このサイト内の検索   
SmartSection is developed by The SmartFactory (http://www.smartfactory.ca), a division of INBOX Solutions (http://inboxinternational.com)
2018年 > 1月度の観察記録
1月度の観察記録
2018年1月度の観察記録です。

Untitled Page

快晴で風もなく快適な観察会日和でした.新池土手のセンダンには,ムクドリ(椋鳥,ムクドリ科)とヒヨドリ(鵯,ヒヨドリ科)が実を食べに来ていました.新池北側の張り出した樹木の下には,20数羽のヒドリガモ(緋鳥鴨,カモ科),オオバン(大鷭,クイナ科),コガモ(小鴨,カモ科)などの水鳥が枝にとまるものと浮き寝状態のものがいました.1羽のカイツブリ(鳰,カイツブリ科)だけが池の中心で盛んに潜って餌を取っていました.参加者は,子供3名と大人18名でした.

センダン(名古屋平和公園) (名古屋平和公園) (名古屋平和公園) (名古屋平和公園)
センダン

集合時間になっても,観察会のいつもの代表は別件で遅れるということで,毎回クッキーを焼いて持って来てくれる女性がリードして観察会を始めました.まず,先月の報告を皆で見ました.私が報告の主だった写真を簡単に説明しました.ツチハンミョウ(土班猫,ツチハンミョウ科)の過変態について,再度,話題になりました.詳しい論文を持って来られた方もいました.過変態をするのは,ツチハンミョウ科だけで,普通のコハンミョウ(小斑猫,ハンミョウ科)では,過変態はしないようです.
オオスズメバチ(大雀蜂,スズメバチ科)の巣に関連して,百田尚樹(ノンフィクション作家)の「風の中のマリア」が紹介されました.オオスズメバチの一生を働き蜂「マリア」を擬人化してオオスズメバチの生涯を詳述したものです.映画になった「永遠の0」や「海賊とよばれた男」の売れっ子作家ですが,政治的な発言や「やしきたかじん」の長女への名誉毀損判決が確定するなど物議を醸している人です.スズメバチの生態を詳しく調べており,筆力は確かなようです.

【外部リンク】百田尚樹著「風の中のマリア」を読む(温泉大好き、ドライブも!)

キクイタダキ(菊戴,キクイタダキ科)の頭部にある黄色い筋(菊の花びらに擬して菊を戴くからキクイタダキ)の奥に,雄の場合赤い冠毛があり,これを見れば幸せになれるという話しが出ました.平和公園では,キクイタダキはメジロ(目白,メジロ科)やシジュウカラ(四十雀,シジュウカラ科)の混群の中にいて,松ぼっくりをつつきます.ちょこまか動く日本最小の野鳥で,北日本で繁殖し,越冬のため平和公園では12月に来ます.昨年も12月には,私は頭部の黄色い筋は見ましたが,コゲラ(小啄木鳥,キツツキ科)と同じで,雄の赤い冠毛の観察は簡単ではないです.なお,食べているのは松の実ではなく,松ぼっくりの中に入っているカメムシ(亀虫,カメムシ科)などの虫を食べているという話しが出ました.
   
【外部リンク】キクイタダキを初めて見た(さうざぁのホッ!)

【外部リンク】キクイタダキ・頭部の赤い♂に逢いたくなって(おじさんのそぞろ歩き日記)

今年は戌年なので,イヌの7種(くさ)ということで,イヌザンショウ(犬山椒,ミカン科),イヌビワ(犬枇杷,クワ科),オオイヌノフグリ(大犬陰嚢,オオバコ科),イヌツゲ(犬黄楊,モチノキ科),イヌマキ(犬槇,マキ科),イヌシデ(犬四手,カバノキ科)の実や葉を持って来られた参加者がいました.

イヌの7種(名古屋平和公園) (名古屋平和公園) (名古屋平和公園) (名古屋平和公園)
イヌの7種

ヤマボウシ(山法師,ミズキ科,英名:Dogwood)とカタクリ(片栗,ユリ科,英名:Dogtooth)も入っていましたが,これは英語名にDogが入っているということでした.同じ人が,クヌギ(櫟,ブナ科)から造る物として,4つのプラスチックケースに入れた炭,シイタケ(椎茸,キシメジ科),ヤママユ(山繭,ヤママユガ科)を持ってこられました.

シャーレに入ったクチキコオロギ(朽木蟋蟀,マツムシ科)を観察しました.北上中の害虫で,関東まで進出しているという説明がありました.東山植物園の樹木の名前札の裏にもいるそうです.

昆虫大好き少年が,ユミアシオオゴミムシダマシ(弓脚大塵虫偽,ゴミムシ科)を畑の角材の隙間から持ってきました.素手で触って気持ちが良いという参加者がいましたが,オサムシ(筬虫,オサムシ科)ほどではないですが,消毒薬のような臭い液を出すという注意を受けていました.ルリゴミムシダマシ(瑠璃塵虫偽,オサムシ科)とトタテグモ(戸閉蜘蛛,トタテグモ科)の仲間(キノウエトタテグモ?)も持ってきていました.

