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2012年 > 11月度の観察記録
11月度の観察記録
2012年11月度の観察記録です。

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雨雲を運んでいる前線が西から迫っていて,早朝は曇っていましたが,結局観察会の途中から小雨になってしまいました.並木の桜には,黄葉したわずかな葉しか残っていませんでした.トウカエデ(唐楓,カエデ科)は,個体差はありますが見事な紅葉を始めていました.新池のスイレン(睡蓮,スイレン科)は枯れ始め,葉の間の隙間に水面が目立つようになっていました.新池には水鳥は何も来ていませんでした.土手のセンダン(栴檀,センダン科)の実はクリーム色になり,ヒヨドリ(鵯鳥,ヒヨドリ科)が食べに来ていました.参加者は,大人18名と子供7名でした.

紅葉したトウカエデ

まず,先月の報告を見て,新池の古タイヤごみの上のアオサギ(青鷺,サギ科)が話題になりました.アオサギの餌であるドジョウが話題になり,シマドジョウ(縞泥鰌,ドジョウ科)は見ますがホトケドジョウ(仏泥鰌,ドジョウ科)は最近少なくなってきているという説明がありました.柳川鍋は最近食べられるかという質問もでました.次に,蜂の巣の穴の数の数え方が注目されました.小学校で円周率を3で教えるようになったゆとり教育も話題になりました.この時,ハクセキレイ(白鶺鴒,セキレイ科)が2羽,納屋の屋根の上にきました.先月まであった屋根の上の芝生の中にあった背の高い野草はきれいに除草されていました.

参加者が持ってきたサツマイモ(薩摩芋,ヒルガオ科)とクウシンサイ(空心菜,ヒルガオ科)の花を観察しました.アキノキリンソウ(秋麒麟草,キク科)の黄色の花もありました.セイタカアワダチソウ(背高泡立草,キク科)の花に似ているという感想が出ました.下の方が開いた松カサリクガイ(陸貝)も観察しました.今回は,種々の種を集めて里山の家に展示したいということで,小さなビニール袋が参加者に配布されました.
次に,自宅のサツマイモ畑の土の中にあった7cm長のスズメガ(雀蛾,スズメガ科)の蛹を観察しました.表面は,硬い殻に覆われていました.羽化させるためには赤玉土の上に置き,たまに霧吹きで水分を与えればよいという助言がありました.

松カサ リクガイ スズメガの蛹

ボケ(木瓜,バラ科)とカリン(花梨,バラ科)とミツバアケビ(三葉木通,アケビ科)の実を持ってきた参加者がいました.カリンは良いかおりがしました.ミツバアケビは,採ってから時間がたっているのか表面が黒くなっていました.勧められて中の種や果肉を男の子が食べましたが,変な味というのが感想でした.ヨーグルトのような発酵臭があったようです.
親子で以前に捕まえたカナヘビ(金蛇,カナヘビ科)が産んだ卵から育てた子供が大きくなったので逃がすために容器に入れて持ってこられました.2回ほど脱皮したそうです.
最後に,ドングリシャワーの案内がありました.岐阜のドングリは今年は不作だという報告がありましたが,東山はいつもより豊作だというのが共通の認識でした.今年は,すでに山からツグミ(鶫,ツグミ科)が来ているという報告もありました.餌が少なく山がいづらいのではという話に,「私は家にいづらい」という感想を出した人もいました.
10:10に出発して,オタマジャクシ池のすぐ山側の畑の跡地へ行き,3匹のカナヘビを逃がしました.容器から出して子供たちの掌に載せようとしましたが,全く平気な女の子もいましたが,嫌がる子供もいました.掌に載せてもなかなか逃げませんでした.草地に降りたカナヘビを小さな女の子が誤って踏んでしまいましたが,カナヘビは無事でした.

ボケとミツバアケビとカリンの実 カナヘビ

ゴボウ(牛蒡,キク科)の種とコセンダングサ(小栴檀草,キク科)の種を採取しました.外来種のアメリカセンダングサ(亜米利加栴檀草,キク科)との違いを説明した参加者がいました.ホトケノザ(仏座,シソ科)が季節外れの紫色の花を咲かせていました.女の子がほしがったので写真を撮った後で摘ませました.

ゴボウの実 コセンダングサの実 ホトケノザ

ヒサカキ(姫榊,ツバキ科)の実とコナラ(木楢,ブナ科)のドングリもここで木から採取しました.ノイバラ(野茨,バラ科)に赤い実が高い所についていて,ほしがった女性の参加者に頼まれて,私が枝を折ってとりました.枝はしなやかで折れにくく棘が指に刺さって痛い思いをしました.コナラのドングリは食べられると言われて,男の子が食べて,渋くてひどい味だと言いました.重曹で煮てアクをとらないと食べられないようです.

