このサイト内の検索   
SmartSection is developed by The SmartFactory (http://www.smartfactory.ca), a division of INBOX Solutions (http://inboxinternational.com)
2012年 > 8月度の観察記録
8月度の観察記録
2012年8月度の観察記録です。

Untitled Page

前日の天気予報では降雨率が90%で,雨具を用意していたのですが,日差しの強い真夏の晴れになりました.新池周辺はクマ ゼミ(熊蝉,セミ科)の鳴きしぐれが頭上から降ってきていました.野鳥のいない新池のスイレン(睡蓮,スイレン科)は,白い花はもうなくなっていました が,葉が水面を覆っていました.9時には,すでに日差しがきつかったので,東星ふれあい広場では誰も遊んでいず,ギンヤンマ(銀蜻蜓,ヤンマ科)だけがス イスイと飛んでいました.ニセアカシア(針槐,マメ科)とア カメガシワ(赤芽槲,トウダイグサ科)には実がついていました.里山の家の屋根には芝生だけで なくヤハズソウ(矢筈草,マメ科)などの野草が大きく育っていました.平和公園境界の石垣に貴重種のミズスギ(水杉,ヒカゲノカズラ科)が2株あ りまし た.里山の家のすぐ周辺でもギンヤンマやトノサマバッタ(殿様飛蝗,バッタ科)がいました.参加者は,子供3名と大人25名でした.

まず,参加者が持ってきた食用ヘチマ(糸 瓜,ウリ科ヘチマ属)を観察しました.形は,ズッキーニ(Zucchini,ウリ科カボチャ属)に近い細長いもの でした.普通のヘチマは苦いですが,食用ヘチマはほとんど味がなく,スイギョウザ(水餃子)に入れて食べるという説明がありました.キュウリ(胡瓜,ウリ 科キュウリ属)の仲間ではなく,カボチャ(南瓜,ウリ科カボチャ属)に近いという説明もありました.

アカメガシワ ミズスギ 食用ヘチマ

次に男の子が持ってきたカナヘビ(金蛇,カナヘビ科)の子供を観察しました.前々回持って帰ったカナヘビが子供を8匹生ん で,その内の5匹でした.生まれて1週間ぐらいの小さなカナヘビでした.アブラムシ(油虫,アブラムシ科)などを食べるそうです.ほしい人にあげるという ことでしたが,餌を探すのが大変そうということで誰も手をあげませんでした.学校でカナヘビを観察して自然科学に興味を持って,薬品会社で研究者をしてい る人がいるという話が出ました.何かに一生懸命になれば,他の機会をなくす(機会費用)ということですが,人は同時に2つを選択して生きてはいけないの で,良い選択をしたと思って努力するよりないと思います.
カナヘビの飼い方は,直射日光は避け,湿気は十分に,ただし水をかけないで,1日10分間は日に当てるということでした.爬虫類用の紫外線ランプが売って いるそうです.カルシュウムから骨を作るためにビタミンD3が必要で,これが紫外線を浴びて体内で作られるからのようです.ある種類の爬虫類の雌雄は,孵 化時の環境温度で決まるという話題が出て,山崎川のカメの雄は1割しかいないという話が出ました.

【外部リンク】温度による性決定(TORTOISE LAND)

6月の日経新聞のバキュロウイルス(Baculoviridae,バキュロウイルス科)の記事を持ってきて,幼虫を乗っ 取って,足を動かす神経以外を溶かして,枝先などの目立つところで死なせ,鳥などに食べさせてウイルスを拡散させるという話をした参加者がいました.関連 して,ツタンカーメンの呪いも話題になりました.呪いではなく,ピラミッドの何千年前の病原菌やコウモリの糞に繁殖する寄生虫が原因という説もあるようで すが,全く科学的根拠がなく,でたらめという説もあるようです.

