平成30年 7月 8日(日)9:30〜12:15 作成:田畑恭子 監修:瀧川正子 前日までの活発な梅雨前線による記録的な大雨は、西日本を中心に甚大な被害をもたらしました。朝のうちは曇り空でザっと雨が降ったりしましたが、日中は久しぶりの晴天になりました。子どもの参加者が多く、たくさんの生きものとの出会いに可愛い歓声が飛び交いました。
里山の家のそばのケヤキの木の下で、動かなくなったウンモンスズメの幼虫にアリが集まっていました。電線には尾羽の短いツバメが一羽とまっていて、巣立ちビナではないかとの声が出ました。ウシカメムシとセマダラコガネも観察しました。一万歩コースの入口の側溝にコウガイビルが大小合計10匹も這っていました。なぜそんなに集まっているかは謎でした。「長いベビースターみたい」と子どもが言いました。
オニユリがつぼみをつけていました。むかごがついていることでコオニユリと区別するとのことでした。ゾウムシに詳しい参加者がシロコブゾウムシを紹介しました。写真を撮ろうとするとポトリと落ちて死んだふりをしました。同じく紹介されたセスジナガキマワリにはその名の通り背中にスジ模様が見られました。
ヤマナラシの説明を聞きました。風が吹くと振り子のように揺れる葉の動きは、葉柄の形状に理由があり、サクラの葉柄と比べて触ってみると違いがよくわかりました。また特徴的な樹皮も観察しました。
一見アリのように見えた昆虫はホソヘリカメムシの幼虫とのことでした。子どもの虫網でマユタテアカネを捉えたのでケースに入れてその名の由来となる頭部の模様を観察しました。ムラサキシキブについていたイチモンジカメノコハムシは、背側からは頭部が見えず、裏返すとよく見えると説明がありました。
白い綿を身にまとった昆虫はアオバハゴロモの幼虫でした。カメムシの仲間で、よく見るとやはりセミの顔に似ていました。クサギがつぼみをつけているのを見て「葉をもんで匂いを嗅いでごらん」と促す参加者がありました。子どもも大人も試してみました。「くさい」という声も多かったですが、ほかに「柿ピー」「ごま油」「ココナツミルク」など匂いは様々に感じられたようでした。
イソノキが緑の実をつけていました。秋には黒くなり食べられるとのことです。葉のつき方は互生ですが、2枚ずつ右右、左左、右右…とついているので別名「ニコニコの木」というそうです。その隣のヤマウルシの葉は羽状複葉と紹介され、樹液であるウルシは低温下では乾燥ぜず、高い温度で固まる性質を持つとのことでした。昆虫好きの若い参加者がコクワガタを採ってきて子どもたちを喜ばせました。子どもが大あごの中に指を入れて挟まれてみましたが、痛くないと言っていました。
コナラの樹液にオオスズメバチの女王が来ていて刺激しないようにと注意がありました。急な動きを避けてそっと離れました。姿の似ているジャノヒゲとヒメヤブランは、花のつき方で判別が容易とのことで、両方を確認することができました。ジャノヒゲは花が下向きに咲き、ヒメヤブランの花は上を向いていました。
この日は雨上がりのせいかキノコとカタツムリがたくさん目につきました。最近キノコにハマっているという参加者が、持参の鏡を地面に届いてキノコの傘の裏の様子を見せてくれました。カタツムリの数を数えて歩いた子どもから、全部で30匹だったと報告がありました。
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