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2012年 > 4月度の観察記録
4月度の観察記録
2012年4月度の観察記録です。

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前日の寒さが嘘のように,快晴で桜が満開の暖かい春の日よりでした.新池には,ヒドリガモ(緋鳥鴨,カモ科)20羽,カワウ(川鵜,ウ科)2羽,コサギ(小鷺,サギ科)2羽,そしてオオバン(大鷭,クイナ科)とカイツブリ(鳰,カイツブリ科)が各1羽来ていました.スイレン(睡蓮,スイレン科)の茶色の新葉も水面にぽつぽつ出始めていました.センダン(栴檀,センダン科)はまだ冬景色でしたが,周辺のサクラ(桜,バラ科)とユキヤナギ(雪柳,バラ科)は満開でした.また,クロガネモチ(黒鉄黐,モチノキ科)の赤い実が目立ちました.トウカエデ(唐楓,カエデ科)は,枝の先端にわずかに緑の新葉を出し始めている木もありました.ハクモクレン(白木蓮,モクレン科)の残った花は茶色になっていました.
紅色のモクレン(木蓮,モクレン科)の花は,まだつぼみでした.
参加者は,大人22名と子供6名でした.

サクラ クロガネモチとサクラとユキヤナギ

高齢者が大半の「駅ちかウォーキング」の列がとぎれることなく里山の家の横の道で続いていました.帰宅困難者のようだという人もいました.里山の家の前の集合場所にも間違えて来て,先月の報告を10枚ほど持って行かれてしまい,参加者に配る報告がたりなくなってしまいました.直ぐに気づいて,それ以後はウォーキングの人たちには断りました.
まず,先月の報告を見ました.名古屋市に,平和公園を整備したためセリ(芹,セリ科)がなくなったという苦情があったそうです.報告の中のオオイヌノフグリ(大犬陰嚢,ゴマノハグサ科)の花の写真を見て,小学生に名前の由来を説明しにくいという話がでました.実の形が名前の由来ですが,犬とオオイヌノフグリの実を並べて見せるよりないのではないかということでした.

【外部リンク】オオイヌノフグリの名の由来は?(科学的逍遥)

「海を渡る昆虫の神秘」としてアサギマダラ(浅葱斑,タテハチョウ科)の講演会の申し込みの用紙が配布されました.今回,参加者が観察用に持ってきたのは,容器に入ったベニシジミ(紅小灰蝶,シジミチョウ科)だけでした.春型で,幼虫で越冬してもう出てきたということでした.冬は,餌がないので蛹で越冬してもよいのにという感想が出ました.夏型は,今回のようには色が鮮やかでないそうです.

【外部リンク】ベニシジミ(北大和の蝶・雑記)

ベニシジミ

ホッキョクドクガ(北極毒蛾,ドクガ科)は冬になると氷ってしまって,氷が溶けるとまた復活して,何年もかけて大きくなると言う話が出ました.先月の報告の写真で,トノサマバッタ(殿様飛蝗,バッタ科)はツチイナゴ(土蝗虫,イナゴ科)の誤りだという指摘がありました.
ウォーキングの人たちと一緒にならないように大坂池の南側を歩きました.まず,クローバー(Clover,マメ科,別名:白詰草)を観察した後,背丈の高いツクシ(土筆,トクサ科)を見つけて,1本取って,袴は光合成しない葉であるという説明を聞いているときに,子供達が競って取りつくしてしまいました.袴は何故食べないのかという質問がでました.
大坂池の土手に,昨日移植されたズミ(酸実または桷,バラ科)がありました.名前の前に432という番号が書いてありました.NEXCO 中日本との共同緑化事業だそうです.新芽が出ているのは温室からポッドで持ってきたためでした.

大坂池の横で,イタドリ(虎杖,タデ科)とクズ(葛,マメ科)の枯れた茎が入り組んだ場所で,昆虫を探しました.枯れたイタドリの茎を縦割りにしたところ,中に幼虫がいました.カミキリムシ(髪切虫または天牛,カミキリムシ科)の幼虫だということでしたが,フキノメイガ(蕗螟蛾,メイガ科)やコウモリガ(蝙蝠蛾,コウモリガ科)の幼虫かもしれません.イタドリの1節では大きくなれないかもしれないということで,挟みとカッターナイフで茎を根元から3節だけ縦断しました.中にはさらに幼虫がいました.節を貫いて茎の中の髄と茎の内側を食べた跡がありました.根元と中間に脱皮殻もありました.かなりの確率で枯れたイタドリの茎の中に幼虫がいました.一方,クズの花殻にはオジロアシナガゾウムシ(尾白足長象虫,ゾウムシ科)の死骸がありました.体色が白黒で,パンダゾウムシと言っていた象虫です.カミキリは煎って食べられるという話をした参加者もいました.