【外部リンク】世にも恐ろしいファラオの呪い(都市伝説666)

【外部リンク】ツタンカーメンの呪いとは(知恵と駄文の神殿)

オシドリ(鴛鴦,カモ科)やツバメ(燕,ツバメ科)の子供が,つがいの相手とは違う遺伝子を持っている例が多いということ も話題になりました.生き物の生き残り戦略のようです.
先月の報告を見て,ムラサキカタバミ(紫片喰,カタバミ科)はユリ根で増えて,取れやすい1つの球根(鱗茎)から1株が増えて,なかなか駆除できないとい う説明がありました.イモカタバミ(芋片喰,カタバミ科)との違いは花のおしべの色と根の形を見れば分かるということでした.
出発してすぐに,里山の家の倉庫の前の6つのバ ケツ稲を観察しました.バケツ稲は,苗を1本,3本,5本の株を植えたもの をそれぞれ2つずつ作っていました.品種は,喜寿というモチ米でした.分けつ数を確認するため,皆で茎をかぞえました.その結果は以下のようでした.
1本苗:26本,40本, 3本苗:31本,40本,5本苗:28本,43本
何本の稲を最初に植えても,最終的に平均の茎の数はほとんど変わらないので,もみの使用量を考えれば1本苗の効率が高いことが分かりました.普通は,田植 機も3本苗で田植えをするそうです.5本苗のバケツの稲の横にはホソバヒメミソハギ(細葉姫禊萩,ミソハギ科)が生えていました.

バケツ稲の茎数の比較

カエル池の近くでセリ(芹, セリ科)の小さな密集した白い花を観察しました.人参の花に似ているという感想がでました.近 くのヤブガラシ(藪枯,ブド ウ科)には,緑色の5mm大の実がついている株と,ほとんどついていない株がありました.小さな花弁が落ちた花盤(蜜のついた 盤状の花托)は緑色とオレンジ色のものが混じっていました.葉は,鳥足状複葉で3枚や5枚のものが多くありました,蔓(つる)と葉は対生で,蔓の方が本線 でどこまでも伸びて,茎になっていました.
平和公園の植物に名前の案内板がいるかどうかという質問に対して,大勢は名前を見ると分かったような気がして観察しないのでいらないという回答でした.

セリの花 ヤブガラシ

よく似た紫色の小さな花をつけたア レチハナガサ(荒地花笠,クマツヅラ科)とヤ ナギハナガサ(柳花笠,クマツヅラ科)があ りました.ミソハギ(禊萩, ミソハギ科)の花も水路近くに数株ありました.

ヤナギハナガサ アレチハナガサ ミソハギ

コナラ(小楢,ブナ科)の葉に緑色のサ ツマノミダマシ(薩摩実騙.コガネグモ 科)を見つけて皆で観察しました.その後で,約10mm長の横縞のある昆虫を2匹捕まえました.カネタタキ(鉦叩,カネタタキ科)やクサヒバリ(草雲雀, クサヒバリ科)という名前が出ましたが,大きすぎるのでア オマツムシ(青松虫,コオロギ科)の幼生(幼虫)ではないかということになりました.

【外部リンク】アオマツムシの幼虫(ご近所の小さな生き物たち)

サツマノミダマシ アオマツムシの幼生(幼虫)

いつも見る元畑で,キクイモ(菊芋,キク科)以外に大きな葉を持つオオブタクサ(大豚草,キク科)が侵入しているのを見つ けました.ここで,後脚が1本しかないサトクダマキモド キ(里管巻擬,キリギリス科)を見つけて観察しました.アオバハゴロモ(青羽羽衣,アオバハゴロモ 科)もキクイモの茎にたくさんいました.指で追いかけると茎をまわりこむような動きを見せました.熱を感じているのではないかと思い,棒で追いかけても同 じ動作をすることを確認したと話す人がいました.

サトクダマキモドキ アオバハゴロモ

1cm大ほどの白い虫の まゆ状 のものを観察しました.小さな穴がいくつかあいており,一つだけ黒いものが残っていました.クヌギシギゾウムシ(椚鷸象虫, ゾウムシ科)をナツハゼ(夏黄櫨,ツツジ科)のところで見つけて,皆で長い口を観察しました.ナツハゼの実は熟すとおいしいそうです.
10cmくらいの大きなカマキリ(蟷螂,カマキリ科)を捕まえて,1人の女の子に胴を持つように勧めましたが,怖がって嫌がりました.もう1人の女の子は 平気で持ちました.近くのアベマキ(, ブナ科)の葉に数mm大の赤い虫こぶが たくさんあるのを見つけました.白い花が下向きに咲いていたネジキ(捩木, ツツジ科)は,すでに緑色の実をつけていましたが,上向きでした.

