このサイト内の検索   
SmartSection is developed by The SmartFactory (http://www.smartfactory.ca), a division of INBOX Solutions (http://inboxinternational.com)
2018年 > 2月度の観察記録
2月度の観察記録
2018年2月度の観察記録です。

Untitled Page

天気予報は晴れでしたが,9時頃は曇りで,すぐに小雨が降り出しました.9時55分の出発時は,ほぼ雨はやみ,終了時には,また晴れとなりました.新池には,オオバン(大鷭,クイナ科)3羽,オナガガモ(尾長鴨,カモ科)2羽とコガモ(小鴨,カモ科)62羽が水面に広がっていました.コガモのピーピーという鳴き声が盛んにしていました.新池の出水路の鉄柵の上には,きれいな色の雄のジョウビタキ(尉鶲,ヒタキ科)がじっとしていました.土手の僅かに実の残ったセンダン(栴檀,センダン科)に6羽のムクドリ(椋鳥,ムクドリ科)が来ていました.東星ふれあい広場にはムクドリ14羽とドバト(土鳩,ハト科)2羽が地面に降りて何かを一緒についばんでいました.
 参加者は,中学生の子供1名と大人16名でした.久しぶりの懐かしい人も来ていましたが,常連の人が一部来られていませんでした.

雄のジョウビタキ(名古屋平和公園) (名古屋平和公園) (名古屋平和公園) (名古屋平和公園)
雄のジョウビタキ

里山の家の中で,小さな水槽の中のアカハライモリ(赤腹井守,イモリ科)の卵を見せてもらいました.また,昨年度の報告をまとめた本の紹介がありました.14冊目ですが,私が作った最終巻になります.15年以上,毎月の観察記録を書いてきましたが,ひとつ目の職の定年や種々の事情によって,3月で記録係を卒業することになりました.
まず,先月と同じで虫好きの女性Tさんのリードで先月の報告を皆で見ました.クチキコオロギ(朽木蟋蟀,コオロギ科)が取り上げられ,その特徴が話されました.エンマコオロギ(閻魔蟋蟀,コオロギ科)程の大きさで(大きい場合もある),ひらべったく,翅は小さく触覚が長いという説明が,高校生になった昆虫大好き少年からありました.名前の通り,朽木の中から出てくれば,クチキコオロギという追加説明もありました.

【外部リンク】クチキコオロギ(ハムチャンの生き物図鑑)

報告の中のトタテグモ(戸立蜘蛛,トタテグモ科)は,多分ヤチグモ(谷地蛛,ヤチグモ類)の一種の誤りだということでした.ミズムシ(水虫,ミズムシ科)は澄んだ水には棲まないという参加者もいました.報告の中のミドリシジミ(緑小灰蝶,シジミチョウ科)の卵の径を1mmとしていましたが,もっと小さく0.7mm程度ではという指摘もありました.
 今回は,昨年と同様に越冬している虫を中心に観察することにして,テントウムシ(天道虫,テントウムシ科)の研究者Sさんが用意した132種の虫の点数表と2枚ひと組のカラー写真集(冬にたくさんの虫をみつけよう)が配られました.虫の種類は世界で百万種とも言われ,日本からも3万種報告されており,平和公園にも2千〜3千種はいるという説明もありました.越冬昆虫は啓蟄(3月6日)まで見つけられることと,虫の気持ちになって探そうということでした.
ハチジョウツグミ(八丈鶫,ツグミ科)が平和公園に来ていて,写真を撮りに多くの人が集まっているという話題が出ました.

まず,カンアオイ(寒葵,ウマノスズクサ科)の群生地へ行ってから,越冬昆虫を探すことにして,いつもより早く里山の家を出発しました.まず,カエル池でニホンアカガエル(日本赤蛙,アカガエル科)の卵塊を観察しました.中学生の男の子が新しい卵塊を両手で水中から持ち上げて皆に見せました.
コモリグモ(子守蜘蛛,コモリグモ科)の一種と枯葉の上の緑色のハエの幼虫もここで観察しました.ネジキ(捩木,ツツジ科)の赤い新枝とソヨゴの虫こぶも観察しました.オオカマキリ(大蟷螂,カマキリ科)の卵鞘も2つ見つけました.

ニホンアカガエルの卵塊(名古屋平和公園) コモリグモ(名古屋平和公園) オオカマキリの卵鞘(名古屋平和公園) (名古屋平和公園)
ニホンアカガエルの卵塊 コモリグモ オオカマキリの卵鞘

シロハラ(白腹,ツグミ科)とオオタカ(蒼鷹,タカ科)の鳴き声が聞こえました.中学生の男の子が,ソヨゴ(冬青,モチノキ科)の枝にしがみついたアカコブコブゾウムシ(赤瘤瘤象虫,ゾウムシ科)を見つけました.葉に隠れていて,10mm程の大きさで,皆からよく見つけたなという感嘆の声が上がりました.象虫の研究をしている参加者から,平和公園では初めてということで,80点という点数になりました.強く枝にしがみついているのでビーティングネットには落ちないという感想も出ました.落葉の間に数匹のモリチャバネゴキブリ(森茶翅蜚蠊,チャバネゴキブリ科)がいました.素早く動くので写真に撮っても落葉だけが写りました.

