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2016年 > 10月度の観察記録
10月度の観察記録
2016年10月度の観察記録です

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家を出たときは雨が降っていましたが,9時頃には小ぶりとなり,観察会では傘をささなくてもよい天気でした.歩道に銀杏(ぎんなん)が落ちており,既に秋の風が吹いていました.まだ,水面がスイレン(睡蓮,スイレン科)で覆われた新池には,北西角に設置された亀(ミシシッピアカミミガメ)の捕獲機にアオサギ(青鷺,サギ科)が1羽とまっていました.周辺の樹木にいる野鳥は,ヒヨドリ(鵯,ヒヨドリ科)とムクドリ(椋鳥,ムクドリ科)だけでした.東星ふれあい広場には誰もいず,十数羽のスズメ(雀,スズメ科)と4匹のムクドリが何かをついばんでいました.広場横の歩道を歩いていると,木の葉のようにふわりと落ちてきたものがあり,よく見ると2匹のスズメバチ(雀蜂,スズメバチ科)でした.くちばしでお互いの口を拭いているような動作で,餌をやり取りしているようでした.参加者は,大人だけの12名でした.

銀杏 アオサギ 2匹のスズメバチ

9:30に里山の家の中で集合しました.2頭のルリタテハ(瑠璃立羽,タテハチョウ科)を枝につけて持ってきた人がいて最初に観察しました.翅を広げないと地味な蝶なので,少しだけ触って翅を広げさせて,青色のきれいな翅の模様の写真を撮りました.何度も触るうちに,1頭が飛んで天井の梁にとまりました.ナンキンハゼ(南京黄櫨,トウダイグサ科)の枝の二股の処に擬態しているナンキンキノカワガ(南京木皮蛾,コブガ科)の蛹(さなぎ)を観察しました.指さしてもらわなければ分からない程に樹皮に擬態していました.木の皮を削って繭にしているので,もう1つの黒い樹皮についた蛹は黒色でした.炭の上の繭は,炭は削れないので本来の蛹の色でした.

ルリタテハ ナンキンキノカワガの蛹

1cm大のタイワンカクマダニ(台湾角真壁蝨,マダニ科)とミナミアオカメムシ(南青亀虫,カメムシ科)の写真を見ました.籠に入れた外来種のムネアカハラビロカマキリ(胸赤腹広蟷螂,カマキリ科)がその中で卵を産んでおり,その卵鞘も観察しました.死んだムネアカハラビロカマキリも観察し,赤い胸を確認しました.定光寺で捕ってきたものでした.ムネアカハラビロカマキリは,豊田や足助に多いそうです.

ムネアカハラビロカマキリ

マユミ(真弓,ニシキギ科)の葉についた黒いカメムシ(亀虫,カメムシ科)のぬけ殻を持ってきた女性参加者がいました.穴があいており既にカメムシは出た後でした.シマヘビ(縞蛇,ナミヘビ科)の脱皮殻ヒバカリ(日計,ユウダ科)の骨格標本を観察しました.脱皮殻の表裏に関連して,どのように脱皮して出てくるかが話題になりました.生まれたときのことは誰も覚えていませんが,人間は胸に手をつけて生まれるということでした.あかちゃんは,左手に幸せを,右手に自分の寿命を持って生まれてくるということも言われます.手を開いて飛んでいった幸せを一生追い求めるというようなことも言われます.