クチキコオロギ(名古屋平和公園) ユミアシオオゴミムシダマシ(名古屋平和公園) トタテグモ(名古屋平和公園) (名古屋平和公園)
クチキコオロギ ユミアシオオゴミムシダマシ トタテグモ

10:10過ぎに出発して,まず,蛙池のを見に行きました.氷を割って,定規で厚さを測ったところ最大7mmでした.端から凍るので,池の岸近くの方が厚いようでした.水銀棒温度計で水温を測ったところ,3.4℃でした.意外と高いという感想がでました.水の中から,カワゲラ(川螻蛄,カワゲラ科の総称)とミズムシ(水虫,ミズムシ科)を見つけました.参加者でない男の子が手に取って,交尾中のミズムシを見せてくれました.雌に小さな雄がついていましたが写真を撮っても分かりにくいものでした.

氷の厚さ測定(名古屋平和公園) 交尾中のミズムシ(名古屋平和公園) (名古屋平和公園) (名古屋平和公園)
氷の厚さ測定 交尾中のミズムシ

近くのトウカエデ(唐楓,ムクロジ科)の樹皮をめくって,2mm長くらいの黒い虫を見つけました.最初,何か分かりませんでしたが,動いたのでゴキブリ(蜚蠊,ゴキブリ科の総称)の幼体であることが分かりました.
平和公園の外周を北に向かって歩いて,照葉常緑樹のヒサカキ(姫榊,ツバキ科)の葉でウラギンシジミ(裏銀小灰,シジミチョウ科)が越冬しているのを教えてもらいました.越冬する前に,どうやって常緑か分かるかという質問がでましたが,解答はないようでした. 

越冬中のウラギンシジミ(名古屋平和公園) (名古屋平和公園) (名古屋平和公園) (名古屋平和公園)
越冬中のウラギンシジミ

同じ木にムネアカハラビロカマキリ(胸赤腹広蟷螂,カマキリ科)の卵鞘を見つけました.石垣についている小さなミズスギ(水杉,ヒカゲノカズラ科)の写真を撮りました.最近,ミズスギは少なくなっているということでした.
里山の家の方に戻り,オタマジャクシ池横のノイバラ(野茨,バラ科)の赤い実を食べた参加者が何人かいました.甘い食感が残るという感想が出ましたが,人には弱い毒性があり,食べ過ぎるとお腹を壊すようです.昔は,乾燥させたものを下剤として使ったようです.直ぐ横のマサキ(正木,ニシキギ科)に,目玉が飛び出したような橙色の実が付いていました.

ムネアカハラビロカマキリの卵鞘(名古屋平和公園) ミズスギ(名古屋平和公園) ノイバラの実(名古屋平和公園) マサキの実(名古屋平和公園)
ムネアカハラビロカマキリの卵鞘 ミズスギ ノイバラの実 マサキの実

大坂池の土手のタラヨウ(多羅葉,モチノキ科)に赤いがいっぱい付いていました.も大きく堅くなり,鋸歯を触ると痛い程という感想がでました.ここで,コガネグモ(黄金蜘蛛,コガネグモ科)の幼体を見つけました.ハンノキ(榛の木,カバノキ科)の幹で1mm径くらいのミドリシジミ(緑小灰蝶,シジミチョウ科)の3つの卵があるのを観察しました.肉眼では,直ぐに分からなくなりましたが,写真でははっきり判別できました.

タラヨウの実(名古屋平和公園) タラヨウの葉(名古屋平和公園) ミドリシジミの卵(名古屋平和公園) (名古屋平和公園)
タラヨウの実 タラヨウの葉 ミドリシジミの卵

朽木でクヌギカメムシ(櫟亀虫,カメムシ科)の卵を見つけました.集まった卵は,ちょっと見には幼体のように見えましたが,写真で拡大して見るとはっきりと卵の集団であることが分かりました.アベマキ(,ブナ科)の葉についた毛の付いた虫こぶを見つけた女性参加者がいました.後で調べて,多分,アベマキハスジケイガフシ(葉筋毛毬附子)だろうということが分かりました.
林の中に入って,ヤツデ(八手,ウコギ科)の葉裏で小さな寄生蜂が油虫が出した甘露を吸うのを観察しました.

