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2007年 > 12月度の観察記録
12月度の観察記録
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 晴天に恵まれ,暖かい日差しの下で12月恒例の芋煮会を行いました.集合場所のイチョウ(銀杏,イチョウ科)はほとんど葉を落としており、地面は落ち葉で黄色に敷き詰められていました.子供たちは落ち葉を集めて帽子に詰め込んだり,紙吹雪のように投げ合ったりして楽しそうでした.
 参加者は,出発時には子供8名を含む32名でしたが,芋煮会の場所で合流した参加者もあり,また昼頃には午前中の作業を終えた「東山の森づくりの会」の方々も来られ,40名以上になったようです.

集合場所 イチョウの落ち葉で遊ぶ

 集合場所では参加者の持ってきたナタマメ(鉈豆,マメ科)と甲虫の羽を見ました.ナタマメはさやが大きく鉈(なた)を思わせるところからこの名がついたそうです.食べられるのかと質問がありましたが,身近なところでは福神漬けにさやごとスライスして入っているということでした.また,焙煎して健康茶としても売られているようです.
 甲虫の羽は硬い上翅(前翅)だけが採集されたもので,センチコガネ(雪隠黄金,センチコガネ科),ビロードコガネ(天鵞絨黄金,コガネムシ科),ゴミムシの仲間が含まれているそうです.採集者から「なぜ羽だけなのか?」という問いが出されましたが,答えは動物の糞の中から採集したからということでした.先月の観察会の折,タヌキかハクビシンのものと思われる糞を見つけて持ち帰り洗浄したそうです.超音波洗浄器もかけてあるのできれいだよとのことでした.

ナタマメ センチコガネ,ビロードコガネなどの上翅

 続いて先月の報告を見ました.スイレン(睡蓮,スイレン科)の根やオオスズメバチ(大雀蜂,スズメバチ科)などの話題が取り上げられました.スイレンの根はレンコンのような穴(空気孔)はあいていないこと,食べてみたが,灰汁抜きが不充分だったためか苦かったという話がありました.オオスズメバチに関連して,参加者から「ススメバチの巣を見つけたが,除去しても良いか」という質問がありました.コン虫に詳しい参加者から,安全のため一日観察して出入りが無いかを確認すること,より万全を期すには霜が降りるのを待って除去するのが良いという説明がありました.女王蜂は秋口に交尾し,木の中や土の中で冬眠するため,冬には巣は空家になるそうです.

先月の報告

 10時を過ぎたので,芋煮会の場所に向けて出発しました.途中,見事に紅葉したモミジ(椛,カエデ科)を眺めました.根元にはモグラ塚と思われる,地面を掘り返した痕がありました.モグラはトンネルに空気を取り入れるため,所々にダクトを設けるのだそうです.

モミジの紅葉

 里山の家で食材や道具類をリヤカーに積みました.今年は芝生広場の横ではなく,中道をさらに進んだトウチク(唐竹)の林の脇の広場が会場でしたが,子供たちが最後まで元気にリヤカーを引っ張って行ってくれました.途中の道は落ち葉で敷き詰められており,歩くとカサカサと音がして心地良い感触でした.

荷物いっぱいで重いぞ リヤカーを引く子供たち 稲の天日乾燥(はさかけ) 落ち葉の小径を往く

 本日のメニューは芋煮,パン(コルネパン,食パン),バウムクーヘン,焼き芋でした.芋煮とバウムクーヘン用にU字溝を用いたかまどを2基設営し,パンや焼き芋用に焚き火をおこしました.

かまどの設営 U字溝を使ったかまど

 パンは,あらかじめ用意してもらっていたパン生地で,竹に巻いて焼くコルネパンと飯盒に入れて焼く食パンを作りました.子供たちはまず竹薮から竹を切り出すことから取り掛かりました.その竹に生地を巻きつけ,二次発酵のため焚き火のそばにしばらく置いた後,焚き火にかざして焼きました.風向きによって流れが変わる煙に顔をしかめながら待つことしばし,こんがりとパンが焼き上がりました.食パンは飯盒だけでなく竹筒でもトライしましたが,焼け具合は今ひとつだったようです.竹から水分が出るからではないかという話がありました.ともあれ,焚き火で焼くパンは作るのも楽しく,食べておいしいものでした.

パン生地 竹にパン生地を巻きつける 焚き火でパンを焼く こんがりと焼き上がったコルネパン
竹筒の準備 竹筒にパン生地を入れる 竹筒食パンの焼き上がり

 芋煮は,大鍋でサトイモ(6kg)を40分ほど煮てから,豚肉(4kg),ゴボウ(10本分)を投入.さらに15分ほど煮てから酒,しょうゆで味をつけ,豆腐(5丁),こんにゃく(5丁),ネギ(20本)を入れ,ちょうど12時頃にできあがりました。ネギを入れる頃には大鍋があふれんばかりの状態になっていました.各自持参したお椀にとり,おいしくいただきました.割り箸ではなく,マイ箸を持参した参加者が少なからず居たようですが,中にはお椀代わりに竹で作った器と箸を持ってきた方もいました.前週に行なわれた竹林の整備の際に作ったものだそうです.

大量のサトイモを煮る 肉の投入 豆腐の投入 ネギを入れて完成
竹のお椀 芋煮を食べる参加者

 バウムクーヘンはドイツ語で「木の菓子」という意味で,輪切りにすると年輪のような模様になることからこの名がつけられたそうです.卵,バター、マーガリン,砂糖,小麦粉(薄力粉)から作った生地を竹筒にかけて,回転させながら炭火で炙って焼くのですが,回し方が遅いと生地がたれてしまい,速すぎると表面がデコボコになってしまうので,加減が難しいようでした.交代しながら焼いては生地をかけるという作業を繰り返し,1時間半ほどかけて焼き上げました.竹筒から取り外し切ってみたところ,立派な年輪ができていました.味もとてもおいしく,あっと言う間に売切れてしまいました. また,食後のデザートとして,参加者の方の手製のくず餅が振舞われました.今年の初めにこの場所でクズ(葛,マメ科)の根を採集し,精製したくず粉を用いて作った貴重品だそうで,もちもちとした食感を味わわせてもらいました.

バウムクーヘンの生地を作る 卵白の泡立て つのが立った卵白 竹にバウムクーヘンの生地をつける
交代して竹を回す 焼けてきたバウムクーヘン きれいな年輪ができました お手製のくず餅

 感想会では,時間をかけて作った食べ物はおいしい.生まれてはじめてバウムクーヘンを作って楽しかった.という感想や,動物の糞の中から甲虫のきれいな羽が見つかることに驚きの声,また,糞を洗浄してみる意欲に感心したという話も聞かれました.最後に材料の費用とおおよその人数から参加費を計算し,大人300円、子供100円を集めました.大量の食材の下ごしらえをしていただいた皆さん,ありがとうございました.今年も楽しい芋煮会で一年を締めくくることができました.

感想会

《 元気に遊ぶ子供たち 》

平成19年12月の観察項目:ナタマメ,甲虫の羽,モミジ,モグラ塚,芋煮(サトイモ,豚肉,ゴボウ,酒,醤油,豆腐,こんにゃく,ネギ),パン,サツマイモ,バウムクーヘン,くず餅,モズのはやにえ(概ね観察順)

写真 八神 範幸,山中 伸
文 山中 伸
監修 滝川 正子

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ファイル名 掲載日 ヒット
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2008-7-19 467

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