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2005年 > 4月の観察記録
4月の観察記録
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 天気予報では,昼から雨でしたが,結局雨は降らずずっと雲りでした.

 雨が降れば,予定していた野草のテンプラができなくなることを心配しましたが杞憂でした.ただし,桜などの花がきれいに写真に写らないのは残念でした.集合場所や平和公園は満開の桜でした.こんなに遅い桜は最近ないのではないでしょうか.新池には,またコサギが2羽来ていました.カイツブリやヒドリガモ,コガモ,カワウ,アオサギ,カワセミなども来ていました.カイツブリは,残念ながら1羽のみで,営巣はしていませんでした.池の水草が,だいぶ増えてきました.参加者は,子供7名を含む48名でした.

 まず,いつもの集合場所で,先月の報告を見て話しました.その後,参加者の持ってきた冬虫夏草とトウキョウサンショウウオを観察しました.クマゼミの頭からセミタケ(バッカクキン科)が見事に出ていました.冬に虫で,夏に草に転生することから,このキノコの総称として冬虫夏草を使うようです.不老不死の薬物として有名です.もう1つのハチには白い菌糸がついていました.

 瓶の中に入った10mm 大のトウキョウサンショウウオが卵塊の中と外で泳いでいました.平和公園で産卵したものは,ザリガニに食べられるので,一部を里親制度として大きくしているものです.産卵場所に残したものも卵からかえっているそうです.

集合場所のサクラ 新池のアオサギ トウキョウサンショウウウオの卵塊 冬虫夏草と菌糸のついたハチ

 自己紹介は,感想会のときにすることにして出発しました.元清風荘は,前面の部分は更地になっていました.元清風荘の松が枯れ始めて,ヒトクチタケ(一口茸,サルノコシカケ科)が沢山ついていました.樹上のカラスの巣も観察しました.この後で,浅瀬に来ている新池の大きなコイの「のっこみ(産卵)」を見ました.午後になって水温が上がれば,もっとさかんに産卵するそうです.

【外部リンク】湖と森と人を結ぶ アサザプロジェクト/

 モミジ(紅葉,カエデ科)の小枝を手に取って花を観察しました.これまで意識して見たことがありませんでしたが,小さな可憐な花が咲いていました.この季節の京都の桜と新緑の柳の対比は有名ですが,集合場所のモミジの新緑と桜の対比もなかなかのものでした.平和公園の駐車場の生垣のカナメモチ(要黐,昔は赤芽ともいった,バラ科)とキャラボク(伽羅木,イチイ科)を観察しました.キャラボクには小さな茶色の花が沢山付いていました.この生垣には既に,膜状の蜘蛛の巣をはるクサグモ,ゴミに隠れているゴミグモおよびアシナガグモがいました.クサグモの蜘蛛の巣には桜の花びらが付いていました.

カエデの花 カナメモチ キャラボク

 平和公園に入ってすぐにユキヤナギ(雪柳,バラ科)とヤマブキ(山吹,バラ科)を観察しました.ヤマブキは,独特の黄色の単色の花がきれいに咲いていました.周辺にはヒメオドリコソウ(姫踊子草,シソ科)が群生しており,ピンクの小さな花が可憐でした.すぐ前の畑の中に植えられているハナモモ(花桃,バラ科)が,濃いピンクの花を満開にしていました.同じ畑に植えられているナノハナ(菜の花,アブラナ科)も満開でした.近くの斜面にあるコバノミツバツツジ(小葉の三葉躑躅,ツツジ科)の淡いピンク色の花は非常に上品な感じでした.これを大事にしたいというある参加者の思いがよく分かります.

ユキヤナギ ヤマブキ ヒメオドリコソウ ハナモモ
コバノミツバツツジ スモモの花 レンギョウ

 野鳥が水飲みに集まる池の端にはスモモ(酢桃,バラ科)が白い花を咲かせていました.残念ながら実は成熟する前に落ちてしまうそうです.

 その向かえには,ソメイヨシノより小さな花をまばらに咲かせているカスミザクラ(霞桜,バラ科)がありました.レンギョウ(連翹,モクセイ科)も黄色い花を満開にしていました.ついこの前は枝だけだったレンギョウですが春は駆け足で来ていました.

 ここから,春の野草を集め始めました.まず,芝生広場前の野原でヨモギ(蓬,キク科),セリ(芹,セリ科),ノビル(野蒜,ユリ科),ツクシ(土筆,トクサ科),カラスノエンドウ(烏野豌豆,マメ科),タンポポ(蒲公英,キク科)の葉を集めました.できるだけ犬のおしっこが付いていない場所から採取するようにしました.カラスノエンドウは小さな丸い赤紫の花を咲かせていました.ノビルも捜してみると以外に多くあり,移植ゴテで根元を掘り起こし,球根を痛めないように採取しました.その後,カンゾウ(萱草,ユリ科)を,少し離れた場所に採りにいきました.

ノビルとツバキの花 カンゾウの根際の切断 ハクモクレンの花

 意外とカンゾウを知らない人が多く,最初は上部の葉っぱを採って集めていました.カンゾウは,根際の白いところを酢味噌和えにして食べることを指摘され,最初に採った葉っぱは捨てて,白い根際だけをハサミで切って集めました.なお,芽や花も食べられるようです.スイバ(酸葉,タデ科)とギシギシ(羊蹄,タデ科)を集めた人もいました.スイバは葉が茎に直接付いており,ギシギシは葉柄がきちんとあるところで見分けるということでした.なお,湿地にはヒキガエルの小さなオタマジャクシがたくさんおり,交尾中のガガンボもいました.

