2021年 12月 12日(日)9:30〜13:10 作成:田畑恭子 監修:瀧川正子 去年は新型コロナウイルスの流行の影響で見送りとなった12月恒例の芋煮会ですが、今年は今のところ落ち着いている感染状況に鑑みて2年ぶりに実施することになりました。この日は低めの気温予想でしたが、ほぼ無風で日差しも降り注ぎ、芋煮会にはぴったりの日和となりました。
朝9時の里山の家の開館時にはすでに到着している参加者が数名いて、準備を始めていました。キャンプ用の折り畳みテーブルやバーベキューコンロ、かまどなど大型の資機材からリヤカーに積み始め、100杯用の大鍋の中には持ち寄った食材を入れてこれもリヤカーに載せました。必要なものをほぼすべて積み終えた頃に開始の声がかかり、一旦里山の家の中に集まりました。そしていつもの前月の記録の読み合わせをしてから芋煮会の会場へ向けて出発しました。この日が芋煮会であるとは知らずに参加した人も何人かいました。
中道を進んでいく途中でシンジュの木の根元についたエノキタケを観察しました。以前にもこの観察会で見たことがありますが、スーパーなどで売られている白いエノキとは全く違う外見でした。今日は芋煮に入れてみようという声があり、会場まで持って行きました(でも鍋には入れずに終わりました)。中道のイロハモミジの紅葉はまだまだ美しく残っていました。
リヤカーに乗らきらず参加者の男性が一人で運んでくれた長机には、芋煮の食材が並べられました。近年になって登場したクルミ茶づくりは、今年は小さいバーベキューコンロと炭を使いました。クルミ割りの作業は子どもたちも加わって交代で専用の道具を使用して、炭火で焙ってからやかんに入れて煎じました。
子どもたちは薪を集めたあと、竹パン用に竹を伐り出しました。見本の竹に合わせて太すぎず細すぎない竹が選ばれて20本ほどが用意されました。同時にマシュマロを焼くための細い棒も伐り出した竹の枝を使って作られました。穴を掘ってセットされたバーベキューコンロでは薪を燃やして熾火づくりが進んでいました。また薪がくべられたかまども順調に火起こしが進みました。
集められた薪は長すぎるものもあり、ノコギリを使うのは初めてという女の子が慎重に切り分けていました。熾火の出来上がったバーベキューコンロには早々とサツマイモが投入されて焼き芋が始まっていました。途中でマダラアラゲサルハムシを見つけたという参加者がいました。傷ついたカクレミノの枝の中にもぐりこんでいたとのことでした。
竹パンの生地を竹に巻きつける作業では今までと違って薄手のゴム手袋を使用しました。自分で巻きたいと言う子どもたちもいたので、あらかじめアルコールで手を消毒してもらいました。竹パンを焼く人たちは「遠火でじっくり」というポイントを心得て上手に焼いていました。
焼き芋は用意されたサツマイモが小さめのサイズだったため短い時間で完成しました。焼きたてを二つに割るとホクホクと湯気が立ちのぼりました。食べた人は「おいしい」と笑顔でした。芋煮の食材の中ではキノコの存在が際立っていました。いろいろな種類のキノコが大量に投入されて、それがとてもいい出汁となったと言う人が多くいました。出来上がった芋煮の量は十分すぎるほどで、3杯4杯とお代わりする人がいてもまだなくなりませんでした。
今年は40名程度と参加者数が少な目だったため、食べ物はそれぞれ十分に行きわたりました。クルミ茶の風味も独特でした。マシュマロ焼きでは中には炭のように焦がしてしまう子どももいましたが、うまく焼けて中までやわらかくなったものはグラハムクラッカーとチョコレートを合わせておいしいデザートになりました。「スモア」というそうです。最後に振り返りをおこないました。楽しかった、貴重な経験になった、との感想が大半を占めました。代表からはこの芋煮会で火を使うことについては毎回消防や東山の森を管理する東山総合公園事務所に届けを出してあることを聞きました。目撃した通行人の中には問題視する人もいるかもしれないけれども、今では希少になっている街の中での焚き火をする機会がこの先もなくならないようにしたいとのことでした。帰り道では食材を載せていない分軽くなったリヤカーを引き、その代わりにみんなの身体が重くなったと笑い合いました。里山の家に戻り、道具類の後始末をしてから解散となりました。
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