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2004年 > 4月の観察記録
4月の観察記録
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 新緑が目に涼しいさわやかな快晴の中での観察会になりました.桜は少し盛りを過ぎていましたが満開で,風が吹くと桜吹雪となりました.散った桜の3つの花弁がハラリと野帳に挟み込まれました.桜吹雪は,写真に撮ってもきれいに写らないのが残念ですが,散りゆく桜や移ろいゆく菊を美しいと感じる日本人の感性は,まだ残されているのでしょう.新池には,カワウ,コサギ,カルガモ,ムクドリ,カワラヒワ,ハトなどの鳥がいました.サクラの花の蜜をヒヨドリが吸っていました.池の中では1m近い大きなコイがゆったりと泳いでいました.参加者は,子供6名を含む約50名でした.

サクラとヒヨドリ

 まず,見事なサクラが咲いているいつもの集合場所で,先月の記録を見ました.コサギが,木ではなく浅瀬にいる写真はめずらしく,ザリガニなどを取っているのであろうという説明がありました.その後に,参加者が持ってきたアズマヒキガエルの蛙合戦とカシラダカの不慮の死の写真について話がありました.

 3月25日の夜に,蛙合戦を観察した参加者からの報告では,雄雌の数はわりと一致しており,「やせ蛙まけるな一茶是にあり」といような合戦というような状況ではなかったようです.雄の手には抱きダコがあり,しっかりと雌を抱えていたと報告がありました.今回は,後で蛙合戦の結果のオタマジャクシを観察することになりました.

 カシラダカは,先週の平和公園のゴミ掃除の時に,空きカンの中で死んでいるのが発見されたそうです.中に入って出られなくなったようです.人間が不用意に投棄した空きカンで野鳥を死なせたことは残念でなりません.80名のボランティアで,軽トラック10台分程度のゴミが集まったそうです.名古屋市は,これをお金をかけてやったとして計算して,税金の節減というような数値に変換する動きをしているそうです.

 写真に関しての話の後で,集合場所の新緑が美しいイチョウの雄花を観察しました.房のように垂れ下がっている小さな雄花は観察できましたが,雌花はまだ観察できませんでした.

イチョウ ヤニサシガメ シロバナタンポポとトウカイタンポポ タンポポ笛

 また,昨年と同じように,桜の幹に沢山ついているヤニサシガメ(カメムシの一種)を観察しました.ヤニのように表面がべたべたした感じですが,黒,白,赤色の造詣の妙はすごいものです.樹液を吸っているわけではなく,肉食で群れてくらすそうです.

 集合場所では,最後にタンポポを観察しました.まず,シロバナタンポポを探しました.東海地域では,タンポポの花は黄色と思っている人が多いですが,関西,四国,九州では白い花が多いそうです.これも外来種だそうです.カントウ,トウカイ,カンサイタンポポなどの在来種は少なくなっているようです.セイヨウタンポポは,乾燥した所に咲き,クローンの形で単独でも増えるそうです.最近は,外来種のなかでもセイヨウタンポポよりアカミタンポポが多くなっているそうです.総苞外片が反りかえるのが帰化種に共通の特徴ですが,3倍体,4倍体などの雑種が多くなり,厳密には遺伝子を見てみないとどのタンポポか判定することは難しいようです.よく言われる葉の丸みやギザギザなどでは,全く判別できないそうです.昔を思い出して,参加者がタンポポ笛を作りました.できるだけ大きなタンポポの茎を採って,端を咬んで強く吹くと懐かしい素朴な音がでました.子供達も喜んで吹いている様は昔と変わりません.

【外部リンク】雑種タンポポの識別と全国分布

今回は,自己紹介を忘れて,出発しました.

 集合場所を出て,平和公園に入る歩道横で,キュウリグサを観察しました.2mm程度の5弁の小さな青い花がたくさん咲いていました.非常に地味ですが可憐というべきでしょうか.葉を揉んで香りをかぐと微妙ですが確かにキュウリの香りがしました.ニガナ,シロサワフタギ,アカネガシも観察しました.ここまでで,既に1時間がたってしまいました.

キュウリグサ シロサワフタギ アカネガシ イタドリ

 平和公園に入ってすぐのヤマザクラを観察してから,斜面のイタドリを採りに行きました.水が下を流れている斜面にたくさんイタドリはあり,紅い芽は50cm にも及ぶものもありました.根元でぽきんと折って,皮をむいて食べました.多少酸味がありましたが,非常にみずみずしくて,サクサクとして春の山菜という感じでした.たくさん採って持ち帰った参加者もいました.

 少し歩いて,シキミ(樒,シキビは俗称)を観察しました.仏前に供える木ですが,白い花が咲いていました.全株に毒があり,特に実は法律に指定されている劇毒(アニサチン)だそうです.悪しき実(下線部が名前の由来といわれています)と言われるゆえんです.抹香臭いというのは,この木の香りをいうそうで,線香などに混ぜるそうです.ドライアイスの無かった時代に死臭を消すためというような記述もHPにはありました.実際に葉などを揉んで香りをかいで,ミカンの香りがするという参加者もいました.シキビにカラスウリが巻き付いており,根元にはヤエムグラが群生していました.

