早朝は曇っていましたが,地下鉄東山駅を出たときは,雲1つない晴天でした.ダウンジャケットの下のセーターを脱いで歩き ましたが,それでも少し汗をかきました.歩道端には,オッ タチカタバミ(おっ立ち片喰,カタバミ科)が黄色い花をたくさん咲かせていました.平和公園入口の黄緑っぽくなったユキヤナギ (雪柳,バラ科)は,まだ小さな白い花を点々と咲かせているだけでした.ソ メイヨシノ(染井吉野,バラ科)の 花芽は,ふくらんでいましたがまだ堅い様子でした.土手のセンダン(栴檀,センダン科)は,少しだけ実 の残っている木もありました.広々とした新池の水面にはオオバン(大鷭,クイナ科)が1羽だけ,たまにもぐりながら我が物顔で遊弋していました.北側の岸 部にはアオサギ(青鷺,サギ科)1羽とコガモ(小鴨,カモ科)4羽がいました.張り出した樹木の先端で,雌のカワセミ(翡翠,カワセミ科)が1羽じっ ととまっていました.東星ふれあい広場では,ムクドリ(椋鳥,ムクドリ科)8羽とスズメ(雀,スズメ科)22羽が,芝生の上でしきりに何かをついばんでい ました.
里山の家の近くの紅白の ハナウメ(花梅,バラ科)は満開でした.オタマジャクシ池の水中には,アカガエル(赤蛙,アカガエル科)のオタマジャクシが少 しだけいました.周辺には,小さな青い花をつけたオオイ ヌノフグリ(大犬の陰嚢,ゴマノハグサ科)が一面にありました.参加者は大人19名と学齢に達しない子供3名でした.おばあ ちゃんと来ていた女の子は大変元気のある子で,何にでも興味を示しました.
縁台の周辺はぬかるんでいましたが,かまわずその周辺で先月の報告を見ました.写真のフキノトウ(蕗の薹,キク科)は,
すっかり取られてしまって,平和公園には無くなったという報告がありました.繁殖期の雄のスズメは優しく鳴くという話しも出ました.
出発して直ぐに,地面にイ シクラゲ(石水母,ネンジュモ科)が多くあるのを見つけました.食べられる陸棲藍藻ですが,名前をすぐ言える参加者はいません でした.オタマジャクシ池周辺の水路で,フユシャク(冬 尺,シャクガ科)の雄が水面に浮いているのを見つけて,木の先に付けて写真を撮りました.
水田西側の湿地のガマ(蒲,ガマ科)の穂から白い綿毛が出ていました.畦には長く伸びたツクシ(土筆,トクサ科)も多くありました.
湿地の水中には,水温が低いのか,わずかに動く小さな細長い黒いア
カガエルのオタマジャクシと比較的大きな灰色のウシガエル(牛蛙,アカガエル科)のオタマジャクシもいました.金属製の2つの
バットに卵塊をすくい取りました.カエルの発生過程の写真付きの資料が配られました.1つの卵塊は,孵化していて卵塊の中で小さな黒いアカガエルのオタマ
ジャクシが沢山いました.もう1つのバットの2つの卵塊の卵には,原腸胚後期で白い点が見えました.片方の卵塊は,ひょっとするとウシガエルかもという人
がいて,確認のために育てることになりました.
芝生広場入口の看板の裏にフユシャクの雌を見つけた参加者がいました.芝生広場奥で,テングチョウ(天狗蝶,タテハチョウ科)を4 頭見つけました.2頭を網で捕獲して,観察瓶に入れて観察しました.名前の由来が話題になり,頭が尖っているので天狗に見立てたという説明が中学生の男の 子からありました.芝生広場奥の林の中には,シジュウカラ(四十雀,シジュウカラ科),ハクセキレイ(白鶺鴒,セキレイ科),ヒヨドリ(鵯,ヒヨドリ 科),コゲラ(小啄木鳥,キツツキ科)が鳴いていました.何故,ここにヤマナラシ(山鳴らし,ヤナギ科)が沢山あるのかという疑問が出ました.
キクラゲ(木耳,キクラゲ科)がゼリー状になって木の枝についているのを見つけました.手に取った人もいました.写真は,
前の枝に焦点が当たって,キクラゲがピンぼけになってしまいました.
直ぐ横の木の根元に供えた2つの小さな花束がありました.男の子が,何が埋められているか掘ってみようと言いましたが,皆
で止めました.
ここで,キタテハ(黄
立羽,タテハチョウ科)を網で捕まえました.観察瓶に入れて写真をとりました.モグラ(土龍,モグラ科)塚も1つ見つけました.公園の樹木に紐を張って綱
渡りの練習をしている人がいました.
猫ヶ洞池入口で,ヒサカ キ(姫榊,ツバキ科)が白い小さな花を咲かせているのを見つけて,臭いをかぎました.千葉で豚骨ラーメンの臭いがするというこ とで話題になった話しがでました.臭いをかいでプロパンガスの臭いだという感想が出ました.池のフェンス近くで,ムカデ(百足,ムカデ科)のはやにえを見つけました.枝に尖った部分は ないので,どのように付いているか見たところ,枝にムカデが捩られるようにして付いていました.モズ(百舌鳥,モズ科)はこんな器用なこともするのかとい う感想がでました.
猫ヶ洞池の北側の流入路の橋の上からアズマヒキガエル(東 蟇,ヒキガエル科)の紐状の卵塊を 見ました.網の柄で引き寄せようとしましたが,水深が深い所にありうまくいきませんでした.直ぐ横の浅い所で,もう1つの紐状の卵塊を見つけて,バットに 移して観察しました.6年前には,どこにでもいて,1つの卵塊に最大1500個の卵があることを確認したこともあったという話しがでました.アズマヒキガ エルの寿命は8〜9年で4年目から産卵するという説明がありました.近くの土手に,在来のタンポポ(蒲公英,タンポポ科)の花が咲いていました.
12時を過ぎてしまい.急いで里山の家に戻って感想会をしました.沢山歩きましたが,春の息吹を感じてよかったという感想
が出ました.甘夏の皮を細長く切りチョコレートをコーティングしたオレンジピールが供されました.チョコレートは甘くなく柑橘の味と絶妙でした.春を感じ
たさわやかな観察会になりました. |
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2015年3月度の観察記録
2015年3月度の観察記録です
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