クヌギカメムシの卵(名古屋平和公園) アベマキの虫こぶ(名古屋平和公園) (名古屋平和公園) (名古屋平和公園)
クヌギカメムシの卵 アベマキの虫こぶ(アベマキハスジケイガフシ)

炭焼き広場へ行き,溝に渡した材木の下側に,1頭の成虫越冬中のルリタテハ(瑠璃立羽蝶,タテハチョウ科)を見つけました.材木をひっくり返しても動きませんでした.直ぐ横の菜の花畑では,既にナノハナ(菜の花,アブラナ科)の黄色い花が咲き始めていました.葉には食痕がたくさんありましたが,幼中などは見つかりませんでした.肉食のナナホシテントウ(七星天道,テントウムシ科)だけが葉の上を動いていました.
 ムクノキ(椋木,ニレ科)の実が熟さずにひからびていました.ピエロの顔に擬されるシンジュ(神樹,ニガキ科)の葉痕をここで観察しました.シンジュキノカワガ(神樹木皮蛾,コブガ科)の繭殻も1つ付いていました. 

越冬中のルリタテハ(名古屋平和公園) ナノハナ(名古屋平和公園) (名古屋平和公園) (名古屋平和公園)
越冬中のルリタテハ ナノハナ

池でハイイロゲンゴロウ(灰色源五郎,ゲンゴロウ科)の雌雄を捕まえました.雌の方が大きく,雄には交尾時に雌を抱えるための吸盤が脚にありました.成虫で水中越冬しますが,プラストロン呼吸をするので,水中で越冬可能ということでした.すなわち,撥水性(水を弾く性質)の毛(プラストロン)を持っているため,ここに気泡(空気の泡) を付着させて,薄い泡として抱え,呼吸によって,泡の中で一定量以上に増えた二酸化炭素は,分圧が泡の外よりも高くなるので周りの水中に溶け出し,逆に呼吸で消費されてしまった酸素は,分圧が泡の外よりも低くなるので,水中から酸素が出てきてずっと水中で呼吸できるようです.
アメリカザリガニ(亜米利加蝲蛄,ザリガニ科)の幼体をこの池で見つけた中学生がいました.直ぐ横のアシ原では,ウグイス(鶯,ウグイス科)の地鳴きがしきりにしました.アオジ(青鵐,ホオジロ科)が最初に姿を見せ,その後にウグイスも少しだけ姿を見せました.

ハイイロゲンゴロウの雌雄(名古屋平和公園) (名古屋平和公園) (名古屋平和公園) (名古屋平和公園)
ハイイロゲンゴロウの雌雄

徳利形の蜘蛛の卵嚢を見つけて,多分,ナガコガネグモ(長黄金蜘蛛,コガネグモ科)だろうということになりました.木の幹の洞の奥に複数のヨコヅナサシガメ(横綱刺亀,サシガメ科)がいました.近くで,緑色のツヤアオカメムシ(艶青亀虫,カメムシ科)も見つけました.せせらぎの土手の倒木をひっくり返したとき,7匹のヒメタイコウチ(姫太鼓打,タイコウチ科)を見つけました.直ぐ上の倒木の下には何もいませんでした.向かいの湿地には多くのヒメタイコウチがいるという指摘もありました.ヒメタイコウチと倒木は元に戻しました.朽木の中で,越冬しているコクワガタ(小鍬形,クワガタムシ科)の幼虫を見つけました.不純物を排出して半透明になり,不凍になっているという説明がありました.どうして半透明だと不凍になるのかという疑問がでました.里山の家への帰り道でメジロの群れに出会いました.

ナガコガネグモの卵(名古屋平和公園) ツヤアオカメムシ(名古屋平和公園) ヒメタイコウチ(名古屋平和公園) コクワガタの幼虫(名古屋平和公園)
ナガコガネグモの卵 ツヤアオカメムシ ヒメタイコウチ コクワガタの幼虫

里山の家の中で感想会を行い,犬の肉球を模擬したチョコレートクッキーが,いつもの女性参加者から提供されました.越冬をしている昆虫を多く観察できた冬の快適な観察会になりました.

観察項目: イヌの7種(くさ),クヌギからできるもの(炭,ヤママユ,シイタケ),クチキコオロギ,ユミアシオオゴミムシダマシ,ルリゴミムシダマシ,トタテグモの仲間,カワゲラ,ミズムシ,ゴキブリの幼体,ウラギンシジミ,ムネアカハラビロカマキリの卵鞘,ノイバラの実,マサキの実,タラヨウ,コガネグモの幼体,ミドリシジミの卵,クヌギカメムシの卵,アベマキハスジケイガフシ,ルリタテハ,ナノハナ,ナナホシテントウ,ムクノキのひからびた実,シンジュの葉痕,シンジュキノカワガの繭殼,雌雄のハイイロゲンゴロウ,アメリカザリガニ,ウグイス,アオジ,ナガコガネグモの卵嚢,ヨコヅナサシガメ,ツヤアオカメムシ,ヒメタイコウチ,コクワガタの幼虫

写真:伊藤義人 監修:田畑恭子,瀧川正子

  この記事を PDF フォーマットで見る 記事を印刷する 記事をメールで送信

この記事の添付ファイル
ファイル名 掲載日 ヒット
ファイルをダウンロード 1月度の観察記録
2018年1月度の観察記録(PDF)です
2018-2-12 41

ページ移動
2月度の観察記録 次の記事