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2012年 > 10月度の観察記録
10月度の観察記録
2012年10月度の観察記録です。

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早朝は曇っていましたが,集合時間時には強い日が差し始めたため,帽子をかぶらずにはおられませんでした.ただし,新池の土手のセンダン(栴檀,センダン科)の実は緑色からクリーム色になりつつあり,ススキ(芒,イネ科)やセイタカアワダチソウ(背高泡立草,キク科)が群生して秋の様相でした.エンマコオロギ(閻魔蟋蟀,コオロギ科)の鳴き声も盛んにしました.新池にはアオサギ(青鷺,サギ科)が1羽,捨てられたタイヤの上にいました.集合場所では,モズの睫弔聞こえました.参加者は,子供5名と大人22名でした.

新池のアオサギ

まず,先月のメンガタスズメ(面形天蛾,スズメガ科)とルリモンハナバチ(瑠璃紋花蜂,ミツバチ科)の標本を見ました.次に先月の報告を見て,ウバユリ(姥百合,ユリ科)の実の中の虫は,ハネカクシ(羽隠虫,ハネカクシ科)ではなくハサミムシ(挟虫,ハサミムシ目)ではという指摘がありました.女性の参加者がカキノヘタムシガ(柿蒂虫蛾,ニセマイコガ科)に食害されたカキの実を紹介しました.半分に切って断面を見えるようにしたものも見せました.ヘタの下側が黒くなっていました.自宅のカキノキ(柿木,カキノキ科)から実が500個近く落ちてしまったそうです.実の表面にはカメムシ(亀虫,カメムシ科)による食害の痕もありました.害虫が嫌うナトリウム灯をカキ畑につけることがあるという説明がありました.カキノヘタムシガの幼虫はヘタの所につくそうです.

【外部リンク】病害虫ナビ:カキノヘタムシガ(住友化学園芸)

メンガタスズメの標本 ルリモンハナバチ カキノヘタムシガにやられたカキの実

ムベ(郁子,アケビ科)の黒くなったリースを持ってきた女性参加者がいました.緑色のムベのツタも比較のため並べました.染色したものではなく,自然にこんなに黒くなるとは,予想していなかったそうです.
アベマキ(阿部槇,ブナ科)の葉についているヤママユ(山繭,ヤママユガ科)のまゆを持ってきた男性参加者がいました.表面のかなりの部分が茶色になっていました.すかして見ると上半分が空になっていました.挟でまゆを切って中を見ると,幼虫が死んでいました.男の子が寄生蜂にやられたのではと言いました.
自宅にできたアシナガバチ(足長蜂,スズメバチ科)の10cm径くらいの巣を持ってきた参加者がいました.正六角形の穴がいくつあるのかと聞いた人がいました.最大径のところで12穴あるので,面積を求めるように6 x 6 x 3.14≒108個ということで概数は出ると思います.縁の浅い穴にも卵が産みつけられるという話が出ました.女王蜂の場所は特に決まっていないという話もでました.巣が何でできているかという質問に,木くずを蜂の唾液のタンパク質で固めたもので,意外と燃えにくいという説明がありました.

ムベのリース ヤママユの中身

スズメバチ(雀蜂,スズメバチ科)の本を持ってきた参加者がいて,平和公園に名古屋では珍しいチャイロスズメバチ(茶色雀蜂,スズメバチ科)がいるという報告がありました.スズメバチに刺されない方策として,黒い服は着ない,髪を金髪(?)にして低い姿勢で動かないという提案がありました.部屋にスズメバチが入ってきて,ほっておくと数日で餓死したということを報告した人もいました. 「名古屋で探そうカタツムリ」のイベントの報告がありました.平和公園にいる普通のカタツムリはイセノナミマイマイ(伊勢之並蝸,オナジマイマイ科)であるという説明もありました.
アサギマダラ(浅黄斑,マダラチョウ科)がいたらマーキングするために,倉庫から網を出してきて配りました.マーキングしたアサギマダラが和歌山から香港まで飛んだ記録もあるそうです.残念ながら,今年も観察会中にはアサギマダラは発見できませんでした.

ここまでで,10:20になり,大坂池の南側の道を通って湿地に向かいました.途中,セイタカアワダチソウとマメガキ(豆柿,カキノキ科,別名:シナノカキ)を見ました.また,ママコノシリヌグイ(継子尻拭,タデ科)が瑠璃色の実をつけていました.竹林のカラスウリ(烏瓜,ウリ科)の実はほとんどなくなっていましたが,除草し積み上げられた枯草の中に1つだけ橙色の実を見つけました.近くで,ツルマメ(蔓豆,マメ科)とヤブマメ(藪豆,マメ科)を見つけて,その比較をしました.大豆の原種のツルマメは,実に毛がついていました.まさに大豆の原種という感じの形の実がついていました.ツルマメの花は,ヤブマメに比べて小さいそうです.ツルマメの葉は細長く,ヤブマメの葉は丸い形でした.

【外部リンク】ヤブマメとツルマメ(野の花散歩)

【外部リンク】ツルマメとヤブマメ(新潟大学学術リポジトリ)

セイタカアワダチソウとニホンミツバチ ツルマメ ヤブマメ

北側の斜面で,ヨメナ(嫁菜,キク科)の花を見つけました.よく似たノコンギク(野紺菊,キク科)の花も近くにありました.昔に比べ,平和公園のノコンギクは激減しているという指摘がありました.たくさん生えているチカラシバ(力芝,イネ科)の穂を下からしばいて,栗の実のように見える芝栗を作って,子供たちが遊びました.すぐ横に,紫色の小さな実を鈴なりにつけたコムラサキシキブ(小紫式部,クマツズラ科)がありました.ムラサキシキブ(紫式部,クマツズラ科)ではないかという人もいました.実の付き方がムラサキシキブは,コムラサキシキブに比べまばらに付くということと,鋸歯がコムラサキシキブには葉の上半分にしかないことで区別するようです.

