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2023年 1月 8日（日）9：30〜12：15 作成：田畑恭子 監修：瀧川正子 風のない穏やかな年明けの第2日曜日でした。冬越しをする昆虫の様子を観察することにして、開始後久しぶりにそば畑の方へ向かいました。春を思わせる柔らかな日差しの中で、初参加の兄弟の元気な声が終始響いていました。 そば畑の方へ観察に行くのは何年ぶりでしょうか。到着するとさっそく生きもの探しが始まりました。地面にはタンポポのロゼットがいくつも広がっていました。広場の中ほどにマンホールのようなものがありました。蓋の高さが地面よりも30cmほど高く、その理由を考えました。地盤沈下のためとか地面を掘り下げた可能性などの意見が出ましたが、液状化によって土管が持ち上がる事例もあるようです。
アオキの葉の裏で越冬しているウラギンシジミを観察しました。翅の裏が太陽の光を受けて白く輝いて見えました。続いてカクレミノの幹にしがみついているタテジマカミキリを見ました。よく見ると左の触角が途中で欠けていました。その場所を指で示してもらってもすぐには確認することができないほど幹と一体化していました。
そのほかにも冬越し中の昆虫を見つけようと参加者それぞれで探してみることにしました。ヒサカキの葉をそっとめくってカメムシの仲間を見つけた参加者がいました。
同じ場所ではほかにムネアカハラビロカマキリの卵鞘が見つかりました。またモリチャバネゴキブリは草むらの至るところで活発に動いているのが見られました。足元の倒木にはキノコが生えていました。柄のないタイプの2種類のキノコは、白い方は傘の裏にはひだがなく小さい穴が無数にあいていました。
茶色い方の傘の裏には細かなひだが見られました。
そば畑のすぐ脇にグレープフルーツの木があり、上の方にはいくつかの実がなっていました。手が届くところには実がなかったのですが、参加者の女の子が木登りに挑戦して大きめの実を採ってくれました。みんなで食べてみることにして皮をむき始めると爽やかな柑橘の香りが広がりました。食べた人は「酸っぱい」「美味しい」など感想を口にしていました。
そのグレープフルーツの木についていたカマキリの卵鞘が最初は在来種のハラビロカマキリのものと思われましたが、残念ながらその後外来種のムネアカハラビロカマキリの卵鞘と判明しました。ハラビロカマキリは近年外来種に圧倒されて成虫や卵鞘を見かける機会が少なくなってしまいました。
グレープフルーツの木のそばでモグラ塚を観察しました。モグラ塚はたくさんあり、近いものは地中でつながっていると思われましたが、少し掘ってみてもモグラの通り道のトンネルは掘り当てられませんでした。
陽当たりのいい草むらで春の七草を探してみることにしました。ナズナとハコベはすぐに見つかりました。
ホトケノザもあちこちで見られましたが、春の七草のホトケノザはコオニタビラコのことなのでこれは違うとのことでした。しかしそのあとタビラコの仲間を見つけた参加者がありました。同定は難しいようです。ミツバはセリに近い仲間として紹介されました。セリは水辺に育つので、この辺りでは見られないと説明されました。ミツバにちなんでキツネノボタンも観察し、見た目はよく似ているがキツネノボタンは毒があるので誤って食べないよう注意が必要とのことでした。見分けるポイントとして葉や茎に細かい毛が生えていることが挙げられました。
里山の家の方へ戻りながら、石垣の上のシダ類を見ました。オオウラジロとコシダが繁茂していて、どちらも葉の裏が白く、鏡餅の正月飾りに利用されるとのことでした。
その後は中道を歩き、まずマサキの実を観察しました。割れた実の中から朱色の種が顔を出していました。たくさんの種が残っていたので鳥には人気がないのかもしれないと言う参加者がいました。小学生の男の子が食べてみて「味はない」と言っていました。
終わりの時間が近づいていましたが、中道沿いのいくつかの木の芽を観察しました。ネジキは去年伸びた枝の部分が赤くなっていました。モチツツジは早くも新芽が伸び始めていました。ヤマコウバシは枯れた葉がまだしっかりと枝に残り、硬い冬芽が葉の付け根にひとつずつついていました。終了間際の駆け足の観察となり、冬芽についてはまた機会を改めてじっくり見たいという声が聞かれました。
冬の間は観察項目が少なくなりますが、植物も昆虫もぞれぞれの形で春の訪れを待っています。この日はそんな姿を少し垣間見ることができました。
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| この記事の添付ファイル | |||
| ファイル名 | 掲載日 | ヒット | |
 1月度の観察記録
2023年1月度の観察記録(PDF)です
| 2023-1-29 | 100 | |
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2023年2月度の観察記録
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