カメムシのぬけ殻 シマヘビの脱皮殻 ヒバカリの骨格標本

次に,色や形がまさにウィンナーソーセージのようなツチアケビ(土通草,ラン科)の実が披露されました.誤って食べてしまう子供がいるのではという心配がでる程でした.香りのきついセンブリ(当薬,リンドウ科)も披露され,感想会でお茶にして飲むことにしました.
次に,5cm長のコウモリガ(蝙蝠蛾,コウモリガ科)の脱皮殻を見ました.アカメガシワ(赤芽柏,トウダイグサ科)に付いていたそうです.幼虫は肉食で,渓流釣りの餌になるので,釣り虫とも言うそうです.
ここまでで,1時間以上かかり10:40になってしまい,急いで出発しました.まず,里山の家のすぐ南の林で,二股の木の枝の根元についたハラビロカマキリ(腹広蟷螂,カマキリ科)の卵鞘を観察しました.すぐ横で,ジョロウグモ(女郎蜘蛛,ジョロウグモ科)が網をはっていました.その網には,1匹の大きな雌と3匹の小さな雄と1匹の点にしか見えない白いシロガネイソウロウグモ(白銀居候蜘蛛,ヒメグモ科)がいました.

アカメガシワの葉にとまっていたアオマツムシ(青松虫,コオロギ科)の緑色の雌を見つけました.近くで,茶色の模様を背中に付けた2匹の雄も見つけました.触覚が切れているものもあり,雌を奪い合うときに触覚を切ってしまうようです.雌の触角も一部切れており,どうしてかという疑問がでました.

ツチアケビの実 コウモリガの脱皮殻 雌のジョロウグモ 雌のアオマツムシ

林の奥の方の大きなコナラ(小楢,ブナ科)の幹に10匹くらいのコガタスズメバチ(小型雀蜂,スズメバチ科)とオオスズメバチ(大雀蜂,スズメバチ科)が来ているのを観察しました.樹液酒場と言われる場所で,種類が違うスズメバチも喧嘩をせずに樹液を吸っていました.カブトムシなどは,同種であっても樹液を奪い合うようにしますが,大きな違いがあります.コガタスズメバチとオオスズメバチの見分け方が話題になり,胸に点があるかないかで見分けるという説明がありました.

【外部リンク】名古屋市に生息するスズメバチ類(都市のスズメバチ)

キボシカミキリ(黄星髪切,カミキリムシ科)に樹皮を食べられたクワ(桑,クワ科)を観察しました.樹皮を食われた枝には葉がついていませんでした.クサギカメムシ(臭木亀虫,カメムシ科)を捕まえて写真をとりました.樹木の上の方の葉の裏に1頭の白いウラギンシジミ(裏銀小灰蝶,シジミチョウ科)がとまっていました.コナラのどんぐりと葉を詳しく観察しました.葉は幅が広く鋸歯があるのが特徴でした.

クサギカメムシ コナラのどんぐりと葉

ガガイモ(蘿摩,ガガイモ科)の葉に多くの食痕がありました.アサギマダラ(浅葱斑,タテハチョウ科)の若齢幼虫は,葉を円形にかじり,毒を含む樹液を出してから中の葉を食べるという説明がありました.その後は,この毒を取り入れて,アアギマダラの成蝶は鳥に食べられないように防護しているということでした.秋の気持ち良い風がこの時に吹いてきました.

カナムグラ(鉄葎,クワ科)の雌花と雄花を観察しました.すぐ横のマメガキ(豆柿,カキノキ科)にはたくさんの実がなっていましたが,黒くなったものも半数近くあり,実は柔らかく,それを食べた人は大変渋かったようでした.マメガキの木の下にノコンギク(野紺菊,キク科)とミゾソバ(溝蕎麦,タデ科)がそれぞれ1輪の花を咲かせていました.オオカマキリ(大蟷螂,カマキリ科)を葉の上で見つけて写真を撮りました.枯草色をしていましたが,腹の縁は緑色でした.

