平成30年6月10日(日)9:30〜12:40 作成:田畑恭子 監修:瀧川正子 台風5号の接近が梅雨前線を刺激して、午前中から雨模様との予報が出ていました。長傘を手に歩く参加者が目立ちましたが、結局雨には降られることなく、畑でも田んぼでも大勢の人が作業に精を出していました。生きものの活動盛んな季節を体感する観察会となりました。
マサキがたくさん花をつけて、つぼみを膨らませていました。水辺で交尾中のカノコガ、オオシオカラトンボのメスを見つけました。トンボは羽化したばかりのようでした。
アカメガシワの花の匂いを嗅ぐとやさしく香りました。ショウブの花が咲き、葉にはツマキホソハマキモドキがとまっていました。よく飛ぶガですが、交尾中のためかカメラを向けてもあまり動かず、写真を撮っている間に落ちて見失ってしまいました。
ヨツボシホソバも観察できました。メスの翅に4つの黒点があってこの名前がついていますが、これはオスでした。掲示板の横にカタツムリの糞が積もるように重なっており、すぐそばにイセノナミマイマイがいました。熟したスモモの実を食べてみると「思ったほど甘くない」「美味しい」などの感想が出ました。
ツバキにチャドクガの幼虫がついていて、毒毛があるので触らないよう注意がありました。触るとかなり痛いそうですが、五感を使った観察を試す参加者はいませんでした。オオウラジロにはカメノコハムシの仲間の幼虫がいて、脱皮殻やフンを背負っていると紹介されました。オニグモの仲間も見つけました。
畑の脇でロウバイを観察しました。早春の自然観察会で花を観察する常連ですが、この日は黄色く色づいた偽果(ぎか)が目立ちました。葉の表面は固くザラザラしていました。アキニレの樹液にコムラサキが3頭来ていました。幹の割れ目に潜り込んでいる甲虫を引っ張り出すとノコギリクワガタのメスでした。子どもたちははしゃいだ声を上げていました。クロスズメバチも飛んでいて、刺激しないよう注意が促されました。
子ども連れの参加者がオジロアシナガゾウムシを見つけました。別名パンダゾウムシと紹介されました。
側溝に落ちて干からびているミミズにアリがたかっていました。カエルも落ちてなかなか這い上がれずにいたので助け上げました。生きものに配慮して傾斜をつけた側溝があることが紹介されました。すぐ近くの芝生では可憐な姿でネジバナの花が咲き始めていました。ねじる向きは右巻き左巻きの両方があるそうです。
スイカズラにつくアサマイチモンジの幼虫を見に行きました。足元のギシギシではカシワマイマイが蛹になっていました。コナラやアベマキで育ち、蛹になる時は食草を離れ安全な場所へ移動するとのことですがそれにしてはこの個体は不安定な場所で蛹になっているとの意見が出ました。帰り道でカエル好きの中学生がヌマガエルを捕らえました。里山の家は大勢の人で入れず、作業棟の軒下で振り返りを行いました。
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