このサイト内の検索   
SmartSection is developed by The SmartFactory (http://www.smartfactory.ca), a division of INBOX Solutions (http://inboxinternational.com)
2016年 > 2月度の観察記録
2月度の観察記録
2016年2月度の観察記録です

Untitled Page

前日の天気予報では大荒れということでした.朝自宅を出たときは曇りで,地下鉄の東山公園駅から出ると土砂降りでした.早速,ビニル合羽を着て,さらに傘を差してカメラが濡れないようにしました.ところが,里山の家で集合して観察会を開始すると雨はやみ,青空まで見えてきて日差しも出てきました.気温は相当高く,ビニル合羽を着たままでは暑苦しくなったので脱ぎました.関東や北陸では,気温が20℃を越えて,春一番が吹き,全国的に暖かい日になりました.新池土手の2本の大木のセンダン(栴檀,センダン科)には,直ぐ横の電線にとまっていたのも入れると,それぞれ65羽と40羽のムクドリ(椋鳥,ムクドリ科)と数羽のヒヨドリ(鵯,ヒヨドリ科)が来ていて,雨の中でも騒がしく鳴いて,実を飲み込んでいました.新池には,カワウ(川鵜,ウ科)1羽,オオバン(大鷭,クイナ科)3羽,カイツブリ(鳰,カイツブリ科)2羽(1羽は土手にあがっていた),マガモ(真鴨,カモ科)1羽,ヒドリガモ(緋鳥鴨,カモ科),そしてコガモ(小鴨,カモ科)が樹木下に隠れて数羽ずつ来ていました.いつものお気に入りの水際の木立の枝で,カワセミ(翡翠,カワセミ科)が1羽何かを狙ってじっとしていました.風邪や試験などで常連の男の子達は欠席で,参加者は遅刻した人も含めて大人13名だけでした.

ムクドリとヒヨドリ

里山の家の中で,まず,先月の観察記録を見ながら,先月の虫中心の観察会について虫好きの女性から詳しい説明がありました.知多半島の河和の野焼跡から見つけたオオカマキリ(大蟷螂,カマキリ科)とハバヒロカマキリ(幅広蟷螂,カマキリ科)の卵鞘を持って来た参加者がいて,皆で観察しました.表面が黒くなっており,今後,孵化するか確認するそうです.もし,生まれたら元の場所に戻す予定だそうです.
出発前に,昨年の観察記録をまとめた12冊目の本の紹介がありました.今回は,カエルの卵を観察することを最終目標にして,いつもより早い時間に里山の家を出発しました.
まず,大坂池南に植えられた2本の紅梅と1本の白梅を観察しました.7〜8分咲きで,ほのかな香りがありました.香りのする花は,虫媒花か鳥媒花であると言う参加者がいました.花は,どこから咲くかという質問に,1年目の徒長枝には花は付きにくく,2年目の枝に花が咲くという説明がありました.

野焼跡のカマキリの卵鞘 紅梅 白梅

80歳を越える初めての女性参加者がいましたが,大坂池南の登り斜面の藪こぎをしました.その参加者は,下で待っていると言われましたが,登ってそのまま進むので,無理を言って藪こぎをしてもらいました.この場所は,「東山森づくりの会」の人達によって,通風や採光をよくして,多様性のある林を作るため下草刈りや間伐をしてありました.里山は,人間の手が入ってはじめて良くなるということでした.

【外部リンク】里山保全活動マニュアル(あいちの環境)

登り始めて,直ぐの斜面に青い実を鈴なりに付けたノシラン(熨斗蘭,ユリ科)とジャノヒゲ(蛇の鬚,ユリ科)が並んでいるのを見つけました.ノシランには4つの花茎がありました.1本は折れて実が付いたまま近くに落ちていました.10mm大の青い実の皮をむくと白い表面がぬるぬるした堅い球状の種が出て来ました.スーパーボールのように弾むそうです.ノシランにはどんな花が咲くのかという問がでました.真っ白い小さな花を穂状に付けるようです.周辺にたくさんあったジャノヒゲの青い実は,ノシランの実を小さくしたような感じで,皮をむくとノシランと同じような種でした.