マメガキ ミゾソバ

ここで,クズ(葛,マメ科)の葉が上手に巻かれているのを見つけました.巻き方は,いろいろで,俵型のおむすびのように大きく巻いたものと,細い葉巻状に巻いたものがありました.葉を巻き戻して,中にハマキガ(葉巻蛾,ハマキガ科)の幼虫がいるのを確認しました.懐中電灯を使い,写真を撮りました.後で調べてみると,ムラサキカクモンハマキ(紫角紋葉巻,ハマキガ科)のようでした.葉を巻き戻したときに,点々と接着するための糸がついているのを観察しました.
カラスウリ(烏瓜,ウリ科)の橙色の実を数個見つけました.また,スズコナリヒラ(鈴小業平竹,イネ科)の竹が密集している根元で,50cmくらいの背丈のミズヒキ(水引,タデ科)を見つけました.花のように見える赤いものはガク(萼)ということでした.ミズヒキのすぐ下のスズコナリヒラの葉の上にいるハグロハバチ(翅黒葉蜂,ハバチ科)の幼虫も見つけました.

巻かれたクズの葉 ムラサキカクモンハマキ ミズヒキ ハグロハバチの幼虫

途中の小路の横で,黒いキノコを見つけました.アカヤマタケ(赤山茸,ヌメリガサ科)が,朽ちるとき黒くなりますが,まだ,生えてきたばかりのようで別種のようでした.
稲刈りの済んだ水田で2cm 大の数匹のヌマガエル(沼蛙,アカガエル科)を見つけました.3年前に,初めて鳴き声を聞き,今年大発生したそうです.誰かが持ち込んだようですが,ここまで増えると駆除は難しいということでした.ここの環境がヌマガエルに適していて,いなくなったニホンヒキガエル(日本蟇蛙,ヒキガエル科)の代わりになっており,駆除はあきらめてもよいのではという意見がありました.
収穫したタカヤマモチ(高山糯,イネ科)という品種の稲のはざ(稲架)かけは田んぼがぬかるんでいて稲架が倒れてしまうため,東山総合公園の管理事務所に別の場所で天日乾燥してもらっているそうです.昨年と違って穂の付き方はよく,餅つきは問題ないそうです.スズメのためにわずかに残したイネには,雨が多かったので穂発芽した籾が付いていました.発芽玄米で糖尿病を直した人がいるという話もでました.田んぼにはコナギ(小菜葱,ミズアオイ科)が多く残っていました.このコナギは食べられ,素揚げにするとおいしいそうです.

黒いキノコ ヌマガエル 穂発芽

里山の家に戻り,感想会をしました.いつもの女性参加者から,おいしいローゼルジャム(Roselle jam)のパウンドケーキが供されました.参加者が少なかったので2つずつ食べました.どうしてパウンドケーキ(Poundcake)というのか,WWW で調べて初めて知りました.ツチアケビを半割にして観察しました.図鑑で「毒ではないが,食用に適さない」ということでしたが,実をかなりかじった人がいました.味はないという感想でした.

切断したツチアケビの実

胃を丈夫にするということで,センブリを煎じたお茶も振る舞われました.においもきつく苦いという感想が多く出ましたが,胃がすっきりすると言う人もいて,大半の人が飲み干しました.お土産に水筒にいれて帰った参加もいました.苦い,酸っぱい,甘いを味わった秋の実りの観察会になりました.

観察項目:ルリタテハ,ナンキンキノカワガの蛹,マユミの葉に付いたカメムシのぬけ殻,ムネアカハラビロカマキリとその卵鞘,コウモリガの脱皮殻,ツチアケビの実,センブリ,ハラビロカマキリの卵鞘,雌雄のジョロウグモ,シロガネイソウロウグモ,カニグモ,雌雄のアオマツムシ,コガタスズメバチとオオスズメバチ,キボシカミキリが樹皮を食べたクワ,クサギカメムシ,コナラ,ガガイモ,カナムグラ,オオカマキリ,ノコンギク,ミゾソバ,ハマキガの幼虫,カラスウリの実,ハグロハバチの幼虫,ミズヒキ,ヌマガエル,イネの穂発芽,コナギ,ハンノキ

文・写真:伊藤義人 監修:瀧川正子

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10月度の観察記録です
2016-11-3 28

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