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2004年 > 3月の観察記録
3月の観察記録
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 今月も天気に恵まれ,風もなく暖かい自然観察会になりました.

 新池では,先月と同様に,コサギが多くいました.先月は1本の木にとまっていましたが,今月は,その木だけでなく,他の木や水際にも分散していました.コサギ以外にコゲラ,カワウ,コガモ,シジュウカラなどもいました.春の訪れといった感じでした.参加者は,遅れてきた人も含めると58名にもなり,年齢層も多様で,特に子供の年齢層が珍しく,おぶわれて参加の子供から小学生,中学生,高校生に渡り,15名くらいになりました.

 まず,いつもの集合場所で,先月の記録を見ました.きれいなカラー写真は好評のようでした.コサギの写真がどちらの方向から撮ったかが話題になりました.その後に,参加者が持ってきた越冬したテングチョウとハナキササゲを話題にしました.ハナキササゲの鞘は,52cmもある長いものでした.ササゲは大角豆と書くようですが,インゲン(隠元)豆と言った方が分かりやすいかもしれません.鞘の中の豆を期待したのですが,残念ながら成熟しておらず,まめになりそこなった薄い小さな板状の黒いものが出てきただけでした.

コサギ コゲラ ハナキササゲ テングチョウ

 テングチョウは,越冬型が3月に出て,6月に新生蝶が出てきて,しばらく活動した後休眠して,再び9月に飛ぶという説明がありました.独特の顔つきで,鼻(パルピ)が長く,まるで天狗のような顔なのでこの名前があるようです.エノキなどに産卵するそうです.大発生するとエノキを丸坊主にすることもあるようです.春を告げる蝶であることは確かなようです.

【外部リンク】栃木の蝶

 参加者の住居の方角と距離を考えて立ち,自己紹介をしました.途中で,2羽のコゲラが近くにきて,子供達が喜んで観察しました.

 まず,平和公園の駐車場からすぐに入ったところでシホウチクの観察をしました.花屋の廃棄物の捨て場になっているところです.切り花の茎やオモトの赤い実なども捨てられていました.シホウチク(四方竹,イネ科)は,見ただけでは分かりにくいですが,さわってみると確かに角は丸いですが,断面が四角でした.シカクダケ(四角竹)とも呼ばれるようです.さわったときに,節と節の間の稈面は,ちくちく(ざらざら)する棘がありました.根元の方は,つるつるということを子供が発見しました.節のでっぱりは,断面の大きさにくらべ他種の竹より高い感じがしました.節にある気根は,小さな竹が多かったのであまり確認できませんでした.子供が揺すってみると,断面が細いので高次モードで振動しました.

 新枝の芽は,節のところで3本ずつかたまってあり,上下の節とは異なる位置にありました.上の方で葉が沢山出ており,ホルモンの関係かなという話がありました.和風庭園で,観賞用によく植えられる竹のようです.竹と笹の違いは,成長して皮を落とすのが竹で,残しているのが笹という説明もありました.

シホウチク オモトの実 ミノムシ トックリバチの巣

 畑の間の道を進んでいくとき,ミノムシとトックリバチの巣がありました.ミノガは成虫になり外へ飛び立つのは雄だけで,雌は成虫になっても,一生,このミノの中で過ごすという説明がありました.環境に弱いのか,最近はそれ程多くみないようになりました.ヒヨドリやスズメは,餌の少ないこの時期はミノムシを餌にするようです.昔,学校でミノムシを沢山捕まえて,丈夫なミノで財布を作った記憶のある参加者もいました.今では,このようなことは不可能でしょう.トックリバチの巣は,泥で作った5cm大の球形で3つの穴がありました.穴に徳利の注ぎ口に相当するものはありませんでした.ハチ自体も観察されませんでした.卵とイモムシを入れて穴を塞いでしまい,卵がかえったらイモムシを食べて,越冬してから殻を破って出てくるそうです.イモムシを団子状にして入れるか,そのまま入れておくかの議論がありました.HPで調べると,腐らないようにイモムシを麻痺させて入れておくそうです.巣がいっぱいになる程度の数のイモムシを入れるそうです.今回の巣は,巣立ってしまった後のようです.この観察の時に,畑の方でモズが甲高く鳴きました.

【外部リンク】自然界から学ぶ動物たちの土木建築学

 畑の道をもう少し進んで,マメガキについているイラガの白い固い繭を観察しました.抜け殻が大半で,穴があいていないものも,中はカビがはえていて空でした.

