.茎の中が空洞になった後,笛のように吹きました.片側を指で押さえると高い音がでました.ビール瓶を吹くのと同じという指摘がありました.なお,中の髄を食べた男の子から食べられたものではないという感想が出ました.ニワトコ(庭常,スイカズラ科)の木でも同じようなことが出来るという話もでました.アキノノゲシ(秋の野芥子,キク科)も近くにありました.
尺取り虫がサルトリイバラ(猿捕茨,ユリ科)についていましたが,これを食草にしているルリタテハ(瑠璃立羽蝶,タテハチョウ科)の幼虫ではありませんでした.サルトリイバラには昨年の実と今年の青い実の両方が付いていました.ネジキ(捩木,ツツジ科)にも尺取り虫が付いていました.

一重のヤマブキ ヤマブキの芯を抜く サルトリイバラの実

湿地の周辺でカキツバタ(杜若,アヤメ科),ワレモコウ(吾木香,バラ科),アズキナシ(小豆梨,バラ科),ショウブ(菖蒲,サトイモ科)などを観察しました.せせらぎの土手でレンゲソウ(蓮花草,マメ科)がきれいな花を咲かせていました.水田から流れてきたのかもしれません.水をたたえた湿地の杭の上でカワウ(川鵜,ウ科)が1羽じっとしていました.昨日もいたそうです.
カエル池横で,実が赤くなり始めたクワ(桑,クワ科)を観察しました.まだ,黒くはなく食べるにはもう少し時間が必要でした.

カキツバタ ショウブの花

里山の家の納屋のコンクリートのたたきで感想会をしました.まず,キショウブ(黄菖蒲,アヤメ科),カキツバタ(杜若,アヤメ科),ショウブ(菖蒲,サトイモ科),アヤメ(菖蒲,アヤメ科)を並べて観察しました.カキツバタとアヤメの葉には中脈がありませんでした.アヤメは花にアヤメ模様があるのですぐに判別できました.キショウブは外来種で少しずつ広がっているようで,今日は27株を数えました.今後駆除が必要なようです.

【外部リンク】あやめの仲間の見分け方(加茂花菖蒲園)

花粉症が終わり気持ちの良い風薫る5月の話題で,何が薫るかということが話題になりました.タチバナ(橘,ミカン科)の木の近くに行っても香りはせず,葉をすりつぶして始めて柑橘系の香りがしたという報告がありました.「こいのぼり」の「たちばなかおる」や古今集の「(月(さつき)待つ花橘の香をかげば昔の人の袖の香ぞする」のタチバナは,白い花の香りのようです.風薫る5月の香りは,昔は花の香りを指していましたが,その後青葉若葉を吹きわたる爽やかな初夏の風の意味で使われるようです.ゴボウを実際に初めて見たという感想もでました.風薫るすがすがしい初夏の観察会になりました.

観察項目:カスミサンショウウオ,スズバチ,ホソバイヌビワ,ラクウショウ,メタセコイア,カスマグサ,カラスノエンドウ,スズメノエンドウ,コバンソウ.ヒメコバンソウ,イタドリ,ヒメウラナミジャノメ,ツバメシジミ,ヤマトシジミ,キチョウ,モンキチョウ,シオカラトンボ,アヤメ,ゴボウ,エダシャク,オオシマカラスヨトウ,アメリカフウロ,ツチイナゴ,キリの花,シンジュ,アズキナシ,ショウブ,レンゲソウ,ヤマブキ,サルトリイバラ,タチイヌノフグリ,カキドオシ,シロシタホタルガの幼虫,キショウブ,カキツバタ,クワの実,マルバヤナギ,カワウ

文・写真:伊藤義人 監修:滝川正子

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2012-8-18 156

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