 ツバキ(椿,ツバキ科)の花を集めにいくときに,ハクモクレン(白木蓮,モクレン科)とコブシ(辛夷,モクレン科)を観察しました.モクレン科の4つのハクモクレン,コブシ,シデコブシ,タムシバをどう見分けるかが課題でした.まず,少し離れたところにある白い花を咲かせている2本の木を観察して,同じ木かどうかを話し合いました.花弁の厚さが違うという参加もいました.花の大きさには差がありました.結局,花の下に1枚の小さな緑葉が付いており(これが決め手),樹肌,花弁の数などから同じコブシということになりました.花弁は,6弁という図鑑の説明でしたが,ある枝の花はほとんどが7弁でした.白色の非常に小さな3枚の顎片が,花弁の下にありました.多少,緑がかっているものもありました.このコブシの横の木に,しきりにさえずる4羽のカワラヒワがいました.

【外部リンク】教育用画像素材集(IPA)

 次に,ハクモクレンを見に行きました.途中にボケ(木瓜,バラ科)がきれいに花を付けていました.ハクモクレンの花は,既に盛りを過ぎていたので,花がハスの花のような紡錘状ではなくコブシのように広がって,地面にも多くの花びらが散っていました.花弁は6枚で,花弁と同じ大きさ,形,色の顎が3枚あり,見た目には9枚の花弁があるように見えました.花弁の下に小葉は付いていませんでした.

【外部リンク】花と緑の案内人

(このURL のHPの一部に記述の誤りがあります)

 シデコブシとタムシバは平和公園にはありませんが,見分け方の説明がありました.

野草の天ぷらの用意 野草の食事 セリのごま和え タンポポのサラダ

 この後,12月に行う芋煮会の場所で,集めた野草のテンプラなどの料理をしました.アウトドアで使う簡易ガスボンベを使う調理台で料理をしました.揚げたてを食べたい人もいましたが,全部そろってからということになり,12時半くらいから試食になりました.ヨモギ,セリ,カラスノエンドウ,ツクシ,ツバキの花,トウキ(当帰,セリ科)をテンプラにしました.トウキは自宅から持ってこられた参加者がおり,婦人の更年期障害によいという説明があったため,一番先に売れました.カンゾウも更年期障害の薬草として使われるようです.ツバキの花は,揚げると全体が紫色になり,しっとりとしてもちもち感がありました.味は特にありませんでした.ノビルの球根は酢味噌をつけて直接食べるものと,きざんでタルタルソースにいれて食べるものを用意しました.カンゾウは,酢味噌和えにして食べました.白ネギと同じ食感でしたが,多少甘みがあるように感じました.タンポポの葉とスイバの葉は,ドレッシングで食べましたが,スイバは人気がなく最後まで残りました.セリはごま和えにしても食べました.どれも野趣あふれる野菜という感じでしたが,スイバを除いて特に苦みもなくおいしく食べることができました.

ノビルの入ったタルタルソース ヨモギ、ツバキの花とツクシの天ぷら カンゾウの酢味噌和え クマザサの焙煎

 料理の最後にクマザサ茶も作りました.クマザサの葉をハサミで切って,洗ってから鍋で焙煎して,そこへお湯を入れてできあがりでした.貴重種の植物だけでなく,今回のような食べられる野草も平和公園には沢山あり,このような利用の仕方もよいのではということになりました.自然観察会としては,6〜7年ぶりに野草を食べる会をしたことになるそうですが,今後は毎年やりたいということになりました.

 個人的には花粉症に悩まされ,憂鬱な気持ちと春のすがすがしさが入り交じっていました.しかし,多くの参加者にとっては,何とか天気ももって,沢山の花々に囲まれ,かつ,可憐でたくましい野草に力を与えられ,大変味わいのある観察会になったと思います.

平成17年3月の観察項目:カイツブリ,カワウ,コサギ,アオサギ,カワセミ,サクラ(ソメイヨシノ),冬虫夏草,トウキョウサンショウウオ,ヒトクチタケ,カラスの巣,コイののっこみ,モミジの花,アシナガグモ,ゴミグモ,クサグモ,キュウリグサ,カナメモチ,キャラボク,ユキヤナギ,ヤマブキ,ヒメオドリコソウ,ハナモモ,ナノハナ,コバノミツバツツジ,スモモ,カスミザクラ,レンギョウ,スイバ,ギシギシ,ノビル,クズの芽,カラスノエンドウ,カンゾウ,ハクモクレン,コウバイ,カワラヒワ,コブシ,ボケ,ツバキの花,トウキ,ヨモギ,ツバキ,セリ,タンポポ,ツクシ,クマザサ(概ね観察順)

平成16年5月の観察項目:ギフチョウの写真,カマキリの卵嚢の写真,ワタの実,ヤママユガの繭,イチョウの雌花,ブタナ,ヒメウラナミジャノメ,モンゴリナラ,コナラ,ニワゼキショウ,オオムギ,ゴミグモ,コバンソウ,ヒメコバンソウ,ショウブ,キショウブ,カキツバタ,アヤメ,オトシブミ,イヌハッカ,タブノキ,マルバアオダモ,コメツブウマゴヤシ,シロツメグサ,マテバシイ,スイバ,ギシギシ,セアカヒラタゴミムシ,カマツカ,ヤマウルシ,ヤマハゼ,センダン,スイレン,カワラヒワ,ツバメ,コゲラ(写真は,観察会の本「なごや平和公園の自然」をご覧ください.)

伊藤義人

監修 滝川正子

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2008-7-19 528

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