 さらに進んで,キリに沢山巻き付いた太いクズの蔓に,子供達がぶら下がって遊びました.ターザンのようにかっこよくはいきませんでした.愛護会の人たちが,キリを保護するために,クズの蔓を根本で切ったそうです.キリには,実のような新芽が沢山ついていました.このとき,1人の子供が,カラスウリの実を持ってきました.通り道で取ってきたようです.実の中の32個の種を取りだして,皆で分けました.周囲の果肉を食べると,ほのかな甘みがありました.うまくはないようです.カラスウリの根,種子,果実は薬用に用いるようですので,毒ではないようです.種の形が打ち出の小槌に似ているというので,財布の中に入れておくとお金が貯まるというので有名です.種を観察して,もう一度何に似ているかということで,1)カマキリの顔,2)のりまきあられ,3)チョウチョ,4)提灯,5)ウンチなどというのが出ました.32個の種は兄弟(姉妹)か,双子(32子)かということで,結局,兄弟(姉妹)ということになりました.

イラガの繭の抜け殻 キリに巻いたクズの蔓 カラスウリの実

 春の訪れということでキチョウやコブシについたミノムシを見かけました.日当たりのよい所に植えられたコブシの根本ではツクシも観察されました.近くでウズキコモリグモも観察しました.畑や芝生で生活して,巣を作らないクモです.卵のうも持ち運び、艀化した子グモは背中に乗せて移動するそうです.

【外部リンク】矢島の自然

 ムラサキシジミを女の子が捕まえて,観察ビンに入れて観察しました.羽を閉じているときは,茶色の目立たない蝶ですが,広げるときれいな青紫が輝いて見えました.幼虫はアラカシの葉などを食べるそうです.観察した蝶は越冬した成虫と思われ,春の訪れということでしょう.

ツクシ ウズキコモリグモ ムラサキシジミ

 終了時間が迫ってきたので,急いで毎年観察しているカンアオイの群生地に向かいました.途中,シュンラン,マルバマンサク,ミモザ(フサアカシア),パンパスグラス,ヤシャブシを見ました.シュンランは,花芽も出ていました.来月には,花が咲いているでしょう.

シュンランの花芽 マルバマンサク ミモザ(フサアカシア) ヤシャブシ

 カンアオイの観察では,まず,ヒメカンアオイかスズカカンアオイかの同定が行われました.資料が配られて,葉の形状が縦が横よりわずかに長く,尖端はほとんどとがらず,花の径が1.5cmなどの観察で,ヒメカンアオイであろうということになりました.このとき,花の径を調べるのに,1円玉の直径が2cm(そうは見えないが)であることを,使うとよいという助言がありました.コロニーの数は,5か6か判別できませんでしたが,葉と花の数は,それぞれ299と92でした.一昨年と比べ,葉の数は100以上減っていましたが,花は11増えていました.ただし,数に入れなかった小さな葉の芽なども多くあり,観察時期によって大きく変わる可能性もあり,特に減少しているということでもないようです.

【外部リンク】ミズアオイの植物記

 もう1つ別のところにカンアオイのコロニーがあるという参加者の紹介で,急いで見にいきました.それ程大きなコロニーでではありませんが,樹木の根本に確かにありました.ユーカリ畑横のトチノキまで行くあいだに,シラカシ,カシ,タカノツメを観察しました.タカノツメは冬芽の形が鷹の爪を思わせるからということですが,ニワトリの足という人もいました.別名のイモノキは,枝がもろいことによるそうです.タラノキの芽と同じように食卓に上るようです.キャラメルのにおいがするという人もいました.

ヒメカンアオイの葉と花 タカノツメ シラカシ モグラの穴

 トチノキの周辺に集まり,多くのモズラ塚があったため,モグラ穴の確認を子供達が競って行いました.直径3cmくらいの穴が確認されました.その後に,観察記録の確認と各自の感想が述べられました.

観察項目:テングチョウ,ハナキササゲ,コゲラ,シジュウカラ,コサギ,カワウ,コガモ,シホウチク,ミノムシ,モズ,イラガの繭,トックリバチの巣,カラスウリの実,クズ,キリ,コブシ,ウズキコモリグモ,ツクシ,シュンラン,マルバマンサク,ムラサキシジミ,シラカシ,カシ,キチョウ,ツマグロキョウモン(雌),ミモザ(フサアカシア),ヤシャブシ,パンパスグラス,ヒメカンアオイ,タカノツメ,モグラ塚

伊藤義人

監修 滝川正子

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