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2012年 > 7月度の観察記録
7月度の観察記録
2012年7月度の観察記録です。

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梅雨時とは思えない久しぶりの陽差しの強い夏日でした.新池のスイレン(睡蓮,スイレン科)も,白い花はほとんどなくなり,葉もぐったりした様子でした.わずかに池の隅に残った水面に1 羽のカルガモ(軽鴨,カモ科)が浮いていました.1羽のカワセミ(翡翠または川蝉,カワセミ科)がその周辺を行き交っていました.水面の上をツバメ(燕,ツバメ科)とコシアキトンボ(腰空蜻蛉,トンボ科)が飛んでいました.周辺では,キリギリス(螽斯,キリギリス科)の鳴き声が盛んにしました.平和公園入口付近でオニヤンマ(鬼蜻?,オニヤンマ科)が飛んでいました.大坂池では,7羽のツバメ(燕,ツバメ科)が水面上を切り裂くように飛んでおり,周辺の土手には2羽のハクセキレイ(白鶺鴒,セキレイ科)がいました.参加者は,子供6名と大人32名でした.

最初に,出来あがった昨年の観察記録の本の紹介がありました.次に女の子が持ってきたゴマダラカミキリ(胡麻斑髪切,カミキリムシ科)を観察しました.カミキリの名前の由来を確かめるために,女の子と男の子の髪を数本ずつとってカミキリに切らせました.簡単に切れました.それではということで,次に紙も切らせました.ティッシュをこよりにしたものはだめでしたが,普通の紙は切れました.

ゴマダラカミキリ

次に,凍ったマムシ(蝮,クサリヘビ科)が披露されました.溶けるまで別の参加者が持ってきた物を観察しました.緑の小さな実のついたマユミ(檀または真弓,ニシキギ科)をまず観察しました.
実を割って4つのタネができそうであることを確認しました.実の中に幼虫の入っているものもありました.この木は,しなりがよいので弓に使うといわれていました.次によく似たヤマコウバシ(山香し,クスノキ科)を観察しました.名前と違って,ほとんど香りはありませんでした.実を割って香りをかぐとほのかに香りました.時期によってはもっと香るという参加者もいました.ヤマコウバシは離層ができず,次の葉芽がでるまで葉が落ちないという説明がありました.冬に茶色の葉が平和公園でも目立つそうです.

凍ったマムシ マユミの実

次にアベリア(abelia,スイカズラ科,別名:ハナゾノツクバネウツギ(花園衝羽根空木))を観察して,普通は対生ですが,三輪生が混在しているのを確認しました.ひこばえは三輪生になる確率が高いそうです.名前の由来のツクバネについて,実とガク(萼)で,羽子板の羽のようになっていることを確認しました.花に虫が寄ってくるので,探鳥会の人たちから,これを平和公園に植えてほしいという要望があるそうです.牧野ヶ池からとってきたムクロジ(無患子,ムクロジ科)の実も観察しました.種は羽子板の羽の玉にするものです. 畑で見つけた5mm 大の白い3個の卵を土と一緒に持ってき女性がいました.すぐに,多分カナヘビ(蛇舅母または金蛇,カナヘビ科)の卵だろうということなりました.3つの内1つの中身を割って確認しようとしましたが,結局,置いておいて孵化を待つことになりました.

ハナゾノツクバネウツギのツクバネ ムクロジの実 カナヘビの卵

次に桜の園から今朝拾ってきたダイオウショウ(大王松,マツ科)の松かさを観察しました.ヒマラヤスギ(喜麻拉亜杉,マツ科)の実を持ってきた参加者もいました.マムシが少し解凍したので,縞模様を観察しました.頭は轢かれてつぶれていました.都会の子供に見せたいとして持ってこられ,冷凍したそうです.長さは約30cm だそうです.最後に,平和公園で拾ったケイカボク(珪化木)を見ました.炭焼広場の畑で見つけたものでした.ハンノキ湿地の崖地でも見つかるそうです.里山の家の南側のケヤキ(欅,ニレ科)のてっぺんでカワラヒワ(河原鶸,アトリ科)が2羽とまってしきりに鳴いていました.そのすぐ上を黒いチョウトンボ(蝶蜻蛉,トンボ科)がひらひらと飛んでいました.

