雲の多い薄日の差す晴れでした.季節は初春の感じで,観察会が始まる前にセーターを脱ぐ程でした.平和公園口のユキヤナギ(雪柳,バラ科)が白い花を咲かせ始めていました.新池の水面にはスイレン(睡蓮,スイレン科)の茶色の葉が点々と出始めていました.北側の自由水面には,オオバン(大鷭,クイナ科)6羽とヒドリガモ(緋鳥鴨,カモ科)が5羽来ていて,張り出した樹木下には,コガモ(小鴨,カモ科)が4羽いました.
サクラ(桜,バラ科),センダン(栴檀,センダン科)およびムクゲ(木槿,アオイ科)の新芽はまだかたい様子でした.また,元集合場所のアジサイ(紫陽花,アジサイ科)の茶色の頂芽が光って見えました.東星ふれあい広場には,ツグミ(鶫,ツグミ科)が2羽,スズメ(雀,スズメ科)が12羽およびムクドリ(椋鳥,ムクドリ科)が2羽来ていました.参加者は,子供3名と大人28名でした.
里山の家の前で集合したとき,周辺でウグイス(鶯,ウグイス科)が「ケキョケキョ」と鳴いていました.最初に,先月の報告を皆で見ました.知多の野焼きから持って来たカマキリ(蟷螂,カマキリ科)の卵鞘は,まだ孵化していないという報告がありました.
ソバ(蕎麦,タデ科)畑で以前に採取した蛾の蛹(さなぎ)の1つから,寄生蜂が出て来たので,蛹を持ち帰った女性参加者が持って来られました.他の蛹はまだ孵化していないので,蛾の種類はわからないそうです.
女の子が春を見つけたということで,ツクシ(土筆,トクサ科)を1本縁台に置きました.台北の高校が専門家も訪れる蝶の博物館を持っており,その紹介がありました.その博物館が出しているカラフルな蝶の磁石の紹介もありました.日本人にとっては,それらはカラフル過ぎるように見えますが,台湾では現実にそのような蝶がいるそうです.次に,イリエワニ(入江鰐,クロダイル科)の卵の紹介がありました.鶏のゆで卵と並べて比較して,少し細長くて大きく,かつ殻が厚いという観察結果でした.男の子が孵化しなかった卵をのこぎりで半割して,中を観察しようとしましたが,途中で殻が割れて飛散してしまいました.残念ながら中は何も入っていませんでした.ワニ園に立ち入った鬱病患者が食いつかれなかったという話しもありました.最後に,昨年度の報告をまとめた本の紹介があり,昨年の3月の記述が少しだけ読み上げられまし
里山の家を出発するとき,アオサギ(青鷺,サギ科)が2羽大坂池に飛んで来ました.アオサギは通常単独で行動するので,番(つがい)ではという言う人がいました.また,ムクドリ8羽が里山の家の上空を通過しました.
蕎麦畑の北側のカクレミノ(隠れ蓑,ウコギ科)は,下側の2本の枝だけが枯れていました.タテジマカミキリ(縦縞天牛,カミキリムシ科)が枝の形成層を食べて,導管が機能しなくなって枯れたという説明でした.
蕎麦畑の周辺には,ミツバ(三葉,セリ科)やノビル(野蒜,ユリ科)が沢山ありました.4 つ葉や5 つ葉のクローバー(Clover,白詰草,マメ科)を見つけて,ヒメオドリコソウ(姫踊子草,シソ科)やツクシと一緒にして,小さな花束を造った少学4年生の女の子がいました.花の名前を問われて,直ぐにヒメオドリコソウの名前を教えてしまった男性参加者が叱られて,その代わりに,ヒメの意味とその他のヒメの付く植物であるヒメコバンソウ(姫小判草,イネ科),ヒメウズ(姫烏頭,キンポウゲ科),ヒメギク(姫菊,キク科)などの説明がありました.平和公園では見られない春の舞姫と言われるオドリコソウ(踊子草,シソ科)についても説明がありました.蕎麦畑で,女の子がクモを見つけて怖がりました.早速,透明瓶に入れて捕獲して観察しました.
さらに公園外周を北へ,平和公園のお墓の横のロウバイ(蝋梅,ロウバイ科)を見に行きましたが,完全に切られていました.切られた理由は不明でした.
その近くに,ニワトコ(庭常,レンブクソウ科)に巻き付いたスイカズラ(吸い葛,スイカズラ科)がありました.葉は先月見たスイカズラとは違って緑色でしたが,葉の形は同じように丸まっていました.猫ヶ洞池のフェンスの中のマサキ(正木,ニシキギ科)の葉の裏にミノウスバ(蓑薄翅蛾,マダラガ科)の幼虫の集団がいるのを見つけました.最初は卵かと思いましたが,ぎっしりと幼虫が集まってクモの子供のように「団居(まどい)」をしているようでした.写真を拡大するとその様子がよく分かりました.
猫ヶ洞池の北側の干上がった場所の水路でアズマヒキガエル(東蟇蛙,ヒキガエル科)の紐状の卵塊を1つ見つけて,透明容器に入れて観察しました.昨年も1つだけ卵塊を近くで見つけましたが,干上がってしまいましたので,今回は水が涸れない所へ放しました.最近のアズマヒキガエルの激減は,ウシガエル(牛蛙,アカガエル科)が持ち込んだウィルスが原因ではという話しがありました.卵は,白い点がまだ見えたので産卵してから2〜3日経過したものでした.アズマヒキガエルがいなくなったので,そのオタマジャクシを食べるヤマカガシ(山楝蛇,ナミヘビ科)もいなくなっているという,食物連鎖の話しが出ました.ジンチョウゲ(沈丁花,ジンチョウゲ科)の花の芽かき時に産卵するということでした.
観察項目:
カスミサンショウウオの卵塊,イリエワニの卵,蝶のマグネット,キセイバチ,ノビル,カクレミノ,4つ葉と5つ葉のクローバー,ツクシ,ヒメオドリコソウ,ヒメカンアオイ,ノビル,ミツバ,切られたロウバイ,ネコ,スイカズラ,ニワトコ,クロミノニシゴリ,アズマヒキガエルの卵塊,ミノウスバの幼虫,カンピザクラ |
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3月度の観察記録
2016年3月度の観察記録です
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