イタドリの茎の中の幼虫 オジロアシナガゾウムシ クズの花殻

踏まれたフトミミズ(太蚯蚓,フトミミズ科)を道の上で見つけました.どっちが頭かとう質問がでました. 頭に酢をつけると非常に嫌がるという説明を聞いた後,スイバ(酢葉,タデ科)の葉の汁(シュウ酸)を頭につけると,フトミミズは急いで頭を引っ込めました.同時に,泥のような糞を出しました.手のひらの上で,余裕なのか緊張してなのかという疑問がでました.
スモモ池の横で,女の子が10cm 大くらいの鳥の巣を見つけました.雑なつくりでヒヨドリ(鵯,ヒヨドリ科)の巣だということになりました.スモモ池にはヒドリガモ3羽と,椿の花の蜜を吸いにきていたメジロ(目白,メジロ科)が2 羽いて,しきりに鳴いていました.

ヒヨドリの巣

3m發らいの枯れた松全体をアケビ(木通,アケビ科)が覆っていました.五葉の普通のアケビでした.たくさんの花が付いていました.5〜7つくらいの花が組になっていましたが,1つが離れて少し大きいのが雌花で赤っぽい色をしていました.工芸遊びの蔓としてアケビ(通草)がしなやかで最適という事でした.その前に,ヌルデ(白膠木,ウルシ科)の木がありました.葉痕で同定しました.
地面をイオウイロハシリグモ(硫黄色走蜘蛛,キシダグモ科)が歩いていました.観察瓶に入れて観察して,クモが歩きながら糸を吐いているのが分かりました.周辺で,この蜘蛛を数匹見つけました.先月話題になったウシハコベ(牛繁縷,ナデシコ科)を見つけました.花の柱頭が5つだそうですが,ここでは花はありませんでした.後で,コハコベ(小繁縷,ナデシコ科)を見つけて柱頭が3つであることを確認しました.葉の大きさは全く違っていました.

アケビの花

トンボ池の近くで,ガガンボ(大蚊,ガガンボ科)を網でつかまえた参加者がいました.最初は,トンボだと思って捕まえたようです.池の中には,たくさんのアカガエル(赤蛙,アカガエル科)のオタマジャクシ(御玉杓子)がいました.すくって取って,体長を測りました.13mm,17mm および18mm でした.先月よりは大きくなっていました.体長より頭が大きくなっている感じでした.湿地では,ショウブ(菖蒲,サトイモ科)が新芽をたくさん出していました.
湿地を囲む縄はりの擬木の支柱についた7cm 大の半卵型のスズバチ(鈴蜂,ドロバチ科)の巣を見つけた参加者がいました.擬木から半卵型の泥でできた巣をはがすと,中は3室に分かれ,それぞれに1匹の幼虫がいました.既に,餌はなくなっていました.形状からトックリ型ではないので,後で調べてスズバチの幼虫だろうということになりました.
湿地の畦に,ヒサカキ(姫榊または非榊,ツバキ科)の雌木と雄木があり,雌花と雄花をいっぱい咲かせていました.雄花は全体が黄色く見えるほど花粉を付けていました.

ガガンボ スズバチの幼虫 ヒサカキの雄花

ギシギシ(羊蹄,タデ科)についたコガタルリハムシ(小型瑠璃葉虫,ハムシ科)を観察しました,交尾中のものもいました.黄色い小さな卵も葉の裏にいくつか見つけました.来月は,ギシギシの葉は喰われてなくなっているだろうという予測をする人がいました.水田のレンゲソウ(蓮華草,マメ科)は,まだ背丈が低くまだらに分布していました.石垣には10cm を超える大きなレンゲソウがあり,水田の水を抜かないとレンゲソウは大きくならないという感想がでました.石垣のレンゲソウの横に同じくらいの大きさのタネツケバナ(種漬花,アブラナ科)が白い花を咲かせていました.