虫のまゆ? クヌギシギゾウムシ アベマキの虫こぶ

樹液を出しているアベマキの幹でヒメホシカメムシ(姫星亀虫,オオホシカメムシ科)を見つけて観察しました.エサキモンキ ツノカメムシ(江崎紋黄角亀虫,ツノカメムシ科)もいました.
水田近くの道端で,大きなショウリョウバッタ(精霊蝗虫,バッタ科)が草の先端で死んでいるのを発見して,バキュロウイルスのせいではという話題になりま した.他にも数匹のバッタが草につかまったまま死んでいました.バキュロウイルスがつく種は限られていますので,多分,普通の自然死でしょうが,気をつけ てみると意外と草につかまったままの多くのバッタの死骸を発見できました.
アベマキの幹の高い所に複数のコ シロシタバ(小白下趐,ヤガ科)がとまっていました.近くで,ナガコガネグモ(長黄金蜘 蛛,コガネグモ科)の網に10cm大の大きなショウリョ ウバッタがかかり,白い糸で巻かれているのを観察しました.ショウリョウバッタはまだ生きていまし た.他のナガコガネグモにかかった小さな昆虫はあっという間に白い糸に巻かれてしまいました.その周辺はキリギリス(螽斯,キリギリス科)の鳴き声が盛ん にしました.

【外部リンク】コシロシタバ(みんなで作る日本産蛾類図鑑)

コシロシタバ
ナガコガネグモに捕まったショウリョウバッタ

男の子がせせらぎでケラ(螻 蛄,ケラ科)を見つけて水の中へ入れて泳がせました.あまりに直鎖日光が暑いので,大きなキリ の木陰へ避難しました.実のついたキリ(桐, コマノハグサ科)の木陰は大変気持ちの良い場所でした.すぐ横のシンジュ(神樹,ニガキ科)にも実がついてい ました.
100mくらいを歩くのに1時間半かけてしまったので,急いで湿地に行き,サギソウ(鷺草,ラン科)の花を数えました.もっとも大きな数字は,男の子の 20個でした.ミズギボシ (水擬宝珠,ラン科)とワレモコウ(吾 亦紅,バラ科)もありました.カキツバタ(杜若,アヤメ科)も1株だけ,紫色の花を咲かせ ていました.タカサゴユリ(高砂百合,ユリ科)の花やガガイモ(蘿芋,ガガイモ科)もありました.

水面のケラ
キリの実 ミズギボシ ワレモコウ

里山の家の中で感想会をしました.女の子が,ギンヤンマを網で捕まえて持っていました.尾の上が青色であり雄でした.子供 のころ,網を振り回して,ギンヤンマの雄をたくさん捕ったこと思い出しました.美濃太田駅の大量のツバメやバキュロウイルスに関しての感想が出ました.汗 だくになりましたが,多くの生き物が観察できた楽しい観察会になりました.

観察項目:カナヘビ,食用ヘチマ,バキュロウイルスの新聞記事,イネの分けつ,ヤブガラシ,セリの花,アレチハナガサ,ヤナギハナガサ,ミソハギ,サツマ ノミダマシ,アオマツムシの幼生,キクイモ,オオブタクサ,ショウリョウバッタ,サトクダマキモドキ,ギンヤンマ,クヌギシギゾウムシ,カマキリ,アベマ キの虫こぶ,ネジキ,ヒメホシカメムシ,エサキモンキツノカメムシ,コシロシタバ,ナガコガネグモ,ケラ,キリ,シンジュ,サギソウ,ミズギボシ,ワレモ コウ,カキツバタ,タカサゴユリ,ガガイモ,ユスラウメ,ヤマモモ,ヒメホシカメムシの幼虫,メイガの幼虫,ホソバミソハギ,シロバナサクラタデ

文・写真:伊藤義人 監修:滝川正子

  この記事を PDF フォーマットで見る 記事を印刷する 記事をメールで送信

この記事の添付ファイル
ファイル名 掲載日 ヒット
ファイルをダウンロード 2012年8月度の観察記録です
2012年8月度の印刷用観察記録です
2012-10-11 119

ページ移動
良く読まれた記事 7月度の観察記録 9月度の観察記録 次の記事