かすかな香りがして,何の香りかという問が出ました.雨あがりによく香るそうで,パンケーキやキャラメルの香りと言う参加者がいました.解答はタカノツメ(鷹の爪,ウコギ科)の葉だということで,周辺からタカノツメの枯葉を拾って匂いをかぎましたが,ほとんど香りはしませんでした.山の中では,カツラ(桂,カツラ科)がこのような香りを出すという説明もありました.

アカコブコブゾウムシ(名古屋平和公園) タカノツメの枯葉(名古屋平和公園) (名古屋平和公園) (名古屋平和公園)
アカコブコブゾウムシ タカノツメの枯葉

下りの藪こぎをして,いつものカンアオイを観察に行きました.ヒメカンアオイ(姫寒葵,ウマノスズクサ科)の3つのコロニーの内,2つのコロニーは小さくなっており,一部の葉が黒くなっており,黒星病?にかかっているようでした.もう1つの斜面のコロニーは大きく,ヒメカンアオイの花も複数観察しました.以前にあったスズカカンアオイ(鈴鹿寒葵,ウマノスズクサ科)とゼニバサイシン(銭葉細辛,ウマノスズクサ科)はありませんでした.

奥池に向かって急いで歩きました.ここから,虫の探索でした.まず,モチノキ(黐の木,モチノキ科)でセミの抜け殻を見つけました.これも点数表では1点になっていました.ヤブツバキ(薮椿,ツバキ科)の花は,まだ,つぼみでした.奥池の近くのアラカシ(粗樫,ブナ科)の枯葉に3頭の越冬中のムラサキシジミ(紫小灰蝶,シジミチョウ科)がいるのを教えてもらいました.常緑のアラカシの葉ですが,人の目線の高さくらいの枯れた葉を巻いて,その中にムラサキシジミの成蝶がいました.翅を閉じているので,枯葉の隙間からは,裏面の枯葉色の翅しか見えませんでした.巻いている枯葉を少し巻戻して,ムラサキシジミの全身を観察しました.起こして,羽を広げて表面の紫色を確認してみたらという人もいましたが,折角越冬している蝶に恨まれると言って,誰もそのようにはしませんでした.

ヒメカンアオイの花(名古屋平和公園) セミの抜け殻(名古屋平和公園) ヤブツバキのつぼみ(名古屋平和公園) 越冬中のムラサキシジミ(名古屋平和公園)
ヒメカンアオイの花 セミの抜け殻 ヤブツバキのつぼみ 越冬中のムラサキシジミ

近くでミノムシ(蓑虫,ミノガ科)の蓑が幹にぶらさがっているのを2つ見つけました.朽木のなかで,ムカデ(百足,ムカデ類の総称)とチャスジハエトリ(茶筋蠅取,ハエトリグモ科)を見つけました.ヤニサシガメ(脂刺亀虫,サシガメ科)の幼虫も見つけました.この朽木のなかで,3つのマダラマルハヒロズコガ(斑丸翅広頭小蛾,ヒロズコガ科)の幼虫を見つけました.ツヅミミノムシ(鼓蓑虫,ヒロズコガ科)とも言われ,ひょうたん型(丸の大きさは同じ)の朽木で作ったケースの中に幼虫が入っているそうです.この観察会では,初めて見るものでした.

【外部リンク】マダラマルハヒロズコガ(昆虫エクスプローラ)

【外部リンク】ふしぎ生物ツヅミン!?(星谷仁さんのマイページ)

ミノムシ(名古屋平和公園) チャスジハエトリ(名古屋平和公園) マダラマルハヒロズコガの幼虫(名古屋平和公園) (名古屋平和公園)
ミノムシ チャスジハエトリ マダラマルハヒロズコガの幼虫

クロゴキブリ(黒蜚蠊,ゴキブリ科)を見つけた人もいました.ここで,ジョウビタキ(尉鶲,ヒタキ科)が鳴いていました.普通のヒイラギ(柊,ヒイラギ科)より少し葉の大きいシナヒイラギ(支那柊,モチノキ科)が,竹やぶの端にありました.タブノキ(椨の木,クスノキ科)の近くで,ハラビロカマキリ(腹広蟷螂,カマキリ科)の死骸がありました.冬眠でなく永眠していると言う人がいました.シラホシコヤガ(白星小夜蛾,ヤガ科)の繭殻が幹についていました.すぐ近くで,オオスズメバチ(大雀蜂,スズメバチ科)の女王蜂の死骸を昆虫大好き少年が見つけました.越冬失敗の事例でした.ヨコヅナサシガメ(横綱刺亀,サシガメ科)の集団が木の幹のくぼみで越冬していました.

