朝からずっと雨で,観察会終了時にやっとやみました.スイレン(睡蓮,スイレン科)の無くなった新池の水面には,雨粒が落 ちていましたが,水面にオオバン(大鷭,クイナ科)が1羽いて,潜って餌を採っていました.20羽のコガモ(小鴨,カモ科)は,ピーピー鳴きなが ら,樹木が張り出した北岸近くの水面でかたまっていました.ツグミ(鶫,ツグミ科)とジョウビタキ(常鶲,ヒタキ科)の雄が土手の樹木にいました.東星ふ れあい広場には,誰もいなくて,10数羽の雀だけが何かをついばんでいました.参加者は, 大人16名と子供1名でした.
雨なので,里山の家の中で集合しました.観察会が始まる前に,参加者の1人が持ってきたスズメガ(雀蛾,スズメガ科)とヤガ(夜蛾,ヤガ科)の大きさの違う蛹(さな
ぎ)を観察しました.
里山の家に展示してあるたくさんの樹木の冬芽の写真を皆で見ました.先月観察した,クサギ(臭木,クマツヅラ科)の冬芽は
ウサギ(兎,ウサギ科)の顔に見えるという意見がでました.三大美芽のネジキ(捩木,ツツジ科)とザイフリボク(采振り木,バラ科)の冬芽はありました
が,コクサギ(小臭木,ミカン科)の冬芽の写真はありませんでした.ガマズミ(莢迷,スイカズラ科)とミヤマガマズミ(深山莢迷,スイカズラ科)の冬芽の
違いは毛のあるなしという説明がありました.リョウブ(令法,リョウブ科)の冬芽にはナポレオンハットのようなものが付いていました.アベマキ(阿部槇,
ブナ科)などの芽鱗のついた冬芽の状況などから,どのような環境から来たのか分かるという説明もありました.
2月の観察会は,過去10年以上ずっと晴れで,藪こぎをしてカンアオイ(寒葵,ウマノスズクサ科)の葉と花の数を数えるの
を恒例としていましたが,今回は雨で,藪こぎとカンアオイのカウントはあきらめて,出発しました.最初に,大坂池の土手に入り,4年前に植えた樹木を観察
しました.まず,棘のついたズミ(桷,バラ科)を観察して,公園にあってはいけない樹木とされているとの説明がありました.
イボタノキ(疣 取木,モクセイ科)の木の先端に瑠璃色の実が少しついていました.冬芽を見てムラサキシキブ(紫式部,クマツズラ科)かコムラサキシクブ(小紫式部,クマ ツズラ科)のどちらかという質問が出ました.頂芽があったのでムラサキシキブでした.白いカイガラムシ(貝 殻虫,カイガラムシ科)も見つけました.ムラサキシキブの木にスイカズラ(忍冬,スイカズラ科)が巻き付いていました.紫色に変色した葉もついていまし た.中身の入っていないミノムシ(蓑 虫,ミノガ科)の蓑も見つけました.大豆の原種のツルマメ(蔓豆,マメ科)が巻き付いて,鞘状の実がついていました. イヌコリヤナギ(犬行李柳,ヤナギ科)の冬芽は,毛と水滴がついて大変きれいでした.
土手を出て,小径横のイヌツゲ(犬黄楊,モチノキ科)を観察しました.水を好む樹木で,この樹木が生えている近くの土地は
買ってはいけないという説明がありました.
このとき,10数羽のエナガ(柄長,エナガ科)の群れが少し離れた樹木に来ました.雨が降っていましたが,盛んに鳴きなが
ら餌を探しているようでした.
竹を半割にして束ねて作った橋の竹が1本割れていたので取り除いてひっくり返しました.半割の竹にコカマキリ(小蟷螂,カマキリ科)の卵嚢とカタツムリ(蝸牛,オナジマイマイ 科)がついていました.黒い蜘蛛もいましたが直ぐに逃げてしまいました.竹を取り去った土の上にナメクジ(蛞蝓,ナメクジ科)が2匹いまし た.折角眠っていたのにと,それらに恨まれているのではと言う参加者がいました.
カキノキ(柿の木,カキノキ科)にウ スバフユシャク(薄翅冬尺蛾,シャク科)の雄が停まっていました.他にももっといそうでした.地衣類をたくさん付けたヤマハゼ (山櫨,ウルシ科)の木に,地衣類を 食べるクロハナコヤガ(黒鼻 小夜蛾,ヤガ科)の幼虫を見 つけた人がいました.長さが2cmくらいで1mm程度の細長い幼虫で,よく見つけたものだと皆が感心していました.見つけた人は,成虫の写真も持ってお り,この種の蛾が趣味のようでした.
雨が小雨になり,周辺は鳥の鳴き声が大きくなりました.オタマジャクシ池にアカガエル(赤蛙,アカガエル科)の卵塊が1つありました.今年は,いつもより
少し早いようです.それにしても蟇蛙を見なくなって数年たちますが,今年は復活してほしいものです.
雨の中の寒い観察会になりましたが,種々の成果が上がった会になりました. |
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2015年2月度の観察記録
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