ダイオウショウの松かさ ケイカボク

先月の記録を見て,北限の猿がコウモリガ(蝙蝠蛾,コウモリガ科)の幼虫を食べているという報告がありました.先週,雄と言っていたカナヘビを持って帰った男の子が,カナヘビは大食らいで,小さなイモムシが大好きであるという話をしました.さらに,このカナヘビは卵を4個,3日前に産んだそうです.孵化するのに1ヶ月くらいかかるそうです.

動かない観察会を10:25までして,急いで出発しました.大坂池の南側の道を進みました.途中で紫色の花をつけたムラサキカタバミ(紫酢漿草または紫片喰,カタバミ科)と黄色い小さな花をつけたカタバミ(酢漿草または片喰,カタバミ科)を観察しました.イモカタバミ(芋酢漿草または芋片喰,カタバミ科)とムラサキカタバミの違いについて話題がでました.花のオシベの葯が黄色いのがイモカタバミです.ムラサキカタバミは江戸時代末期に観賞用として入ってきたもので,イモカタバミは戦後入ってきた外来種で,ともに南アメリカ原産だそうです.

【外部リンク】ムラサキカタバミ・イモカタバミ(北摂の生き物)

ムラサキカタバミ

交尾中のトノサマバッタ(殿様飛蝗,バッタ科)を男の子が捕まえて籠に入れました.籠の中でもそのままでした.オオシオカラトンボ(大塩辛蜻蛉,トンボ科)の交尾中の雄雌も網でつかまえて観察しました.シオカラトンボ(塩辛蜻蛉,トンボ科)との違いを図鑑を見ながら確認しました.雌雄とも翅の付け根に黒い模様があるのがオオシオカラトンボでした.図鑑によると多少オオシオカラトンボの方がシオカラトンボより大きいですが,大きさでの区別は難しいようです.シオカラは塩を吹いたような感じで,胴体の模様が違うという参加者もいました.アオスジアゲハ(青条揚羽,アゲハチョウ科)をつかまえた時に,アゲハといった大人に対して男の子がアオスジと付け加えました.

トノサマバッタ アオスジアゲハ

スズコナリヒラ(鈴子業平,イネ科)の竹林の横で,竹の葉を観察しました.その後,登りの藪こぎを始めました.途中でクマザサ(熊笹,イネ科)を観察して,今年の若葉と昨年までの縁が枯れている葉を比較しまた.ベニタケ?(紅茸,ベニタケ科)のようなキノコがクマザサの下にありました.シャシャンボ(小小坊,ツツジ科)からビーティングネットを使ってクロオビトゲムネサルゾウムシ(黒帯棘胸猿象虫,ゾウムシ科)を見つけた参加者がいました.
ここで,笹の葉を織ったカバキコマチグモ(樺黄小町蜘蛛,フクログモ科)の巣を見つけて観察しました.このクモは毒蜘蛛だという説明がありました.

スズコナリヒラ クマザサ ベニタケ?

大乗寺の石垣がある道に出て,東に向かいました.周辺のハギ(萩,マメ科)は既に少しだけ小さな花を咲かせていました.石垣の近くで白花のネジバナ(捩花,ラン科)を2株見つけました.直ぐ横に普通のピンクのネジバナもありました.右左両方のねじれのものがありました.何か珍しい虫を期待したのか男の子たちが寄ってきて,ネジバナを見て「花かよ」と言い放っていきました.

