平成30年11月11日(日)9:30〜12:30 作成:田畑恭子 監修:瀧川正子 11月になっても暖かい日が多く、昼間の気温は10月中旬並みの日が続いていました。この日は早朝こそ冷えましたが開始時刻までに気温はぐんと上昇して、少し歩くと汗ばむほどで上着を脱ぐ参加者もありました。好天に誘われてか家族連れをふくむ多くの参加者が集まり、子どもたちの元気な声が飛び交いました。
里山の家から外へ出たとたん、子どもたちが昆虫を次々と捕まえて来ました。女の子が持ってきた虫網でツマグロヒョウモンのメスとオスを相次いで捕らえて虫かごに入れました。男の子の手にはナナホシテントウが乗ってせわしなく歩いていました。先ほどの女の子は続いてオオアオイトトンボも虫網で捕らえました。
アキニレの木にナミテントウがついていたので観察していると、そのアキニレが実をつけていることに気づきました。次いで目をひいたのはムクゲの葉を食べるフタトガリコヤガの幼虫でした。体長は4cmほどで、終齢幼虫のようでした。足もとに落ちていたオオカマキリの卵鞘は、壊れて中の卵が見えていました。ほかの卵はカラスなどの鳥に食べられたのだろうと予想しました。
大坂池の周辺で、カマキリ、ハラビロカマキリ、ムネアカハラビロカマキリの卵鞘が相次いで見つかりました。ムネアカハラビロカマキリは近年名古屋市でも増加傾向が報告されている外来種です。在来種のハラビロカマキリの卵鞘に比べて色が白く、ハラビロカマキリの卵鞘が木の幹に沿うように産み付けられるのに対して卵鞘の先端が枝から離れていることなど、見分け方が紹介されました。
子どもがコオロギを捕まえました。捉えた2頭はどちらもオスで、大きさがずいぶん違っていましたが模様は同じように見え、モリオカメコオロギと同定されました。道端のギシギシに食痕を見つけて葉を裏返してみると、食べていたのはハグロハバチの幼虫でした。そばの地面を少し掘ると、甲虫の幼虫が出てきました。子どもたちはカブトムシと思ったようでしたがそうではなく、コガネムシの幼虫でした。
道沿いのコバノガマズミの実が赤く熟していたので食べてみました。「皮とタネしかない」「甘酸っぱい」など感想が出ました。そばのコナラの幹にシノブがついているのを観察しました。中学生の男の子がセモンジンガサハムシを見つけ、角度によっては金色に光って見えるので、参加者からは「きれい」との声が上がりました。
カキやナンキンハゼ、ヤマウルシなどの葉が赤く色づいているのを観察しました。ムクノキには青い実がたくさんついていました。中にはいくつか黒く熟しているものがあったので食べてみました。甘くて酸味は全くなく、食べた参加者は「美味しい」「もうすぐ鳥が食べにくるだろう」などと口々に言っていましたが、子どもたちは大人から勧められても食べようとはしませんでした。
キリの実を拾った参加者が殻を割ってみました。中から夥しい数のタネが出てきて「これだけのタネがあっても辺りがキリだらけにならないのは不思議」との意見が出ました。ネジキの実も観察しました。春に観察した花は下向きでしたが、実は上を向いてついています。鳥にタネを運んでもらうためではないかと予想しました。田んぼの脇ではヒメタイコウチが見つかりました。
湿地では夏にかれんな花をつけていたシロバナサクラタデが穂となっていました。池の中からサカマキガイを取り上げて、モノアラガイとの見分け方の説明を聞きました。貝の口を手前に置いて左にとがった部分が来たらサカマキガイ、モノアラガイはその反対とのことでした。里山の家への帰り道でタンポポを見つけました。この時期に咲くタンポポはセイヨウタンポポだけとのことでした。
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