クロゴキブリ(名古屋平和公園) シナヒイラギ(名古屋平和公園) ハラビロカマキリの死骸(名古屋平和公園) オオスズメバチの女王蜂の死骸(名古屋平和公園)
クロゴキブリ シナヒイラギ ハラビロカマキリの死骸 オオスズメバチの女王蜂の死骸

炭焼広場のルリタテハ(瑠璃立羽蝶,タテハチョウ科)を今回も観察しました.先月からまったく動いていませんでした.炭焼広場の端のロウバイ(蠟梅,ロウバイ科)は,まだ,ほとんどがつぼみでした.通常,12月から黄色い花は咲き始めますので,2ヶ月程も遅いことになります.

ルリタテハ(名古屋平和公園) ロウバイのつぼみ(名古屋平和公園) (名古屋平和公園) (名古屋平和公園)
ルリタテハ ロウバイのつぼみ

大坂池の土手でミドリシジミの小さな(0.7mm径)複数の卵を幹で写真を撮りました.その後,里山の家の南側のアカメガシワ(赤芽柏,トウダイグサ科)の木へ行き,越冬中のキノカワガ(木の皮蛾,キノカワガ科)を観察しました.人の目線の位置くらいの高さで,枝が二股に分かれている所にいましたが,具体的に指し示してもらわないと分からないくらい保護色になっていました.里山の家の北側の蛙池の奥のエノキ(榎,アサ科(APG))の下の枯葉を探って,ゴマダラチョウ(胡麻斑蝶,タテハチョウ科)の幼虫を探しました.結局,落葉についた1匹のみ見つけて,写真を撮りました.背中に3対の突起がありました.4対あるとオオムラサキ(大紫,タテハチョウ科)で大変だという参加者がいました.最後に,先月見た平和公園外周のヒサカキ(姫榊,ツバキ科)についたウラギンシジミ(裏銀小灰蝶,シジミチョウ科)を同じ場所で観察しました.先月から全く動いていませんでした.寒い日こそ越冬昆虫の観察に向いているという説明がありました.

ミドリシジミの卵(名古屋平和公園) 越冬中のキノカワガ(名古屋平和公園) ゴマダラチョウの幼虫(名古屋平和公園) ウラギンシジミ(名古屋平和公園)
ミドリシジミの卵 越冬中のキノカワガ ゴマダラチョウの幼虫 ウラギンシジミ

里山の家の中で,机を2つくっつけて感想会をしました.いつもの女性から,近づいているバレンタインデイにちなんで,大変美味しいチョコレートをコーティングしたパウンドケーキが供されました.また,チェコへ行った人から直径30cmくらいの甘いクリームをはさんだ薄いせんべいも供されました.チェコでは,クリスマスに鯉を食べるという話も出ました.見つけた虫を点数表にしたがって合計したところ,343点でした.最近,フユシャク(冬尺,シャクガ科)が飛ばないという感想も出ました.
春を待ち遠しく待っている多くの虫を観察できた快適な冬の観察会になりました.

チョコのパウンドケーキ(名古屋平和公園) (名古屋平和公園) (名古屋平和公園) (名古屋平和公園)
チョコのパウンドケーキ

観察項目:ニホンアカガエルの卵塊,コモリグモ,ハエの幼虫,ネジキ,オオカマキリの卵鞘 ,アブラゼミの抜け殻,ソヨゴの虫こぶ,アカコブコブゾウムシ,モリチャバネゴキブリ,タカノツメの枯葉,ヒメカンアオイ,モチノキ,ヤブツバキ,ムラサキシジミ,アラカシ,ミノムシ,ムカデ,チャスジハエトリ,ヤニサシガメの幼虫,マダラマルハヒロズコガの幼虫,クロゴキブリ,ジョウビタキ,シナヒイラギ,タブノキ,ハラビロカマキリの死骸,シラホシコヤガの抜け殻,オオスズメバチの女王蜂の死骸,ヨコヅナサシガメ,ルリタテハ,ロウバイ,ミドリシジミの卵,オオバヤシャブシ,キノカワガ,アカメガシワ,エノキ,ゴマダラチョウの幼虫,ウラギンシジミ,ヒサカキ

文・写真:伊藤義人 監修:田畑恭子,瀧川正子

  この記事を PDF フォーマットで見る 記事を印刷する 記事をメールで送信

この記事の添付ファイル
ファイル名 掲載日 ヒット
ファイルをダウンロード 2月度の観察記録
2018年2月度の観察記録(PDF)です
2018-2-24 33

ページ移動
良く読まれた記事 1月度の観察記録 3月度の観察記録 次の記事