ハギの花 白花のネジバナ ピンクのネジバナ

近くでティーの上にゴルフボールを載せたような形のぶつぶつのついた真っ白なきのこがありました.その場では名前が分かりませんでしたが,前にも観察したことがあるシロオニタケ(白鬼茸,テングタケ科)でした.道の逆側には実のついたナツハゼ(夏黄櫨,ツツジ科)がありました.熟すと実は食べられるそうです.すぐ横のウバメガシ(姥目樫.,ブナ科)は植えられたもので,炭焼広場でも2本植えて,炭を作る予定だそうです.

シロオニタケ ナツハゼの実

トウチク(唐竹,イネ科)林に入って,竹の子から少し大きくなった竹を切って中の竹水(チクスイ)を観察しようとしました.栄養価の高い無菌水ですが,残念ながら見つかりませんでした.モウソウダケ(孟宗竹,イネ科)の場合は簡単に見つかるそうです.ゾウムシの研究をしている参加者がカグヤヒメ(かぐや姫)を探すと言ったときに,タイワンタケクマバチ(台湾竹熊蜂,ミツバチ科)の幼虫だと思った人がいましたが,実際はカグヤヒメキクイゾウムシ(かぐや姫木喰象虫,ゾウムシ科)の幼虫を探していました.残念ながらこの幼虫は竹の中におらず,代わりにハイイロヤハズカミキリ(灰色矢筈髪切,カミキリ科)の幼虫がいました.トウチクのまだ柔らかい稈を多くの人が食べましたが,「えぐい,渋い,苦い」という言葉しか出てきませんでした.大きな稈鞘がトウチクには付いていましたが,中華ちまきには使えないという説明がありました.

竹水がないことの確認 ハイイロヤハズカミキリの幼虫

竹林の外側ではサワヒヨドリ(沢鵯,キク科)が数株ありました.まだ,花はつぼみでした.オニユリ(鬼百合,ユリ科)のムカゴ(零余子)も観察しました.周辺には10株を超えるギボウシ(擬宝珠,ユリ科)が群生していました.小さなエノキ(榎,ニレ科)の葉に5cm 大の茶色のコスズメ(小天蛾,スズメガ科)の幼虫がいました.コスズメの食草はエノキではないですが,周辺に食草のノブドウ(野葡萄,ブドウ科)などがあり,そこから移動したのだろうということになりました.

オニユリのムカゴ コスズメの幼虫

感想会は里山の家の中で行いました.大勢が参加したため,長机と椅子を増設しました.遅れて戻ってきた女性の参加者から平和公園で採ったヤマモモ(山桃,ヤマモモ科)のジャムとそれを塗ったパンが提供されました.9歳で野菜ソムリエ(Sommelier)の資格を取り,「野菜嫌いがなくなる魔法のレシピ」(主婦と生活社)を出版した男の子も挨拶しました.暑かったですが楽しい観察会になりました.

観察項目:アメリカザリガニ,ユスラウメ,ユスラウメのジャム,ユスラウメの実の焼酎漬け,赤観察項目:マユミ,ヤマコウバシ,冷凍されたマムシ,ハナゾノツクバネウツギ,ゴマダラカミキリ,カナヘビの卵,ダイオウショウの松かさ,ヒマラヤスギの実,ワルナスビ,ケイカボク,トノサマバッタ,スズコナリヒラ,クマザサ,カタバミ,ムラサキカタバミ,クロオビトゲムネサルゾウムシ,トノサマバッタ,オオシカラトンボ,アオスジアゲハ,スズコナリヒラ,シロオニタケ,ハギの花,ネジバナ,白花のネジバナ,トウチク,ハイイロヤハズカミキリ,オニユリのムカゴ,サワヒヨドリ,コスズメの幼虫,カラタチの実,ニホントカゲ,ミソハギ,ナツハゼ,カバキコマチグモ,アオスジアゲハ

文・写真:伊藤義人 監修:滝川正子

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2012-8-18 128

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