【外部リンク】どんぐりの食べ方(ちいさな森のどんぐり屋さん)

ヒサカキ コナラのドングリ ノイバラの実

大坂池の土手のタラヨウ(多羅葉,モチノキ科)の赤い実を観察してから採取しました.スモモ池にはコガモ(小鴨,カモ科)が7羽来ていました.
炭焼広場のサツマイモ畑へ行き,芋堀りをしたあとに積み上げてあった葉と茎を観察しました.花も1つだけありました.茎の皮をむいて髄を食べて,十分おいしくサラダによいという人がいました.さっそく切りそろえて持ち帰った参加者が2〜3名いました.サツマイモ聴診器を作って子供達と遊んだ人もいました.

タラヨウの実 サツマイモの花 サツマイモ聴診器

東山森造りの会の人が枯葉でたい肥を作っているところからカブトムシ(甲虫,コガネムシ科)の幼虫を取ってきて,子供たちに見せてくれました.5cm大の大きなものと,2cm大の小さな幼虫が混ざっていました.
畑の上の草地では,実のついたシソ(紫蘇,シソ科)を干していて,種を落として,来年はそこで実生させようとしていました.シソの実をそこで採取して,ビニール袋に入れました.近くで背の低いフユノハナワラビ(冬の花蕨,ハナヤスリ)とコミカンソウ(小蜜柑草,トウダイグサ科)をいくつか観察しました.

カブトムシの幼虫 シソ フユノハナワラビ

11:00になり,雨が降り始めてどうしようかと迷っていると,子供達は皆カッパを持っていて着始めたので,安心してナンキンハゼ(南京黄櫨,トウダイグサ科)の種を取りに行きました.大半がまだ青い実しかついていませんでしたが,落ちていた枝に,実がはじけて白い種をつけているのを見つけました.
雨の中を急いで里山の家に戻りました.里山の家の中で,最初に観察した植物などのリストを皆で確認した後,収集してきた種などを長机の上に並べて観察会を続行しました.
まず,稲のもみを一粒ずつ皆がとって,もみ殻をはがして胚芽がどちら側についているかを確認しました.小さいので取り落としてしまう人達もいました.胚芽はノギ(芒)と逆の所についていることが確認されました.
次にコセンダングサの種を観察して,ノギには下向きの毛がついていて,種には上向きの毛がついていて,くっつき虫になりやすいことが分かりました.

ナンキンハゼ

次に緑色の20cm背丈のアカザ(藜,アカザ科)の仲間を観察しました.その後,メヒシバ(雌日芝,イネ科),ヌルデ(白膠木,ウルシ科),ネズミノオ(鼠の尾,イネ科),カタバミ(酢漿草,カタバミ科),ナンキンハゼ,ヤマウルシ(山漆,ウルシ科),ゴボウの実を観察しました.
シソの実を分解して中の種の数を数えました.茶色の実には,2つの種でしたが,青い実を割ってみると4つの種があることが分かりました.

アカザ? ヌルデの実 ヤマウルシの実

次に,コナラ,アベマキ(阿部槇,ブナ科),サルトリイバラ(猿捕茨,ユリ科またはサルトリイバラ科),タラヨウの実を観察しました.ノイバラの実を割って種の数が10〜11個であることを確認しました.
カキノキ(柿木,カキノキ科)の実の差し入れがあったので,半分に切って,種も割って,胚芽が上向きについていることを確認しました.
ヤブヘビイチゴ(藪蛇苺,バラ科),シャシャンボ(小小坊,ツツジ科),イヌホオズキ(犬酸漿,ナス科)およびクウシンサイ(空心菜,ヒルガオ科)を最後に観察しました.

カキ イヌホオズキ クウシンサイの実

差し入れのカキカリンを皆で山分けして12:20に終了しました.今回は,感想会はしませんでした.快適な秋の観察会になりました.
帰り道で寄った新池では,アオサギ1羽,コガモ4羽,ヒドリガモ(緋鳥鴨,カモ科)6羽が来ていました.

カリンの実

観察項目: 観察項目: スズメガの蛹,リクガイ,アキノキリンソウ,カリンの実,ボケの実,ミツバアケビの実,カナヘビ,クウシンサイ,ナガサキアゲハの飼育写真,マツカサ,ハクセキレイ,サツマイモの葉と茎,コガモ,コミカンソウ,フユノハナワラビ,カブトムシの幼虫,コメ,コセンダングサの実,ホトケノザ,アカザ?,イヌタデ,メヒシバ,ヤマノイモ,ヌルデの実,ネズミノオ,カタバミの実,ナンキンハゼの実,ヤマウルシの実,ゴボウの実,シソの実,コナラのドングリ,アベマキのドングリ,サルトリイバラ,タラヨウの実,ノイバラの実,カキ,ヤブヘビイチゴ,シャシャンボ,イヌホオズキ
文・写真:伊藤義人 監修:滝川正子

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2013-1-19 216

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