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2004年 > 12月の観察記録
12月の観察記録
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 昨年に引き続き晴天に恵まれ,楽しい恒例の芋煮会になりました.アベマキやイチョウの葉もまだ枝に残っているという,今年の暖冬を象徴する状況でした.元清風荘のカエデも見事に紅葉していました.周辺のメタセコイアも枯れた葉が落ちずにきれいな三角形を見せていました.いつもは寒い中で,葉の落ちた木立が青空に突き刺さるような中での芋煮会でしたが,今回は風もなく火の番をしている人は,額から汗を流す程でした.

 芋煮会のため,あまり自然観察の写真が撮れないと思い,集合時間の1時間以上前に行き,周辺の写真を撮りました.新池の水面を覆っていたスイレンなどは,ほとんどなくなっており,水面が見えるようになっていました.多くのコサギとカモが来ていました.それ以外の野鳥として,シジュウカラ,スズメ,ハクセキレイ,セグロセキレイ,ツグミ,ヒヨドリ,メジロ,カワウ,アオサギも観察できました.街路樹のトウカエデの葉が落ちたため,野鳥の小さな2つの巣も見ることもできました.

 センダンの木は,葉を全て落とし,実だけになっていました.ジョロウグモはフェンスに少しだけ蜘蛛の巣をはって寒そうにしていました.参加者は,集合場所では,子供6名を含む39名でしたが,最終的には芋煮だけを食べにきた人も入れると,延べ50名程度になりました.

メタセコイヤ トウカエデの枝に残された鳥の巣 ハクセキレイ ジョロウグモ

 まず,いつもの集合場所の元清風荘前の公園で,先月の観察記録を使って報告がありました.カロライナジャスミンは,キャロライナジャスミンと言うのではないかという問いに,両方とも使われるという回答がありました.ちなみに,Google で検索するとカロライナジャスミンは4090件,一方キャロライナジャスミンは487件ですので,カロライナジャスミンの方が一般的なのでしょう.観察記録の写真の中で,ドングリのコナラシギゾウムシの産卵穴が見にくいという意見が出ました.露出がたらなかったようです.今回の観察会でもう少しよい写真を撮りました.キクイモについては,先週採ったものを赤味噌とみりんで漬けて食べてみて,おいしかったという報告がありました.アサギマダラのマーキングについての子供の参加者の作文が12月5日の中日新聞に掲載されたという報告もありました.

虫に食べられたアベマキのドングリ イチョウ

 集合場所のイチョウ(銀杏,イチョウ科)も,まだ,黄色い葉を沢山つけていました.いつものように,葉の形(スカート型とズボン型)では,雌雄株は判定できないという話題がでました.実がなっていれば雌株ですが,葉だけではDNA鑑定でもしないと無理のようです.なお,イチョウの葉が黄色いのは,イチョウは昆虫が出てくる前の植物(裸子植物)で,デンプン(糖分)を作る必要がなかったので,黄色いという話がありました.離層ができて水分が少なくなると,葉緑素が壊れて,元々あった黄色い色素(カロチノイド)が見えてくるという仕組みのようです.カエデのように赤くなる葉は,同じように葉緑素が壊れると,残った糖分と太陽光で赤色の色素(アントシアン)がつくられるそうです.

 イチョウの語源は葉の形が、鴨の足形に似ているからとして鴨脚(おうきゃく)の中国語が「ヤーチャオ」「イーチャオ」と言い,それが「イチョウ」になったとされる説が紹介されました.「一葉」から名前がついたという説もあるようです.寸詰まりの短い新しい枝(短枝)から葉が出ているのを観察しました.

【外部リンク】薬用植物のご案内

 この後で,子供の参加者が,腐葉土と一緒に入れたカブトムシの幼虫を持ってきました.小枝で腐葉土をどかして幼虫を見せようとしましたが,そうすると幼虫が傷つくことがあるので,ビニール袋にあけて観察することにしました.小さな幼虫が1匹腐葉土の底にいました.

 今回は,芋煮会と野遊びということで,簡単な自己紹介をしてから出発しました.

 芝生広場横の芋煮会の場所に着き,早速,芋煮用のかまど造りと焼き芋とパン焼きのための落ち葉の灰造りを始めました.まず,周辺の笹を刈って,落ち葉をかき集めました.落ち葉の灰造りでは,地面が粘土質で,そのままでは熱が逃げていくので,スコップで浅い穴を掘り,小石を敷き詰めました.このようにして,熱が地面の下に逃げていかないようにしました.芋煮用のかまども,昨年の反省から穴を大きくせず,鍋底の広い下面から熱が通るようにして,焚き口も一方だけにしました.穴の周辺に大きな石を置いて,鍋を置きましたが,なかなか安定せず苦戦しました.

芋煮会の準備 焚き火の下の小石 芋煮のかまど造り

 結局,少しだけ傾いて設置してしまい,片側から吹きこぼれる状況になりました.また,ウチワで風を送って,早く煮えるようにしました.参加者が多かったので,周辺の雑木林の倒木などを整理しました.集めた倒木や落ち葉は,カブトムシの幼虫などのすみかになるでしょう.