交尾中のコガタルリハムシ コガタルリハムシの卵

少し戻って,コバノミツバツツジ(小葉三葉躑躅,ツツジ科)の大きなつぼみの写真を撮りました.あと数日で花が咲く感じでした.
水田の水の中で,ヒメモノアラガイ(姫物洗貝,モノアラガイ科)をたくさん見つけました.卵を付けた貝もいました.水中の枯葉には,多くの卵が生み付けられていました.繁殖力が強いという説明がありました.

コバノミツバツツジのつぼみ

水田の東側のハクモクレン(白木蓮,モクレン科)の花はもう終わりかけでした.花が小さいのでコブシ(辛夷,モクレン科)と間違える人もいました.コブシの花には葉が1 枚付いているので区別は容易です.水田の中にコウキヤガラ(小浮矢幹,カヤツリグサ科)をいくつか見つけて,イネの強敵であり引き抜いた参加者がいました.塩田性の水田にはよく生える雑草だそうです.水田の畦には,野草の種を入れた緑色の植生土嚢が積んでありました.畦が崩れないようにするためでした.ここで,コハコベを見つけて,花の柱頭が3つで,ウシハコベと比べて葉が非常に小さいことを確認しました.

ハクモクレンの花

道端のアオキ(青木,アオキ科)が花粉をつけた雄花がたくさん咲かせていました.この道の上で,弱ったムラサキシジミ(紫小灰蝶,シジミチョウ科)を見つけました.紫色の羽を広げていました.
カラタチ(枳殻,ミカン科)を観察して,花芽が大きくなっており,小さな葉芽と容易に区別できることが分かりました.横のコブシも花期は盛りを過ぎていました.各花には一枚ずつの葉が付いていました.向いのモモ(桃,バラ科)には毛のついた新芽がたくさんついていましたが,まだ開花していませんでした.ボケ(木瓜,バラ科)も同様でした.モンキチョウ(紋黄蝶,シロチョウ科)の雌雄を捕まえて,観察瓶にいれて観察しました.花の咲いたバイモ(貝母,ユリ科)を数株見つけて写真を撮りました.昨年.花は咲きませんでした.地味な色ですが,下向きに咲いた花はかわいらしいものでした.

アオキの雄花 カラタチの花芽と葉芽 バイモ

感想会をよくするコブシの横の広い場所は,長机の上にワインや食べ物を置いて宴会をしているグループに占領されていたので,少し離れたところで感想会をしました.小さな紫色の花を咲かせたマキノスミレ(牧野菫,スミレ科)をいくつか見つけました.以前はシハイスミレ(紫背菫,スミレ科)と一緒にされていましたが,最近は,シハイスミレの変種として葉が小さいので区別されているそうです.

【外部リンク】シハイスミレ(すみれ想)

【外部リンク】シハイスミレかなマキノスミレかな(花の写真館)

感想会では,アケビの花やビロードツリアブ(天鵞絨吊虻,ツリアブ科)の話がでました.セイヨウタンポポ(西洋蒲公英,キク科)とトウカイタンポポ(東海蒲公英,キク科)の違いも,また話題になりました.総苞の形状の違いについて説明がありました.感想会の時に,エナガ(柄長,エナガ科)とツバメ(燕,ツバメ科)が近くに来ました.春の息吹を感じたすがすがしい観察会になりました.

セイヨウバクチノキ

観察項目:ベニシジミ,イタドリ,クローバー,ズミ,クズ,イタドリの茎の中の昆虫の幼虫,オジロアシナガゾウムシの死骸,フトミミズ,ヒドリガモ,メジロ,ヒヨドリの巣,アケビ,イオウイロハシリグモ,ウシハコベ,コハコベ,ガガンボ,アカガエルのオタマジャクシ,ショウブ,スズバチの巣とその中の幼虫,ヒサカキ,ギシギシ,コガタルリハムシ,レンゲソウ,タネツケバナ,サカマキガイとその卵,ハクモクレン,タネツケバナ,ビロードツリアブ,コブシ,モモ,カラタチのつぼみ,ボケ,モンキチョウ,トウカイタンポポ,セイヨウタンポポ

文・写真:伊藤義人 監修:滝川正子

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2012-8-18 321

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