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10月度の観察記録
2014年10月度の観察記録です。

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台風19号が沖縄に来ていましたが,まだその影響は少なく微風が吹く曇りでした.街路のイチョウ(銀杏,イチョウ科)とト ウカエデ(唐楓,カエデ科)は,紅葉(黄葉)を始めていました.桜の葉も,落葉が始まっていて,少なくなった葉は黄葉が始まっていました.新池の水面を 覆っているスイレン(睡蓮,スイレン科)の葉も,枯れ始めていました.土手のセンダン(栴檀,センダン科)の実はクリーム色になっていました.樹木の間に 張られた蜘蛛の巣の中心のジョロウグモ(女 郎蜘蛛,ジョロウグモ科)の雌はやっと太ってきて,周辺に数匹の雄を従えていました.新池には,アオサギ(青鷺,サギ科)が1羽だけいました.東星ふれあ い広場には,20数羽のスズメ(雀,スズメ科)と2羽の番のカラス(烏,カラス科)がいました.
参加者は,大人20人と昆虫が大好きな男の子1人でした.

ジョロウグモの雄雌

先月の観察報告を見て,まず,ホソオチョウ(細尾揚羽蝶,アゲハチョウ科)が話題になり,1人の参加者が無縁塚で写真に撮 り,後で確認したそうです.ホソオチョウは,多分1年に3世代以上の多化性の外来種で,ジャコウアゲハ(麝香揚羽,アゲハチョウ科)(2化性)と同じウマ ノスズクサ(馬鈴草,ウマノスズクサ科)を食草としていて,ジャコウアゲハより生長が早いので,ジャコウアゲハは淘汰される可能性があるという説明があり ました.次に,先月のツリガネニンジン(釣鐘人参,キキョウ科)は葉に鋸歯が有り,同定に間違いはなかったということでした.
参加者の1人が,世界一大きい花のラフレシア(Rafflesia,ラフレシア科)をマレーシアで見てきて,その画像を見せました.すぐ横に2つの蕾(つ ぼみ)もありました.花はものすごく臭く,中心はピザパイのような形をしており,キンバエ(金蠅,クロバエ科)のようなハエがたかって受粉をさせていたと いう説明がありました.花だけで葉はなく,ブドウ科植物の根に寄生していることを確認したそうです.野菜として売られていたサイカチ(?莢,マメ科)より 大きな実の鞘に入った豆(Patai(現地語))も観察しました.お土産のザバ(Java,ニガキ科)のドライフルーツが参加者に供されました.最後に, 4cm程度の体長のニシキウデナガコガネ(錦 腕長黄金,コガネムシ科)?の雌雄を観察しました.標本にするため,お湯などに入れて足を伸ばす必要があり,昆虫少年の男の子が引き受けました.
別の女性の参加者が,エゾシカ(蝦夷鹿,シカ科)の角と胡桃の実で手作りした剣玉を持ってきました.玉にしたクルミ(胡桃,クルミ科)の実の大きさは,エ ゾジカの角の受け台の大きさと釣り合いがとれておらず,実用性はあまりないようでした.
ここまでで,10:25になってしまい急いで,出発しました.アサギマダラ(浅黄斑,マダラチョウ科)にマーキングをするために,捕虫網を2組の人が持っ ていました.

ニシキウデナガコガネ

まず,大坂池の土手でスズメと一緒にいた尾を独特に振るノビタキ(野鶲,ツグミ科)を2羽見ました.大坂池南では,花弁 (舌状花)がないコセンダングサ(小 栴檀草,キク科)と花弁のあるアメリカセンダングサ(亜 米利加栴檀草,キク科)が混在していました.近くの畑にア カソバ(赤蕎麦,タデ科)が植えられていました.1つだけ白花が咲いていました.赤花は,まだつぼみでした.白花の方が劣性だ そうです.アカソバのソバは,普通の白花のソバに比べてうまくないという説明もありました.花は咲くと非常に綺麗で,この近辺では木曽三川公園センターで コスモス(秋桜,キク科)と一緒に満開の花を見ることができます.
ここで,2cm長くらいの非常に細長いセスジスズメ(背 筋雀,スズメガ科)の幼虫を見つけました.2齢くらいだろうということになりました.先端に特徴的な尾角を持っていました.