【外部リンク】ムラサキシキブとコムラサキ(まぁ、そんな感じで・・・)

ヨメナの花 チカラシバの芝栗 コムラサキシキブ

ガマズミ(莢迷,スイカズラ科)の小さい赤い実を見つけて,食べてみてまだ酸っぱいという感想がでました.ヤマハゼ(山黄櫨,ウルシ科)はすっかり葉を落とし,実だけが垂れ下がっていました.すぐ横のヌルデ(白膠木,ウルシ科)は,枯れた葉をたくさんつけていました.湿地横のウメモドキ(梅擬,モチノキ科)には,まばらに赤い実がついていました.
湿地の周辺にはミゾソバ(溝蕎麦,タデ科)が一面にきれいなピンクと白の小さな花を咲かせていました.先月見たシロバナサクラタデ(白花桜蓼,タデ科)の花は,もう盛りをすぎていました.皆より少し先行して,別の坂道にあるススキ(芒,イネ科)とウンヌケ(牛毛,イネ科,方言で牛の毛の意)を観察しました.ウンヌケは,昨年より少しだけ増えていました.

ガマズミの実 ススキ ウンヌケ

水田の手前で,道に落ちていたスズメバチ(雀蜂,スズメバチ科)の尾を見つけて,種類を同定しようとしました.縞模様だけでは難しく,周辺の樹液を出している木に10匹くらい群がっているオオスズメバチ(大雀蜂,スズメバチ科)だろうということになりました.
里山の家への帰り道で,柑橘類を植えた場所に寄り道しました.1本の木だけにナミアゲハ(並揚羽,アゲハチョウ科),クロアゲハ(黒揚羽,アゲハチョウ科)およびナガサキアゲハ(長崎揚羽,アゲハチョウ科)の幼虫がついていました.黒色と緑色の齢の違うものがいました.3種のアゲハの幼虫の区別の仕方を話し合いました.ナミアゲハは全体が緑で,クロアゲハはそれに茶色の筋があり,ナガサキアゲハは全体的に白っぽいという説明でした.触ると黄色や赤色の臭角を出して,強烈な臭いを出しました.

【外部リンク】アゲハの幼虫について(晶子のお庭は虫づくし)

オオスズメバチの尾 臭角を出したナミアゲハ(5齢)の幼虫 クロアゲハの幼虫 ナガサキアゲハの幼虫

ここで,男の子がスズメガ(雀蛾,スズメガ科)の幼虫を捕ってきて,指に這わせて,ほしい人を募っていました. 少し離れたところで,アキノノゲシ(秋野芥,キク科)の黄色い花を観察しました.せせらぎの横でボントクタデ(凡篤蓼,タデ科)の白い花も観察しました.つぼみは赤い色をしていました.花の付き方は規則的でなく,まばらでした.ボントクタデに関連して,若手に「ボンクラ」といっても意味が分からない人達がふえているという話が出ました.
湿地では,スイラン(水蘭,キク科)の黄色の花,シラタマホシクサ(白玉星草,ホシクサ科)の白い花,およびサワギキョウ(沢桔梗,キキョウ科)の紫の花が先月と同様に咲いていました.ヒヨドリグサ(鵯草,キク科)の花は,既に盛りがすぎていました.センダングサ(栴檀草,キク科)を観察して,その葉がセンダン(栴檀,センダン科)の葉の形と似ているのでその名前があるという説明がありました.どちらの名前が先かという質問が出ました.近くで,小さな花をつけたホシアサガオ(星朝顔,ヒルガオ科)を1輪見つけました.直ぐ横で,ナガコガネグモ(長黄金蜘蛛,コガネグモ科)の網に虫がかかり,あっという間に白い糸でくるまれてしまいました.帰りに,スモモ池でダイサギ(大鷺,サギ科)を1羽見かけました.

ボントクタデ ホシアサガオ ナガコガネグモ スモモ池のダイサギ

里山の家で感想会をしました.子供達が伸びやかに動き,説明をさせたときの視点が新鮮で良かったという感想がまずでました.カナヘビ(金蛇,カナヘビ科)の子供を飼っていて,その餌としてシロガネイソウロウグモ(白銀居候蜘蛛,ヒメグモ科)などの小さな蜘蛛を集めて大変だという話もでました.串に巻いた色づけした台湾のマシュマロがお土産として振る舞われました.秋の大変快適な観察会になりました.

観察項目: メンガタスズメの標本,ルリモンハナバチの標本,ムベの黒いリース,緑色のムベ,カキノヘタムシガの被害を受けたカキの実,ヤママユの繭の中の死んだ幼虫,アシナガバチの巣,カタツムリの一覧写真,セイタカアワダチソウ,マメガキ,ママコノシリヌグイ,チカラシバ,ヤブマメ,ツルマメ,カラスウリの実,ガマズミの実,ウメモドキの実,コムラサキシキブ,オオスズメバチ,ボントクタデ,イヌタデ(アカマンマ),シロバナサクラタデ,ヤノネグサ,スイラン,シラタマホシクサ,サワギキョウ,シンジュ,アキノノゲシ,クロアゲハの幼虫,ナミアゲハの幼虫,ナガサキアゲハの幼虫,ナガコガネグモ

文・写真:伊藤義人 監修:滝川正子

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2012年10月度の印刷用観察記録です。
2013-1-19 358

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