2019年 5月12日(日)9:30〜12:30 作成:田畑恭子 監修:瀧川正子 まだ5月だというのに陽ざしも気温も初夏のようでした。4月と同様多くの子どもが虫網やケースを持って集まりました。観察会がスタートして里山の家の外に出たとたん、参加者は広く分かれて歩き始めました。興味の対象は人それぞれですが、子どもたちには虫捕りが圧倒的な人気で、あちこちで捕った虫を見せ合っていました。
参加者の高校生が、里山の家近くの広場でコンクリートブロックをひっくり返してその下にいる生きものを捕らえていました。ヨツボシテントウダマシ、トビズムカデ、スナゴミムシダマシ、オカダンゴムシ、ゲジが出てきました。ムカデとハナムグリを同じ虫かごに入れておいたら、すぐにムカデがハナムグリを捕食してしまいました。
今回の観察会ではチョウやガの幼虫が数多く観察されました。カナムグラではキタテハの幼虫が葉を巻いて巣を作っていました。アヤモクメキリガとキシタバの幼虫はどちらも地面を歩いているところを子どもが捕らえました。ほかにもヒロバトガリエダシャクやクワゴマダラヒトリの幼虫などが次々と見つかり図鑑で名前を調べました。
ハムシの仲間も至る所で見つかりました。ヤナギにはヤナギハムシの前蛹や、羽化して間もない個体がついていました。その他交尾中のバラルリツツハムシ、光沢の美しいアカガネサルハムシ、胸(前胸背板)だけでなく脚も黄色いムナキルリハムシ、名前のわからないハムシも多数いました。
クモの仲間ではゴミグモが食べカスのごみに紛れてとまっている様子や、オニグモがササの上で円錐形の網を作りひっそりと休んでいる様子を見ました。湿地では樹上にできたクモのまどいを観察しました。じっとしている無数の子グモが、木に振動を与えると一斉にザワッと動くのが面白くて子どもが何度も木を叩いていました。他にワカバグモ、イオウイロハシリグモ、コモリグモなどがいました。
バラ科の植物は花びらが5枚でおしべの数が多いのが特徴だそうです。今回観察したバラ科の花はケカマツカ、ノイバラ、ズミで、それぞれその特徴がよく表れていました。どの花もちょうど満開の時期を迎え、いい香りがしていました。
植物に詳しい参加者からヒカゲノカズラが紹介されました。コケのようにも見えましたが、シダの仲間とのことです。平和公園ではあまり多くは見られないとのことでした。近くでゼンマイが大きく成長した姿も見られました。少し離れた道沿いのサルマメには若い実がついていました。サルトリイバラと似ていますが、トゲを調べるとサルトリイバラほど鋭くなく、その数も少ないようでした。
ヘビイチゴがあちこちで実っていましたが、「食べられるけどおいしくない」と言う人がいて、食べてみる参加者はいませんでした。先月観察したウスノキを見に行くと、緑色の若い実をいくつもつけていました。そこで植物に詳しい参加者がウスノキに姿がそっくりのスノキの小枝を近くから取って来ました。葉を咬んで比べてみると、スノキの方だけ酸っぱくウスノキには酸味はありませんでした。これがこの2種の識別ポイントとのことでした。明るくなった湿地ではカキツバタがきれいに咲いていました。
田んぼの近くのヒメジョオンの脇でハハコグサが花を咲かせていました。せせらぎでは参加者の子どもたちがザリガニ釣りに熱中していました。この日時折聞こえていたウグイスのさえずりは先月より上達しているようでした。
里山の家まで戻りましたが中は人で一杯だったので、作業棟の屋根の下で振り返りを行いました。
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5月度の観察記録
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