風が全く無く晴天で,気持ちの良い芋煮会日和でした.街路のトウカエデ(唐楓,ムクロジ科)は,すっかり葉を落としていましたが,イチョウ(銀杏,イチョウ科)は,個体差があり,すっかり葉を落としたものと黄葉した葉をまだいっぱい付けているものもありました.歩道横の花壇には,オキザレス(Oxalis,カタバミ科),オッタチカタバミ(おっ立ち片喰,カタバミ科),ランタナ(Lantana,クマツヅラ科),ホトトギス(社鵑草,ユル科),ローズマリー(rosemary,シソ科)の花を見ることができました.ユキヤナギ(雪柳,バラ科)やハナゾノツクバネウツギ(花園衝羽根空木,スイカズラ科)の小さな残り花もありました.新池土手のセンダン(栴檀,センダン科)は,ほとんど実だけが鈴なりになっていました.新池のスイレン(睡蓮,スイレン科)は水面からほとんどなくなり,水鳥が多く来ていました.オオバン(大鷭,クイナ科)3羽とカイツブリ(鳰,カイツブリ科)1羽は,盛んに潜っていました.バン(鷭,クイナ科)も2羽いました.ヒドリガモ(緋鳥鴨,カモ科),オナガガモ(尾長鴨,カモ科),コガモ(小鴨,カモ科)らをまとめて28羽まで数えましたが,張り出した樹木の下や枝にもおり,影になっていて正確には同定できませんでした.
集合時間の1時間半くらい前から1人で平和公園の奥池まで行き,一回りして以下のような種々の写真を撮りました.1)マメガキ(豆柿,カキノキ科),2)赤い実のついたナンテン(南天,メギ科),3)カラスウリ(烏瓜,ウリ科)の赤い実,4)ナンキンハゼ(南京櫨,トウダイグサ科),5)ハクサンボク(白山木,レンブクソウ科(旧スイカヅラ科))の濃紫色の葉,6)各所のイロハモミジの紅葉, 7)柑橘類の畑の実,8)芝生広場などでの落葉と紅葉した樹木.アオジ(青鵐,ホオジロ科)に何度も出会いました.平和公園の中の多くの樹木は紅葉していて,高度の低い朝日の中で輝いていました.日陰の場所では霜が降りていました.イロハモミジ(伊呂波椛,ムクロジ科カエデ属(旧カエデ科))の紅葉は,今年は真っ赤になったものもあり,まだ大変きれいでした.
9時半に里山の家の中で,観察会を始めました.参加者は,大人22名と子供5名でした.まず,先月の報告を皆で見ました.蛙池にいるのはカダヤシ(蚊絶,カダヤシ科)で,メダカ(目高,メダカ科)でないことをどうやって知らせるかという話題が出ました.東山動植物園のメダカプロジェクトで,平和公園でのメダカ放流が検討されましたが,奥池からのせせらぎは水流が早すぎるという結論になったという報告がありました.先月の亀は逃がしたという報告もありました.
8月から観察していたオオスズメバチ(大雀蜂,スズメバチ科)の巣を東邦高校の近くの斜面の土中から掘り出してきて披露されました.巣の中から出てきた2匹の働き蜂も回覧されました.女王蜂は別の場所で越冬中だそうです.巣は1年限りで放棄され,土に戻るということでした.受精卵はメスの働き蜂になり,オスは単性生殖で発生して,別の巣の雌と交尾可能なので,多様性(両性生殖)を確保しているという話をしました.ワラジムシ(草鞋虫,ワラジムシ科)が巣の中にいるのを見つけました.スズメバチの巣は,博物館で展示のため数万円の価値があるということでした.この巣は,里山の家でケースに入れて展示することになりました.
リアカーに水タンクも含め多くの芋煮会用の荷物を載せたので,重くてとても子供に引かせるわけにはいかず,男性の大人3人で引いて出発しました.里山の家の倉庫のコンクリートの三和土(たたき)で,藁叩きしている人たちがいました.
私を含めて虫好きの男性参加者3人は,越冬している昆虫を探すため,芋煮会会場の周辺を歩き回りました.
アラカシ(粗樫,ブナ科)の葉の裏に越冬中のナミテントウ(並天道虫,テントウムシ科)を見つけました.近くで移動中のナミテントウも見つけて写真を撮りました.マテバシイ(全手葉椎,ブナ科)には,2年目の実が1つだけ残っていました.クサカゲロウ(草蜉蝣,クサカゲロウ科)?が1匹飛んで来て,すぐ目の前の木の枝にとまりました.周辺のススキ(芒,イネ科)とオギ(荻,イネ科)の根元で越冬中の昆虫を探しましたが,何も見つかりませんでした.竹林の中に入り大きなエノキ(榎,ニレ科)の根元の枯葉を観察して,蝶の卵を探しましたが,何も見つかりませんでした.エノキの近くに黄色の実を付けた背の低いセンリョウ(千両,センリョウ科)がありました.
芋煮会場に戻ると,タッパにパン生地が多く用意されており,子供たちに行き渡ってから,大人たちも竹竿の先にパン生地を巻きつけてパンを焼いていました.パンを真っ黒にしてしまった男の子もいました.女の子が,こんがりと焼けたおいしそうなパンのついた竹竿を持っていたので,少し分けてくれるように女性の参加者が頼みましたが,「自分で焼けば」とつれない返事でした.昨年あたりから,子供たちは焼いたパンにジャムをつけて食べるのに夢中で,準備をした人たちを思いやることがないようになっています.
大人たちも焼けたパンに,用意されたカリン(花梨,バラ科),ローゼル(roselle,アオイ科)およびリンゴ(林檎,バラ科)の実のジャムをつけて食べました.クラッカーも用意されていたので,私はこれに3種のジャムをつけて食べました.男女の2人の子供は,ジャムの前に居座ってずっと食べていました.
芋煮鍋に,豆腐とネギ(葱,ユリ科)を最後に入れ,味見をして少し醤油を足しました.灰汁取りをしゃくしでしながら,試食したところ,まだ里芋が多少硬かったので,もう1度煮立たせました.別の鍋に2杯目の芋煮を炊くために,一部を取り分けてから,皆で食べ始めました.具沢山の美味しい芋煮でした.1杯目の鍋が空になって,取り分けた別の鍋から中身を元に戻して,水を足して2杯目を煮ました.2杯目も空になるまで皆で芋煮を楽しみました.参加費として実費を計算して,大人150円,子供50円を徴収しました.幼児は只でした.
最終的に,芋煮会に参加したのは大人47名と子供15名でした.少し前に赤ちゃんでずっとだっこされていた男の子が走り回るのを見て感慨深いものがありました.風もなく快適な芋煮会になりました. |
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12月度の観察記録
2017年12月度の観察記録(PDF)です
| 2017-12-23 | 841 | |
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