コセンダングサ アメリカセンダングサ アカソバの花のつぼみ セスジスズメの幼虫

近くに,赤い実をつけたイ ヌタデ(犬蓼,タデ科,別名:アカマンマ)が群生していました.Nexco中日本の協力で植えたイボタノキ(水蝋木,モクセイ 科)とズミ(酢実,バラ科)は,周辺を野草で囲まれていましたが,10年後20年後に白い花があふれるのではという話がでました.
オオカマキリ(大 蟷螂,カマキリ科)と卵嚢を抱えたイオウイロハシリグモ(硫 黄色走蜘蛛,キシダグモ科)を見つけて,皆で観察しました.オオカマキリを指でつまんでいると,口から透明な液体を出してきました.バッタは,手で持つと 黒い液を吐き出しますが,これは緊張して,消化器官から消化しているものを吐き出しているそうで,似たようなものかもしれません.枯れ草色の雌のマツムシ(松虫,マツムシ科)を見つけて,観 察瓶にエンマコオロギ(閻魔 蟋蟀,コオロギ科)と一緒に入れて観察しました.
周辺で,モズの高鳴きとクサヒバリ(草雲雀,クサヒバリ科)のチリリリという鳴き声がしました.ここで,穂が垂れているアキノエノコログサ(秋狗尾草,イ ネ科)と穂が真っ直ぐなエノコログサ(狗尾草,イネ科)を比較しました.アキノエノコログサは,米国にも進出しており,この穂をGiant Foxtailというそうです.

【外部リンク】Giant Foxtail(Penn State Extension)

イヌタデ 口から水をだしたオオカマキリ イオウイロハシリグモ マツムシとエンマコオロギ

黄色い花のオッタチカタバミ(御立片喰,カタバミ科)があり,カタバミ(片喰,カタバミ科)との違いが話されました.近く のホソバノアキノノゲシ(細 葉秋野芥子,キク科)とアキノノゲシ(秋野芥子,キク科)の違いが話題になりました.花には差はありませんが,アキノノゲシの葉は,切れ込みがあり尖って いて,ホソバノアキノノゲシは,細長い葉でした.
穂に小さな黄色い花(オシベ)をいっぱいつけたススキ(芒,イネ科)がありました.すぐ下にアップルミント(Apple Mint,シソ科)の白い花が咲いていました.アオイト トンボ(青糸蜻蛉,アオイトトンボ科)を男の子が捕って,皆に見せました.在来のハラビロカマキリ(腹広螳(蟷)螂,カマキリ 科)を捕まえて男の子にあげた参加者がいました.標本にするそうです.

ホソバアキノノゲシの花 アオイトトンボ

セイタカワダチソウオオハナアブ(大花虻,ハナアブ科),ハナア ブ(花虻,ハナアブ科),ナナホシテントウ(七 星天道,テントウムシ科)などの昆虫がたくさんついていました.ヨ メナ(嫁菜,キク科)が群生していて,花弁を1つとって,根本に毛がついていなかったことで,ノコンギク(野紺菊,キク科)で ないことを確かめました.ノイバラ(野茨,バラ科)の赤い実をとって,男の子に食べさせた参加者がいました.最初は甘くないと行っていましたが,食べ方を 教えてもらい甘いと言いました.ガマズミ(莢?,スイカズラ科)にも赤い実がついていましたが,白い残り花もありました.
湿地にはミゾソバ(溝蕎麦,タデ科)が一面に花を咲かせていました.ウスノキ(臼木,ツツジ科)には,1つだけ赤い実がついていました.イモカタバミ(芋酢漿草,カタバミ科)も周辺 に群生していました.

