平成30年 12月 9日(日)9:30〜12:30 作成:田畑恭子 監修:瀧川正子 12月の自然観察会は、毎年恒例の芋煮会です。名古屋はこの日、今季初めて最高気温が10℃を割り、最低気温もこの冬最も低い値を記録しました。冬型の気圧配置が強まるとの天気予報で北風の影響を心配しましたが、幸いほとんど風はなく、暖かい焚き火のありがたさが身に染みる芋煮会となりました。
集合時間を待たず9時を過ぎた頃から参加者が集まり始めました。あらかじめ材料の調達を割り当てられた参加者から芋煮の食材や調味料が次々と届きました。準備品のリストに従って、鍋やおたま、かまどやバーベキューコンロなどの調理道具や、竹のきり出し用のノコギリやシャベルなどの道具類を用意して、食材とともにリヤカーに積んで出発しました。リヤカーはとても重く、引き手の参加者には普段は気にならない中道の緩やかな上り坂がつらく感じられたようでした。道すがら、落ち葉かきの作業をしている人たちを見かけました。
目的地でリヤカーから荷物を下しました。食材が入って重くなった大鍋は高校生が協力して運びました。まずキッチンとなるテーブルの位置とかまどの位置を決めました。そして周囲のササや竹を伐って藪の整理をしました。かまどとパン焼きコンロの場所にはそれぞれ穴を掘りました。
落ち葉と薪を集めるよう指示が出て、子どもたちは藪の中に入って行きました。午前10時に最初の火が入りました。キャンプに慣れた男性の参加者が、かまどとバーベキューコンロの2ヶ所の火おこしを非常に手際よく同時進行で管理していました。そして子どもたちに安全のための指示を的確に出すとともに、コンロにくべる薪の選び方などもわかりやすく伝えていました。隣のトウチク林で子どもたちと一緒にパン焼き用の竹を用意している間に、コンロにはいい具合におき火ができていました。
一部の参加者で今年採れたカラスウリの実から種を取り出す作業をしていました。果物ネットに入れた状態でせせらぎの水で洗い流すと種が残りました。また自主的に道具を調達して持参のオニグルミを焼き、やかんで煮出してクルミ茶をふるまう参加者もいました。そしてパン焼き用のコンロでは焼き芋が焼きあがっていました。焼き芋はたくさんできたようでしたがすべての参加者には行きわたりませんでした。
参加者から3種類のジャムが提供され、焼きあがったパンにつけて食べました。ローゼルとカリン、それにスターフルーツ&オレンジのジャムでした。ジャムだけを手にとって食べる子どももいました。また青森のリンゴと鬼ゆずのピールも好評で瞬く間になくなりました。
竹に生地を巻き付けて焼くパンは毎年大人気です。子どもだけでなく大人の参加者も竹を手に手にコンロを取り囲みました。遠火で焼かないと表面だけが焦げて中は生焼けという事態になってしまうので、経験者は辛抱強く時間をかけて焼くコツを掴んでいるようでした。芋煮鍋のかまどの番では子どもたちも交代でうちわで風を送りました。大きな鍋は時間がかかりますが、具だくさんの美味しい芋煮が完成しました。
芋煮会の会場周辺では白いツバキの花が咲いていました。ナンテンの赤い実もよく目立っていました。芋煮会が終わる頃子どもがカメムシを見つけ、カメムシに詳しい参加者からクモヘリカメムシと教えられました。
お互いに初めて会う人も多い中でありながら、多くの参加者の満足が得られたと思いますが、荷物運びや参加者の安全への配慮、大量の食材の調理などにかかる大変な労力が一部の人だけに集中することなく、楽しさと同じようにみんなで分かち合える芋煮会でありたいと感じました。
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12月度の観察記録
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| 2018-12-29 | 423 | |
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