天気予報は晴れでしたが,9時頃は曇りで,すぐに小雨が降り出しました.9時55分の出発時は,ほぼ雨はやみ,終了時には,また晴れとなりました.新池には,オオバン(大鷭,クイナ科)3羽,オナガガモ(尾長鴨,カモ科)2羽とコガモ(小鴨,カモ科)62羽が水面に広がっていました.コガモのピーピーという鳴き声が盛んにしていました.新池の出水路の鉄柵の上には,きれいな色の雄のジョウビタキ(尉鶲,ヒタキ科)がじっとしていました.土手の僅かに実の残ったセンダン(栴檀,センダン科)に6羽のムクドリ(椋鳥,ムクドリ科)が来ていました.東星ふれあい広場にはムクドリ14羽とドバト(土鳩,ハト科)2羽が地面に降りて何かを一緒についばんでいました.
里山の家の中で,小さな水槽の中のアカハライモリ(赤腹井守,イモリ科)の卵を見せてもらいました.また,昨年度の報告をまとめた本の紹介がありました.14冊目ですが,私が作った最終巻になります.15年以上,毎月の観察記録を書いてきましたが,ひとつ目の職の定年や種々の事情によって,3月で記録係を卒業することになりました.
シロハラ(白腹,ツグミ科)とオオタカ(蒼鷹,タカ科)の鳴き声が聞こえました.中学生の男の子が,ソヨゴ(冬青,モチノキ科)の枝にしがみついたアカコブコブゾウムシ(赤瘤瘤象虫,ゾウムシ科)を見つけました.葉に隠れていて,10mm程の大きさで,皆からよく見つけたなという感嘆の声が上がりました.象虫の研究をしている参加者から,平和公園では初めてということで,80点という点数になりました.強く枝にしがみついているのでビーティングネットには落ちないという感想も出ました.落葉の間に数匹のモリチャバネゴキブリ(森茶翅蜚蠊,チャバネゴキブリ科)がいました.素早く動くので写真に撮っても落葉だけが写りました.
下りの藪こぎをして,いつものカンアオイを観察に行きました.ヒメカンアオイ(姫寒葵,ウマノスズクサ科)の3つのコロニーの内,2つのコロニーは小さくなっており,一部の葉が黒くなっており,黒星病?にかかっているようでした.もう1つの斜面のコロニーは大きく,ヒメカンアオイの花も複数観察しました.以前にあったスズカカンアオイ(鈴鹿寒葵,ウマノスズクサ科)とゼニバサイシン(銭葉細辛,ウマノスズクサ科)はありませんでした.
近くでミノムシ(蓑虫,ミノガ科)の蓑が幹にぶらさがっているのを2つ見つけました.朽木のなかで,ムカデ(百足,ムカデ類の総称)とチャスジハエトリ(茶筋蠅取,ハエトリグモ科)を見つけました.ヤニサシガメ(脂刺亀虫,サシガメ科)の幼虫も見つけました.この朽木のなかで,3つのマダラマルハヒロズコガ(斑丸翅広頭小蛾,ヒロズコガ科)の幼虫を見つけました.ツヅミミノムシ(鼓蓑虫,ヒロズコガ科)とも言われ,ひょうたん型(丸の大きさは同じ)の朽木で作ったケースの中に幼虫が入っているそうです.この観察会では,初めて見るものでした.
クロゴキブリ(黒蜚蠊,ゴキブリ科)を見つけた人もいました.ここで,ジョウビタキ(尉鶲,ヒタキ科)が鳴いていました.普通のヒイラギ(柊,ヒイラギ科)より少し葉の大きいシナヒイラギ(支那柊,モチノキ科)が,竹やぶの端にありました.タブノキ(椨の木,クスノキ科)の近くで,ハラビロカマキリ(腹広蟷螂,カマキリ科)の死骸がありました.冬眠でなく永眠していると言う人がいました.シラホシコヤガ(白星小夜蛾,ヤガ科)の繭殻が幹についていました.すぐ近くで,オオスズメバチ(大雀蜂,スズメバチ科)の女王蜂の死骸を昆虫大好き少年が見つけました.越冬失敗の事例でした.ヨコヅナサシガメ(横綱刺亀,サシガメ科)の集団が木の幹のくぼみで越冬していました.
炭焼広場のルリタテハ(瑠璃立羽蝶,タテハチョウ科)を今回も観察しました.先月からまったく動いていませんでした.炭焼広場の端のロウバイ(蠟梅,ロウバイ科)は,まだ,ほとんどがつぼみでした.通常,12月から黄色い花は咲き始めますので,2ヶ月程も遅いことになります.
大坂池の土手でミドリシジミの小さな(0.7mm径)複数の卵を幹で写真を撮りました.その後,里山の家の南側のアカメガシワ(赤芽柏,トウダイグサ科)の木へ行き,越冬中のキノカワガ(木の皮蛾,キノカワガ科)を観察しました.人の目線の位置くらいの高さで,枝が二股に分かれている所にいましたが,具体的に指し示してもらわないと分からないくらい保護色になっていました.里山の家の北側の蛙池の奥のエノキ(榎,アサ科(APG))の下の枯葉を探って,ゴマダラチョウ(胡麻斑蝶,タテハチョウ科)の幼虫を探しました.結局,落葉についた1匹のみ見つけて,写真を撮りました.背中に3対の突起がありました.4対あるとオオムラサキ(大紫,タテハチョウ科)で大変だという参加者がいました.最後に,先月見た平和公園外周のヒサカキ(姫榊,ツバキ科)についたウラギンシジミ(裏銀小灰蝶,シジミチョウ科)を同じ場所で観察しました.先月から全く動いていませんでした.寒い日こそ越冬昆虫の観察に向いているという説明がありました.
里山の家の中で,机を2つくっつけて感想会をしました.いつもの女性から,近づいているバレンタインデイにちなんで,大変美味しいチョコレートをコーティングしたパウンドケーキが供されました.また,チェコへ行った人から直径30cmくらいの甘いクリームをはさんだ薄いせんべいも供されました.チェコでは,クリスマスに鯉を食べるという話も出ました.見つけた虫を点数表にしたがって合計したところ,343点でした.最近,フユシャク(冬尺,シャクガ科)が飛ばないという感想も出ました.
観察項目:ニホンアカガエルの卵塊,コモリグモ,ハエの幼虫,ネジキ,オオカマキリの卵鞘
,アブラゼミの抜け殻,ソヨゴの虫こぶ,アカコブコブゾウムシ,モリチャバネゴキブリ,タカノツメの枯葉,ヒメカンアオイ,モチノキ,ヤブツバキ,ムラサキシジミ,アラカシ,ミノムシ,ムカデ,チャスジハエトリ,ヤニサシガメの幼虫,マダラマルハヒロズコガの幼虫,クロゴキブリ,ジョウビタキ,シナヒイラギ,タブノキ,ハラビロカマキリの死骸,シラホシコヤガの抜け殻,オオスズメバチの女王蜂の死骸,ヨコヅナサシガメ,ルリタテハ,ロウバイ,ミドリシジミの卵,オオバヤシャブシ,キノカワガ,アカメガシワ,エノキ,ゴマダラチョウの幼虫,ウラギンシジミ,ヒサカキ |
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2018年2月度の観察記録(PDF)です
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