2019年 8月 11日(日)9:30〜12:45 作成:田畑恭子 監修:瀧川正子 朝から強い日差しが降り注ぎ、猛暑日となることが予想されました。暑さを避けるため、出発時の予定では急いで湿地へ移動して周辺の森の日陰を目指そうと話していました。しかし途中次々と見つかる虫たちの観察で何度も立ち止まり、なかなか湿地まで辿り着くことができませんでした。
里山の家の前の広場でイネ科の植物を観察しました。オヒシバとメヒシバはよく似ていますが、メヒシバはオヒシバに比べて穂が細いことで見分けられました。他にシマスズメノヒエ,タチスズメノヒエ,セイバンモロコシなどが穂をつけていました。セイバンモロコシは近年ススキと交代している印象があるとの意見が聞かれました。
続いて東山の森で今年初めて栽培しているアズキを見に行きました。マメ科の植物は害虫がつきやすいとの理由から、虫よけのネットがかけられていました。アズキの花は虫媒花なので、ネットをかけたら受粉しないのではという人もいましたが、実際にはネットの中にも虫が入っていて心配しなくてもよさそうでした。
クズの花が咲き始めていて鼻を近づけるといい匂いがしました。クズの花はウラギンシジミの食草で、花によく似た姿なので探してみましたが見つかりませんでした。参加者の一人がチョウトンボを捕まえて注目を浴びました。道沿いのヘクソカズラは花盛りでした。花の姿は可愛らしいのに名前があまりにもよくないという意見があり、子どもたちは匂いを嗅いで「くさい」と言って困ったような顔をしていました。花をひとつ取って花びらを舐めて鼻の上にのせ、別名「ヤイトバナ」と紹介されました。そばで咲いているごく小さな花を見つけて観察すると花と実が同時についていました。トウダイグサの仲間とのことでした。
道沿いのミズヒキは花盛りで、ヤブガラシは花が終わり緑色の実がついついました。ヤブガラシの実の数が花に比べて少ないので「効率が悪い」「これくらいでなければヤブガラシだらけになってしまう」などと意見が分かれました。少し歩くと独特の香りが漂いクサギが近くにあることを知らせていました、見ると花がたくさん咲いており、昆虫が集まって来ていました。オオスカシバが飛んでいるのを見て、長い虫網を持った参加者が捕らえました。名前通りの透明な翅をケースに入れて観察しました。
もう少し行くと、地面にバラバラになった甲虫の残骸が目にとまりました。落ちていたツノからカブトムシであることがわかりました。探すと前翅が21枚見つかり、一体何があったのかを考えました。近くに樹液が出ているような場所があり、カラスがそこでカブトムシが採れることを覚えて度々訪れ捕食している餌場では、という意見が出ました。 湿地のせせらぎでは小型のアメンボ、シマアメンボが観察できました。この観察会では初登場の昆虫です。草むらでは子どもがジムカデの仲間を捕らえ、プラカップに入れました。ムカデは百足と書きますが、実際に脚が100本以上あるのはこの仲間だけとのことです。
湿地ではヨシの葉裏にチョウの蛹がぶら下がっているのが見つかりました。クロコノマチョウではないかということで、参加者が持ち帰って羽化を待ち確かめることになりました。道の両側でシロバナサクラタデの花がたくさん咲いていました。子どもがヌマガエルを捕らえましたがなぜかあまり動かず弱っているように見えました。
周辺のあちらこちらにカラスに食べられたザリガニの残骸が散らばっていました。せせらぎ沿いにはミントが群生していました。少し葉を揺らすと独特の香りが漂いました。ミントは茎を水にさしておけば根が出て庭に植えたらどんどん増えるという話が出ました。ヤナギの木の下にはセミが羽化のために地上に出たときにあけた無数の穴がありました。あたりを探すとクマゼミ、アブラゼミ、ニイニイゼミの抜け殻がいくらでも見つかり、並べて木にくっつけてみました。簡単に樹皮にくっつくのは幼虫の前脚の構造によるもののようです。最後にせせらぎの脇のジュズダマを観察しました。一時は刈られて数が減ったけれども、また徐々に増えてきているとのことでした。
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