平成30年5月13日(日)9:30〜12:30 作成:田畑恭子 監修:瀧川正子
集合時間を待たずに雨が降り出しました。それでも初参加の親子二組を迎え、遠くにウグイスのさえずりを聞きながらゆっくり歩く観察会となりました。途中、傘に当たる雨の音で話し声が聞き取りにくいほどの大雨になり、いつもより早めに切り上げました。
一人の参加者がチャバネアオカメムシとキイロナガツツハムシを手に載せて紹介しました。そばのミカンの木に複数のアゲハの幼虫がついていて、一部はナガサキアゲハでした。近くに積んであったスホウチクにハイイロヤハズカミキリやカタツムリがいました。ノイバラ、スイカズラが花を咲かせていました。
積んである竹に穴が開いていたので、ノコギリとなたを使って中を見てみることにしました。穴はタイワンタケクマバチの親があけた穴で、中では仕切りが作られて、エサの花粉団子と一緒に幼虫が1室につき1匹ずつ入っていました。親が入っているものもありました。タイワンタケクマバチは中国からの輸入竹材の中に入って移入したと考えられているようです。花粉団子に鼻を近づけると、ほんのりと香りました。近くに咲いているセンダンの香りに似ていると言う参加者もいました。お昼に里山の家でこの花粉団子をなめてみた参加者からは「無味」「ほんのり甘い」などの感想が出ました。
同じ場所でシボグモ、ヒメタイコウチを見つけました。少し移動して、花盛りのイボタノキとアンズの実がたくさんなっているのを観察しました。
ゾウムシに詳しい参加者がコナラの枝についているヒメクロオトシブミの揺籃(ようらん)を紹介しました。親が中に卵を産み、孵化した幼虫は中の葉を食べて育ちます。その足元にヒルの仲間とナナフシの幼生がいるのをこの日初参加の女の子が見つけました。
ハンノキにハバチの幼虫がいました。ハバチは種類が多くその場での同定は難しいとのことで宿題となりました。同じ木で小さな虫を見つけた参加者に尋ねられて見るとヨコバイの幼生でした。ヨコバイはセミの仲間と説明された参加者から、確かに顔がセミっぽいとの声が出ました。 このあたりで雨が一層強まってきました。あとひとつだけ見て戻ろうということになりましたが、その道すがら、ヤマコウバシ、シノブ、カナメモチ、ネジキを観察しました。ヤマコウバシは秋に枯れた葉が落ちないままなのが目につく冬の自然観察会の常連です。
みんな服を濡らしながらようやく目当てのクモのまどいまでたどりつきました。卵嚢から孵化して間もない子グモがしばらく留まって過ごし、やがて天気のいい日に風に乗って運ばれていくとのことでした。すぐそばのコナラではオニグモも観察できました。里山の家では持ち帰ったオオイヌノフグリの4枚のはなびらのうち1枚が白いことを指して、連続テレビドラマの題名を模して「4分の3、青い」と紹介されました。
平和公園での観察項目:クワ,ナミテントウ、ハラグロオオテントウ、クワハムシ、チャバネアオカメムシ,キイロナガツツハムシ, キジラミ,ハイイロヤハズカミキリ,コフキゾウムシ,クサギカメムシ,ナミアゲハの幼虫,ナガサキアゲハの幼虫,ウズラカメムシ コイチャコガネ,タイワンタケクマバチ,タイワンタケクマバチの幼虫とその餌,ハチを捕獲したカニグモ,ニッポンマイマイ,イセ ノナミマイマイ,シボグモ,スイカズラ,ノイバラ,ヒメチコウチ,イボタノキ,アンズの実,ヒメクロオトシブミの揺籃,ヒルの仲間,ナナフシの幼生,ハバチの幼虫,ヨコバイの幼生、クモのまどい,オニグモ(ヤマシロオニグモ?),オカダンゴムシ,ヤマコウバシ,シノブ,カナメモチ,ネジキ,ツチイナゴ,ザトウムシ,ヤマトカギバ,オオイヌノフグリ |
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