 準備をしている途中で,パン焼きの竹の枝造りと愛護会の人たちが作っているシイタケを採りにいきました.コナラの木材に,大きさの違う沢山のシイタケが付いており,シイタケ狩りをしました.多分,初めての体験の人も多かったと思います.

 シイタケは,切ったものを芋煮鍋に入れ,そのままのものは金網の上においてパンと一緒に焼きました.

愛護会のシイタケ栽培 シイタケ焼き

 芋煮は,まず鍋に水を半分入れ,すぐに里芋(8.5kg)を入れて,かなり煮えてから,こんにゃく(5丁),ゴボウ(6本),豚肉(3kg),豆腐(5丁),シイタケを入れ,お酒と醤油だけで味付けしました.最後に葱(1把)を入れて完成させました.

 途中で灰汁を丹念にとりました.各自がお椀にとり,ユズを少し入れて香りをつけ大変おいしく食べました.里芋にも十分に火が入って,やわらいものができました.里芋は,買った時点で14kg で,皮が4kg だったので,土が1.5kg という勘定になったそうです.1人の参加者が,5時間かけて準備をしていただいたそうです.参加者一同から感謝の言葉がありました.

里芋の投入 あく取り かき回し 具だくさんの芋煮
ネギの投入

 焼き芋とパン焼き用の灰は,落ち葉を集めて,新聞紙に火をつけて造り始めまし た.できるだけ木の枝などはいれないようにしました.焼き芋は,アルミ箔で巻いたものとそのままたき火に入れたものの両方を作りました.表面が焦げるのをいやがって,アルミ箔を巻いたのでしょうが,昔はそんなものはなかったのにという感想がでました.結局,アルミ箔を巻かないで焼いたものも,表面は黒くなりましたが,中はよく熱が入りおいしく食べることができました.ただし,アルミ箔で巻いたものとの差は,特にはなかったようです.焼き芋の焼き具合をどのように確かめるかということで,割ってしまうと,焼きが足りないときに困るので,松の針葉を使うとよいという話が出ました.それも黒松の針葉がよいということです.赤松の針葉は手に刺しても痛くありませんが,黒松の針葉はかなり痛いので丁度よいということでしょう.今回は,確かめるまでもなく,小石を敷いた上に十分な灰を用意したので,内部までよく焼けていました.

パン焼き サツマイモの焚き火への投入 みんなで熱々を 芋煮会の食事風景

 パン焼きは,竹の細い枝にパン生地を巻いて,子供達も一生懸命に焼きました.少し生焼けでも,素朴な味でおいしいパンでした.竹を割って,途中を焼いて折り曲げ,ビニールテープを巻いた焼き芋の取り出し用の竹ばさみを持ってこられた参加者もいました.シイタケもうまく焼け,採りたての生シイタケを味わいました.少し醤油をつけるとよりおいしく食べられました.途中で,リンゴジュースと料理用の日本酒を飲む人がいました.お酒は甘口だったそうです.また,先月持ち帰ったキクイモを赤味噌に漬けたものを具にしたおにぎりも食べました.

 途中で,女の子たちが,火のついた枝で遊ぶのを注意しました.昨年は,同じ事を男の子がして,何度も注意しましたが,今回は1回でやめました.火遊びがおもしろいのは,子供の体験からよく分かります.大人から注意をされる経験も大事だと思います.

 芋煮会の場所の周辺で,ソヨゴの実が,1本の木の中でも,赤い色の実と紫色の実が混在してなっているのを見つけた参加者がいました.また,芝生広場前の湿地には,季節はずれのカキツバタ(杜若,アヤメ科)も咲いていました.また,子供達が愛護会の人たちが作っている落ち葉置き場から,大きな4匹のカブトムシの幼虫を捕ってきて,参加者に見せていました.

 芋煮会は,実費徴収で大人300円,子供100円でした.プラスチックのちりとりの中にお金を入れる形にして徴収しました.野外での食事は,何とも快適なものでした.子供達も大変喜んでいました.今回も,消防署に届けてありますが,最近,平和公園の中で不法なたき火跡が散見され,芋煮会も禁止される可能性があるようです.平和公園の自然を多面的にうまく利用するこのような経験を,今後もずっと持てるようにしたいと思います.

 感想会の前に,クズもちを,クズの根から3回に分けて作る講習会の案内がありました.また,平和公園は陸軍の演習場であったので,個々の地名が付いていないので,ハンノキ湿地のような地名を各地に観察会で付けていきたいという話がありました.つつじヶ丘という場所を作りたいという参加者が早速おられました.最後に,感想会をした後で,後かたづけをして解散しました.今回はほとんど失敗がなく,少し物足りないというような感想も出ました.

感想会

観察項目:コサギ,カモ,ツグミ,ヒヨドリ,メジロ,シジュウカラ,セグロセキレイ,ハクセキレイ,スズメ,カワウ,アオサギ,イチョウ,カブトムシの幼虫,シイタケ,ソヨゴ,カキツバタ,クズの根の写真(順番は,ほぼ観察順)

食べたもの:芋煮(里芋,豚肉,こんにゃく,ゴボウ,豆腐,シイタケ,ネギ,醤油,日本酒),ユズ,パン,サツマイモの焼き芋,リンゴジュース,キクイモのおにぎり

伊藤義人

監修 滝川正子

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2008-7-19 498

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