【外部リンク】とんび岩通信 花便り

シキミ ヤエムグラ キャベツの葉についたモンシロチョウの卵 ダイコンの花

 キャベツ畑に行きモンシロチョウの卵を観察に行きました.キャベツの外側の固い葉に非常に小さな卵は産み付けられていました.かたまっては生まず,離れて1つずつ産み付けられていました.これは,生存率を高くするための工夫であろうという説明がありました.無農薬で作られているので,多くの卵がついていますが,スーパーで買ってきたキャベツで生育しようとしても死んでしまうそうです.農薬や洗剤が良くないそうです.キャベツを食べましたが,イタドリより甘くてうまいという感想が出ました.

 同じ畑で,ダイコンの白い花を観察しました.こんなに花が咲いたら,ダイコンの根はすかすかになって食べられないことを知っている参加者もいました.この人は,森繁久弥主演のダイコンの花というドラマまで知っていました.ダイコンの花を初めて見る参加者もいました.白い花を食べて見ると辛みのある味でした.アブラナ科共通の味のようです.

 山の方へ入って,ミツバアケビの花を観察しました.黒紫の小さな花が沢山ありました.雌花が上で,雄花が下にありました.自家受粉しないための工夫だろうということになりました.近くに以前の観察会で話題になったウスノキの可憐な小さな釣り鐘状のピンクの花が咲いていました.この花がそのままかたまったような実ができるそうです.

 ちょうど越冬したキタテハが飛んできましたので,チョウに詳しい参加者から,キタテハの食性(カナムグラを食べる)や退化した2本の足などについて詳しい説明がありました.

 この後イヌシダ,シュンラン,スズメバチの巣,アオキの花,チャの葉,ミツバツツジなどを観察しながら芝生広場の方に向かいました.

アケビの花 ウスノキの花 イヌシダ シュンラン

 芝生広場の前の湿地でアズマヒキガエルのオタマジャクシを子供達がたもですくって観察しました.周辺には,ガガンボがたくさんいました.水に産卵しているガガンボや,ハナグモや蜘蛛の巣にとらわれて食べられているガガンボもいました.水辺にザリガニの脱皮殻もありました.

  このとき,トウキョウサンショウウオの2つの小さな曲玉状の卵のうを持ってきた人がいて観察しました.今年は雨が少なく,数が少ないようです.卵のうの大きさも,昨年に見たものより小さなものでした.氷河期の生き残りの両生類だそうです.既に卵は神経胚の状態でした.

オタマジャクシすくい トウキョウサンショウウオの卵 シイタケの菌打ちの穴あけ コツバメチョウ

 平和公園愛護会の人たちが,シイタケの菌打ちをしていましたので,子供優先で,実体験させてもらいました.ドリルでコナラの材木に5cm 間隔くらいで穴を開けて,菌をつけた木栓を木槌で打ち込みます.電動ドリルで適当な深さに穴を開けて,逆回りにしてドリルを抜きます.昔は,穴開けも特別のポンチを使いました.金槌のような形で,尖端が歯のついたパイプ状になっており,穴の木くずも自動的に金槌の横穴から飛び出すというものです.今は,手間を考えるとこのようになるのでしょう.子供達は,喜んで体験していました.

 最後に,芝生広場横の側溝のところに集合して,観察記録の確認と各自の感想が述べられました.周辺のアベマキ林にコゲラが鳴いていました.感想が始まった時に,1人の参加者がスズメ三種(スズメテッポウ,スズメヤリ,スズメカタビラ)を採ってきて,回覧して観察しました.形と名称の関係がおもしろいものでした.また,コツバメチョウが飛んできて,チョウの好きな参加者は早速写真を撮りにいきました.

観察項目:カワウ,アズマヒキガエルの蛙合戦の写真,カシラダカの不慮の死の写真,ヤニサシガメ,イチョウの雄花,シロバナタンポポ,タンポポ,キュリグサ,ヒメウラナミジャノメ,コオニタビラコ,アカネガシラ,ヤマザクラ,シロサワフタギ,イタドリ,タケノコ,シキミの花,カラスウリ,ヤエムグラ,ミツバアケビの花,ウスノキの花,シュンラン,イヌシダ,ヤマツツジ,スズメバチの巣,コモリグモ,オオタカ,アズマヒキガエルのオタマジャクシ,モンシロチョウ,ルリタテハ,キチョウ,モンキチョウ,モンシロチョウの卵,キャベツ,ダイコンの花,アオキの花,ヒサカキ,ザリガニの脱皮殻,ガガンボの産卵,ハナグモに捕獲されたガガンボ,トウキョウサンショウウオの卵,スズメ三種(スズメテッポウ,スズメヤリ,スズメカタビラ),シイタケの菌打ち,ツバメシジミ,コツバメチョウ(概ね観察順)

伊藤義人

監修 滝川正子

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2008-7-19 487

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