セイタカアワダチソウとオオハナアブ ナナホシテントウ ヨメナの花 イモカタバミ

両脚に花粉玉をつけたニ ホンミツバチ(日本蜜蜂,ミツバチ科)が,セイタカアワダチソウの花を飛び回っていました.花粉は,ミツバチの幼虫が食べるの で,巣に子供が育っているかどうかを判定できるという話がでました.
道から少し離れたところで,ススキの 1本の穂が縛ったようなすぼまった形をしていました.引っ付き虫が付くのも係わらず採取に行った参加者がいました.縛ったように見える所は赤カビがついて いるようでした.アレチヌスビトハギ(荒地盗人萩,マメ科)の実が引っ付き虫になって,衣服にたくさんつきました.両面ファスナーではなく,ベルクロ (Velcro)というと外国でも意味が通じるそうです.竹藪の中に,カラスウリ(烏瓜,ウリ科)の赤い実を2つ見つけました.竹藪のすぐ横のヒサカキ (姫榊,ツバキ科)の葉には,沢山のカタツムリ(蝸牛,オナジマイマイ科)がついていました.カタツムリ(イセノナミマイマイ)は,ヒサカキの葉を食べて いるようでした.人参をやると赤い糞を出すと,カタツムリを飼ったことがある女性参加者が言いました.ミズヒキ(水引,タデ科)が赤い花を咲かせて いました.水引そのものを分からない若い人が増えているようです.ア ズチグモ(安土蜘蛛,カニグモ科)が,葉の上でじっとしているのを観察しました.
ツルマメ(蔓豆,マメ科)とヤブマメ(藪豆,マメ科)が一緒に群生しているのを観察しました.ツルマメは大豆の原種で,実の鞘に毛があり,大きくなった豆 が鞘に入っていました.ヤブマメは鞘の表面はつるんとして,マメは膨らんでいませんでした.生でツルマメの豆を食べて,うまいという感想が出ました.枝豆 と同じ味だったようです.ここで,トゲグモ(棘蜘蛛,コガネグモ科)を見つけて,手にとって観察した人がいました.

花粉玉を両脚につけたニホンミツバチ ススキ ミズヒキ アズチグモ

湿地の木道を歩いている時に,ア サギマダラを見つけて,捕中網を持った女性参加者と男の子が捕獲しました.オス3頭とメス1頭の合計4頭を捕まえて,マーキン グをしました.放蝶する前に,体長を測定したところ,58mm,49mm,60mm(メス),61mmでした.放蝶するために手を離しても,じっと死んだ ふりをして,突然飛び上がりました.その瞬発力に驚きの声があがりました.今回は,既にマーキングされたものはいませんでした.これまで,蔵王から飛んで きたアサギマダラをマーキングしたことがあるそうです.逆に平和公園でマーキングしたものが,師崎などで捕獲された例があるそうです.大阪市立自然史博物 館が立ちあげているアサギマダラのネットが情報を集めているという報告がありました.
湿地ではシラタマホシクサ(白玉星草,ホシクサ科)がまだ一面に白い花を咲かせていました.黄色い花のスイラン(水蘭,キク科)もその中でまばらに咲いて いました.サワシロギク(沢白菊,キク科)と紫色の花をつけたサワギキョウ(沢桔梗,キキョウ科)が,少し離れて咲いていました.湿地の端で,アカバナ (赤花,アカバナ科)を見つけた人がいました.ピンクの小さな花が1つだけ残っており,周辺に細長い緑色の実とそれがはじけた実殻もありました.
12時過ぎになり,急いで里山の家に戻りました.途中で,ニホンミツバチの翅音を,セイタカアワダチソウが群生している所で聞きました.また,里山の家の 前の樹木の頂上で,モズが睫弔をずっとしているのも聞きました.

マーキングしたアサギマダラ

里山の家の中で感想会を行いました.いつもの女性参加者から,サツマイモをスライスして挟んだバウンドケーキが供され,お いしくいただきました.アサギマダラにマーキングできたのが良かったという感想がまず出ました.ツルマメとヤブマメ,コセンダングサとアメリカセンダング サ,ホソバアキノノゲシとアキノノゲシなど,類似の植物が同じ場所で観察できるのは何故かという疑問がでました.秋深い気持ちの良い観察会になりました.

観察項目:ラフレシアの画像,ニシキウデナガコガネ,サイカチに似た台湾のマメ,ノビタキ,アカソバ,セスジスズメ,イボ タノキ,ズミ,イヌタデ,イオウイロハシリグモ,アメリカセンダングサ,コセンダングサ,アキノノゲシ,ホソバアキノノゲシ,ススキ,カラスウリの実,ミ ズヒキ,オオカマキリ,ハラビロカマキリ,コカマキリ,マツムシ,ヨメナ,クサヒバリの鳴き声,オッタチタカバミ,アキノエノコログサ,エノコログサ,セ イタカアワダチソウ,ハナアブ,オオハナアブ,ナナホシテントウ,ウスノキ,アサギマダラ,イモカタバミ,ニホンミツバチ,ツルマメ,ヤブマメ,シラタマ ホシクサ,スイラン,サワギキョウ,アカバナ,アオイトトンボ,クロコノハチョウ,モズ 

文・写真:伊藤義人 監修:滝川正子

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2015-5-3 65

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