平成30年 8月 12日(日)9:30〜13:00 作成:田畑恭子 監修:瀧川正子 今年の夏は猛暑日が続き、名古屋市では8月に入ってから最高気温40℃越えも記録しました。朝から非常に蒸し暑い中で歩き始めましたが、途中スコールのような大雨となり、この観察会には珍しく里山の家で一時雨宿りをしました。雨は間もなく上がり、後半は湿地の植物を観察することができました。
最初に里山の家の屋根の上の植物が茶色く枯れているのを見ました。散水装置が故障のためとのことでした。そこで高校生が捕虫網で捉えたアメリカジガバチを見せてくれました。木陰では中学生が木の幹を歩くナナフシを見つけました。今年の観察会では緑色の個体をよく見かけましたが、これは茶色い個体でした。
コナラの樹液にカブトムシのメスが来ていました。近くにキマワリも見つけました。足元の植物はハンゲショウと紹介されましたが、ここでは一般的に見られるようには葉が白くならないとのことでした。
クズの芽にマルカメムシの卵がついていました。成虫もたくさん見かけました。クズではコフキゾウムシも見られました。すぐそばにあったキンミズヒキの葉は羽状複葉で、小葉の大きさが不揃いなのが特徴との説明がありました。
気象予報士の試験を受けたことがあるという参加者が、スマートフォンでインターネットの雨雲情報を見て、間もなく大雨が降ると言いました。その時はよく晴れていて雨になるとは思えませんでしたが、その後イヌホオズキの仲間の実やナガコガネグモがバッタの仲間を捉えた姿、クズの葉にとまったアカクビボソハムシを観察しているうちに、予告から30分後には土砂降りになりました。
里山の家で一時雨宿りすることになり、急いで戻りましたが、中には虫捕りの道具を傘代わりにする人もいました。しばらくはやみそうにない雨を見て、急きょ里山の家で夏越しする昆虫についてのミニレクチャーが始まりました。昆虫の種によっては冬越しだけでなく夏越しするものがあり、正確には解剖して生殖腺が発達しているかどうかを見ないと断定はできないそうですが、それぞれ涼しい場所を選んで過ごしているようです。
雨が上がったので、再び外へ出て湿地に向かうことにしました。その途中雨が降り出す前には聞こえなかったツクツクボウシの声がよく聞こえてきました。観察会終了後の里山の家でこのことについて話していたところでは、雨のせいで気温が下がり、それまで鳴いていたアブラゼミやニイニイゼミが鳴きやんだためにツクツクボウシの声だけが聞こえていたのだろうということになりました。 スモモ池の上の木にアオサギが2羽来ていました。湿地ではマメコガネが後ろの脚を上げたおなじみのスタイルで止まっていました。水辺で咲いているワレモコウ、ミズギボウシ、シロバナサクラタデ、サギソウを次々と観察して、田んぼの方に移動しました。
田んぼではイネが実をつけていました。田んぼのわきには小さなカエルがあちこちで跳ねていました。ヌマガエルを観察したあとで、カエル好きの中学生がニホンアカガエルを捉えて見せてくれました。体色が白っぽい個体でした。帰り道でコハンミョウがたくさん見つかりました。近づくとすぐに飛んで離れてしまうので、写真を撮るのが大変でした。 今日の降雨量はそれほど多くはなさそうですが、森の生きものは久しぶりの雨のおかげで少し色鮮やかさを取り戻したようでした。
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