平成31年 1月 13日(日)9:30〜12:00 作成:田畑恭子 監修:瀧川正子
まず、一人の参加者の案内でオオハナワラビを見に行きました。フユノハナワラビとよく似ていますが、栄養葉の形の違いなどにより、ひとまずオオハナワラビであろうということになりました。少し移動してクワの切り株についているエノキタケが紹介されました。食材としてよく見る白いエノキタケとは色も形も全く違って同じ種のものとは思えませんでした。すぐそばのシホウチクを観察して、稈のザラザラした手触りと四角張った形を確認しました。
続いて観察したコウバイはつぼみが膨らんでもう間もなく咲きそうに見えました。大坂池の周辺でイボタノキの黒い実やアンズがつぼみをつけた枝を観察しました。アンズの木にはミノムシがついており、「珍しい」との声が聞かれました。昔は普通に見られましたが、近年は寄生バエや農薬の影響で数が減っているとの説明がありました。
オタマジャクシ池の上段では水辺の回復のための工事が施されて、水たまりができていました。意外なほどの水の量だと驚く参加者もいました。オタマジャクシ池には氷が張っていて子どもが池から取り上げました。氷の厚さは2mmほどでした。センダンの木には淡い黄色の実が目立っており、少し離れたところから眺めました。
エノキの根本の落ち葉の裏で越冬するゴマダラチョウの幼虫を観察しました。エノキの葉の特徴を聞かれた参加者が側脈が左右不対称になっていることを紹介しました。またエノキの葉の表面には虫こぶがたくさんついていました。
クロガネモチの近くで虫網を振った参加者がニッポンオナガコバチを捕らえました。これはクロガネモチの実に寄生するハチで、実の産卵痕を観察することができました。雑木林に入り、一人の参加者からクスノキの幼木で越冬するアオスジアゲハの蛹が紹介されました。ほかにもないか探しましたが、なかなか見つかりませんでした。林床ではたくさんのヤブコウジが赤い実をつけていました。
ガマズミ属の2種の木を観察しました。ガマズミの葉は一枚残らず落ちていましたが、ミヤマガマズミの方はまだ少し落ちずに残っている葉がありました。ガマズミの実を食べると赤色の種が一つ入っていました。すぐそばでモズのはやにえが見つかりました。獲物はツチイナゴでした。はやにえは何のためかという質問が出ました。縄張りのアピール、保存のためなど諸説あるようでした。
尾根に向かって斜面を登る途中、サトユミアシゴミムシダマシを捕らえて観察しました。その名の通り前肢が弓状にカーブしていました。足元の地面がふわふわなのに気づいて子どもたちと一緒に掘ってみましたが、木の根が絡み合って深くは掘れませんでした。近くの木が倒れて根が浮き上がったところに落ち葉や土が積もって空洞が生まれたのでは、と予想しました。すぐそばのマツではヤニサシガメの幼虫が見つかりました。
里山の家へ向かって帰る途中の道端でカマキリの死骸を見つけました。外来種のムネアカハラビロカマキリでした。翅の部分に傷があり、鳥に襲われて命を落としたのでは、という意見が出ました。足元ではマテバシイの幼苗が3本並んでいました。この場所で3本もまとまって芽を出すとは考えにくいので、人の手で持ち込まれたのではないかという人もいました。最後にハクサンボクを観察しました。同じガマズミ属のミヤマガマズミやガマズミは落葉樹であるのに対しこちらは常緑樹で、冬の柔らかな日差しを浴びた葉がツヤツヤと光っていました。
中道脇の地図の看板で歩いて来たコースを確認しました。くらしの森全体から見るとほんの少しの範囲を歩いたことがよくわかりました。よく晴れて気温は低くても風があまり吹かず、絶好の自然観察会日和の中での開催となりました。
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| 2019-1-27 | 234 | |
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