快晴で風もほとんどなく,初春の心地よい日でした.新池では,オオバン(大鷭,クイナ科)2羽,カイツブリ(鳰,カイツブ
リ科)2羽,ヒドリガモ(緋鳥鴨,カモ科)32羽とコガモ(小鴨,カモ科)が6羽いました.新池西側の土手の2本のセンダン(栴檀,センダン科)の内,1
本は実がなくなっていましたが,もう1本にはかなりの実が残っていました.両方の木の下の地面にはたくさんの皺のある実が落ちていました.新池北側の公園
で2本並んでいるセンダンも同様で,片方にしか実は残っていませんでした.新池と東星ふれあい広場の間の以前の集合場所は緑化の植栽が完了していました.
アジサイ(紫陽花,アジサイ科)をたくさん植えたようでした.東星ふれあい広場では,硬式の少年野球チームの数十人が本格的な練習を先月と同様にしていま
した.スポーツは,まずルールを守ることから教えるべきなのに,禁止されている場所で本格的な練習をやらせているコーチは何を考えているのでしょうか.バ
スや地下鉄で大きな荷物を床に置いて,席を占有する行儀の悪い高校野球選手をよく見ますが,こんなところから始まっているのかもしれません.早咲きのサクラ(桜,バラ科)が1本花を咲かせていま
した.
大坂池周辺の白梅と紅梅の花が盛りで,周辺にモズ(百舌鳥,モズ科)が1羽いました.数羽のヒヨドリ(鵯,ヒヨドリ科)が カエル池横の樹木の新芽を盛んに食べていました.
最初に,殻付きアーモンド(Almond,バラ科)の実を持ってきた人がいて,参加者に配りました.アーモンドはバラ科サ
クラ属で,桃,杏,梅に近い木という説明があり,モモの実もアーモンドのように中身が食べられるかという質問がでました.残念ながら苦いという回答でし
た.沖縄でもアーモンドは栽培しているそうですが,今回のものは多分マレーシア産かインドネシア産だそうです.このとき,アオサギ(青鷺,サギ科)が1羽
上空通過して行きました.
カンアオイの葉と花は先月数えられませんでしが,2月21日にカウントした結果が紙に印刷されて配られました.
カエル池の近くで,ネザサ(根笹,イネ科)の茎を110本刈り取りました.ニホンアカガエル(日本赤蛙,アカガエル科)の卵塊の近くに,この笹を立てて,数を数える ためでした.オタマジャクシ池のアカガエルの卵塊は10個でした.直ぐ北側の畑跡地では,一面のオオイヌノフグリ(大犬の陰嚢,ゴマノハグサ 科)が青い花を満開にしていました.小さなツクシ(土 筆,トクサ科)も数個見つけました.直ぐ横の先月も観察したイヌコリヤナギの葉の新芽を見て,互生であることを確認しました.
新池土手の枯れかけたモ モ(桃,バラ科)の木を観察しました.新枝が根元近くから出てきたのは,下草を刈って根元が腐らないようにしたからだそうで す.モモの根元から少し離れた所にヨモギ(蓬, キク科)が群生していました.関連して,セントレア近くの常滑の大蔵餅(店名兼菓子名)のよもぎ餅が話題になりました.かき氷を冬にも出すそうです.大蔵 餅と一緒に食べるようです.
畑跡地には,赤っぽくなっているアメリカフウロ(亜米利加風露,フウロソウ科)とオランダミミナグサ(和蘭耳菜草,ナデシ
コ科)がたくさんありました.色の濃い紅梅と白梅が満開になっていました.
戻って別の畑跡地で,カ ナムグラ(金葎,クワ科(最近はアサ科))を観察しました.大きくなったときとは形が違っていました.種の殻を尖端につけたも のも見つけました.周辺には,小さな花を咲かせたヒメオ ドリコソウ(姫踊り子草,シソ科)も一面にありました.ここで,フユシャクガ(冬尺蛾,シャクガ科)のメスのようなものを見つ けた人がいました.写真を撮って,後で何かを確認することになりました.フユシャクガではないという人もいました.結局,名古屋昆虫同好会の人によってクロオビフユナミシャク(黒帯冬並尺蛾,シャ クガ科)と同定されました.周辺のニンジン(人参,セリ科)のような葉をもったオヤブジラミ?(雄藪虱,セリ科)が一面にありました.葉の段階では区別で きないので,ヤブジラミ(藪虱,セリ科)ではないかという人もいました.枯れたク ズ(葛,マメ科)のエンドウ豆のような実を見つけました.蔓にある葉痕の形で,クズであることを確認しました.
斜面を水平に少し藪こぎして,芝生広場の堆肥造りの場所で,カブトムシ(甲虫,コガネムシ科)の幼虫を堀
り出しました.7個の幼虫が見つかりました.土に潜ろうとした4cm大の大きなカブトムシの幼虫もいました.周辺で,ウグイス(鶯,ウグイス科)のさえず
りが聞こえてきました.
大坂池の土手のムラサキ
シキブ(紫式部,クマツヅラ科)を観察しました.前にこの木はコムラサキシキブ(小紫式部,クマツヅラ科)ではないかという人
がい
たそうですが,芽鱗のない頂芽(茎の尖端につく芽)があったのでムラサキシキブでした.コムラサキシキブは,頂芽がなく,芽鱗に囲まれている側芽があるだ
けという図鑑の記述が読み上げられました.水辺に近いところのマ
ルバヤナギ(円葉柳,ヤナギ科,別名:アカメヤナギ)も観察しました.
感想会は,里山の家の中で行いました.自家製のおいしいお菓子が回ってきました.抱っこされて参加した赤ちゃんは,先月と おなじように大変ご機嫌でハイハイをしていました.チョウセンカマキリ(朝鮮蟷螂,カマキリ科)とハラビロカマキリ(腹広蟷螂,カマキリ科)の卵嚢が回覧 されました.花粉症が始まりましたが,まだたいしたことはなく,啓蟄の大変気持ちの良い初春の観察会になりました. 観察項目: ニホンミツバチの蜜蝋,殻付アーモンド,ネザサ,ニホンアカガエルの84個の卵塊,オオイヌノフグリ,ヒメオドリコソウ,ホトケノザ,ツクシ,カナムグ ラ,イヌコリヤナギ,アメリカフウロ,オランダミミナグサ,シマヘビ,ガガイモの種,白梅,紅梅,サルトリイバラ,ヤママユ,オヤブジラミ?,クロオビフ ユナミシャク,ノシラン,キチョウ,ナナホシテントウ,カブトムシの幼虫,ウグイスのさえずり,アップルミント,ムラサキシキブ,マルバヤナギ,チョウセ ンカマキリの卵嚢,ハラビロカマキリの卵嚢 文・写真:伊藤義人 監修:滝川正子 |
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2014年3月度の印刷用観察記録
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