【外部リンク】ノシラン(ほぼふつうの植物図鑑)

【外部リンク】ジャノヒゲ(ほぼふつうの植物図鑑)

ノシラン ノシランの実 ジャノヒゲ ジャノヒゲの実

直ぐ横のコナラ(木楢,ブナ科)の切株の年輪を数えました.約40年近いものでした.断面の約1/3は,ナラ枯れでスカスカになっていましたが,その他の断面には濃い茶色の模様がついていました.何かの病気の影響だろうということでした.並んでいた断面の小さいソヨゴ(冬青,モチノキ科)の切株にも虫がはったような細い線で描いた模様があり,その理由は不明でした.
幹が3本に分かれているコナラを見つけました.切り株から出た芽(蘖(ひこばえ)または萌芽(ぼうが))を育てて,薪を取る手法が昭和30年頃まではされていたようです.
コナラとソヨゴが絡まった木々があり,よく言われる縁結びの木もこのような状態であるという説明がありました.里山では,間伐と下草刈りをして8割くらいの空(採光)を確保して,多様性が確保できる林をつくることが大切だということでした.

コナラの切株 ソヨゴの切株 3本に分かれているコナラ

登りの藪こぎを終えて,アスファルト舗装道に出たときオオタカ(蒼鷹,タカ科)の鳴き声とコゲラ(小啄木鳥,キツツキ科)のドラミングが聞こえました.道上にトラツグミ(虎鶫,ツグミ科)が1羽いて,観察しようと近づいたとき,すぐ横の斜面の林の中に逃げてしまいました.後ろ姿だけの写真が撮れました.平和公園の探鳥会でも,トラツグミは年に1〜2回くらいしか観察できません.昨年は,オオタカに襲われ,残った羽だけを観察したこともありました.メジロ(目白,メジロ科)やヤマガラ(山雀,シジュウカラ科)も,盛んに鳴きながら樹木を移動していました.雨上がりでお腹がすいているようでした.

トラツグミ

大乗寺の石垣の前のクスノキ(樟,クスノキ科)の幼木に食痕があるのを見つけて,幼虫や蛹(さなぎ)を探しましたが見つかりませんでした.クスノキの葉にダニ室と呼ばれる葉脈の間にできる虫こぶがありました.

【外部リンク】恐怖のダニの巣窟!!(樹の散歩道)

星ヶ丘から坂を登り切ったところの家は,まだ,売却中の看板が出ていました.誰か観察会の人が買って,観察会の休憩所にでもしてという冗談がでました.購入して改装もすると7,000万円くらいかかりそうで,現実的ではないようです.

クスノキの虫こぶ

サルトリバラ(猿捕茨,ユリ科)の葉が枯れているのを見つけました.花芽をたくさんつけたアセビ(馬酔木,ツツジ科)も観察しました.実際に馬に食べさせたら酔うのかという質問がでました.葉を煎じて殺虫剤に使うことや鹿が食べないということで,有毒植物であることは確かなようです.酔うというよりは,毒が回って歩けなくなるといった方がよいかもしれません.近くのハギ(萩,マメ科)の新芽は堅いままでした.コバノミツバツツジ(小葉の三葉躑躅,ツツジ科)の新芽は,既に大きくなっていました.黄色い実のついたソヨゴ(冬青,モチノキ科)がその横にありました.ソヨゴの実は,鳥たちにあまり人気がないようです.
スイカズラ(吸葛,スイカズラ科,別名:金銀花または忍冬)の葉が丸まっているのを見つけました.別名の忍冬の名前の由来になった格好でした.コナラのドングリが石垣下にたくさん落ちていました.実生したものを探すと,尖った方から根が出ているドングリを1つだけ見つけた人がいました.ドングリは,落ちて1年目のみ,条件がそろえば根や芽を出すそうです.冷蔵庫へ入れておく,または水分を与えない条件では発芽しないという説明がありました.

アセビの花芽 ソヨゴの実 スイカズラの葉

食痕のあるヤツデ(八手,ウコギ科)の葉を観察して,裏面に非常に小さなヒメテントウ(姫天道,テントウムシ科)を見つけましたが,早く動くのでピントのあった写真は撮れませんでした.
大乗寺の崖上で,アベマキの葉についた5mm大の複数の虫こぶを観察しました.コナラの幼木の葉が,枯れたまま付いていました.水分が残っていて,うまく離層ができないようです.以前あった石仏は,台座だけを残して2つとも撤去されていました.
下りの藪こぎを開始してすぐに,食痕のあるタブノキ(椨,クスノキ科)を見つけました.アオスジアゲハ(青条揚羽,アゲハチョウ科)は,クスノキ(樟,クスノキ科)よりこちらの方が好みだという話しを聞きました.コクラン(黒蘭,ラン科)が1株だけ,藪こぎを終えた場所にありました.この種の蘭はよく盗採されますが,このコクランが無くなったら,今日の参加者が疑われるという人もいました.

ヤツデの食痕 アベマキの虫こぶ タブノキ コクラン

カエデ(楓,カエデ科)の幹にシロフフユエダシャク(白斑冬枝尺,シャクガ科)がとまっていました.幼虫越冬している蛾の幼虫も近くにいました.白い糸で覆われたクモの卵鞘やイラガ(刺蛾,イラガ科)の抜け殻もありました.早く動く20mm長くらいのヤスデ(馬陸,ヤスデ綱)も見つけました.ヤスデとムカデ(百足,ムカデ綱)およびゲジ(蚰蜒,ゲジ科)の違いが話題になりました.大きさや脚の形が違うようです.体節に2対ずつの脚がついているのがヤスデ(体長10mm〜25mm)でムカデ(体長60mm〜200mm)は1対です.ゲジは脚が長いという特徴があります.

【外部リンク】ムカデに似ている虫との見分け方(ムカデ駆除!)

先月と同じ場所に,常緑のツバキ(椿,ツバキ科)の葉の裏にウラギンシジミ(裏銀小灰,シジミチョウ科)の白い越冬成虫がいました.水田へ行き,先月観察した近くのベンチの下側にとまっているルリタテハ(瑠璃立羽蝶,タテハチョウ科)も確認しました.水田横の水たまりに,ニホンアカガエル(日本赤蛙,アカガエル科)の卵塊を3つ見つけて,長靴を履いた人が水に入って両手に卵塊を取って他の人に見せていました.産卵後2日後くらいだということでした.葦原の水中にも,4つの卵塊がありました.1つの卵塊には,400〜800個の卵があるということでした.直ぐ横の池には,カダヤシ(蚊絶やし,カダヤシ蚊)が水面に群れていて,ざっと100匹以上いるような状態でした.

ツバキの花 アカガエルの卵塊

大坂池北の土手のモモ(桃,バラ科)は新芽が大きくなっていました.オタマジャクシ池に4つのアカガエルの比較的小さな卵塊が沈んでいました.周辺にはオオイヌノフグリ(大犬陰嚢,オオバコ科)の小さな青い花がたくさん咲いていました.池底から,水田によくいる10mm大のサカマキガイ(逆巻貝,サカマキガイ科)を2つすくい上げた人がいました.

モモの花芽 サカマキガイ

里山の家の中の大机を2つくっつけて,皆が座って感想会をしました.いつも手作りのお菓子を作って来られる女性参加者から,夏みかんのピールの入ったおいしいチョコレートケーキが,バレンタインデイにちなんで配られました.参加者が少なかったので,私は3切れも食べました.初めて参加した人から,次も来たいという感想が出ました.雨上がりの暖かい,楽しい観察会になりました.

観察項目:野焼後のオオカマキリとハラビロカマキリの卵鞘,ノシラン,ジャノヒゲ,コナラとソヨゴの切り株,オオタカの鳴き声,コゲラのドラミング,トラツグミ,メジロ,クスノキ,ヤマガラ,シャガ,サルトリイバラ,アセビ,ソヨゴの実,スイカズラ,ハギ,コバノミツバツツジ,コナラのドングリ,ヤツデ,タブノキ,コクラン,コウヤボウキ,カラタチ,クモの卵鞘,イラガの抜け殻,シロフフユエダシャク,ヤスデ,アカガエルの卵塊,ルリタテハ,カダヤシ,クスノキのダニ室,オオイヌノフグリ

文・写真:伊藤義人 監修:瀧川正子

  この記事を PDF フォーマットで見る 記事を印刷する 記事をメールで送信

この記事の添付ファイル
ファイル名 掲載日 ヒット
ファイルをダウンロード 2月度の観察記録
2016年2月度の観察記録です
2016-2-26 80

ページ移動
良く読まれた記事 1月度の観察記録 3月度の観察記録 次の記事