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2021年 3月14日（日）9：30〜12：00 作成：田畑恭子 監修：瀧川正子
大坂池の北の広場ではアンズの花が満開でした。アンズにしては小さい実がなるとか、実を割ったときの種の身離れが悪いなどの話が出ましたが、品種の違いのせいではないかということになりました。続いてオタマジャクシ池を観察しました。2月にニホンアカガエルの卵塊を確認していましたが、初めは動くものがなくオタマジャクシはいないと言う参加者もいました。しかし子どもたちはすぐに次々と見つけて網ですくいました。注意深く探すと池の底のあちこちでじっとしている様子が見られました。池の近くでは地面を歩くナナホシテントウも見つかりました。そしてこのあともたくさんのナナホシテントウが見られましたが、ナミテントウは1匹も見かけませんでした。この日はナナホシテントウが活動するのに適した条件がそろっていたのかもしれません。
中道沿いのモチツツジやヤマツツジがつぼみをつけていました。モチツツジはまだ固いつぼみの状態でしたが、さわってみると少し粘り気がありました。「写真に撮って拡大してみると粘り気のもとが見えるはず」と言う参加者があり、写真を大きくしてみると、言われたとおり粘り気の正体である「腺毛」が写っていました。ヤマツツジの方は鮮やかに赤く色づいたつぼみがもう少しで咲きそうでした。
この日の日経新聞の朝刊にヤエムグラの葉をワッペンのように服につけた紹介記事があり、実際に試してみました。一人の子どもの洋服につけると「ぼくにもつけて！」と言う子どももいて、セーターに茎ごとそっと乗せるだけで簡単にくっつきました。くっつく仕組みはこれもまた写真の拡大でよくわかり、葉の表にも裏にも無数のトゲが見られました。ヤエムグラの葉は茎を取り囲むようについていて、その数を数えてみると6枚から8枚というばらつきがありました。
続いて自然観察会の代表が「検土杖」という聞き慣れない名前の道具を持ち出して、地中の調査をするものであると紹介しました。足元の地面に刺して、参加者が交代で土の中に差し込んでいきました。途中で手ごたえが変わりましたがそのまま力持ちの子どもが検土杖全体が地中に埋まるまで差し込みました。引き出すと地中奥深くの土が採取できるのですが、今回採取された土の様子は上下であまり変化がありませんでした。
そのあと畑まで移動して1月から確認されているタテジマカミキリを見に行きました。まだ前月と同じカクレミノに冬越し中の状態でしがみついており、活動を開始していないようでした。
畑の西側の雑木林の中でコバノミツバツツジの花を見つけました。咲いている花はまだほんの少しでしたが、つぼみがたくさんついていて、満開になるのが楽しみになりました。
つどいの丘のウメの木では、樹皮にタマカタカイガラムシの幼虫がびっしりとついていて、それをエサとするアカホシテントウの成虫も見られました。交尾中の個体もありました。
この日の平和公園は朝からヒサカキの花の匂いが漂っていました。ヒサカキは雌雄異株とされているが実際には1本の木に両性の花が咲いているものもあると紹介されました。そして湿地の近くで咲いていた雌花を観察しました。
水辺にはタネツケバナが花をつけていました。そのすぐそばにはミチタネツケバナも見つかり、両者の違いがよくわかりました。ミチタネツケバナは花が終わった後果実が真上に向かってへ伸びるので、容易に見分けることができます。在来種のタネツケバナに対してミチタネツケバナは外来種で、近年その数を増やしているそうです。その近くではハルジオンもつぼみがほころび始めていました。草丈は短くまだ10�僂曚匹任靴拭�
ツクシを見つけた子どもが次々と摘み始めました。ほかの子も集まってきてみんな夢中になり、中には持ってきた虫かごが一杯になるほど摘んでいる子もいました。親子での参加者の中には子どもがはかま取りをすることを条件に持ち帰ることにした人もいました。オオイヌノフグリも花盛りで、あたり一面に咲いていました。
水網を使ってカゲロウの仲間の幼虫を採っている子どもがいました。家で飼育しているトンボのヤゴのエサにすると話していました。ヤゴの中には生餌しか食べない種があるそうです。
去年の春は、平和公園で生まれたカエルの卵がずいぶん持ち去られたようでした。ニホンアカガエルの数の減少を心配する声があり、保護を呼びかける表示が施されていました。この春から大学生になる少年が作成したものとのことでした。そして水中から引き上げて観察したニホンアカガエルの卵は、発生が進んで孵化まであと少しのように見えました。ここでカエルに詳しい少年の話を聞きました。ニホンアカガエルは平地に生息するカエルで近年水田の宅地化などの影響を強く受けて数を減らしているそうです。もう少し標高が高いところに棲むヤマアカガエルとよく似ており、少なくとも成体ではほとんど見分けがつかないそうです。しかしオタマジャクシの識別は簡単で、そのポイントは背中の中ほどにある1対の黒点とのことでした。
緊急事態宣言が解除されてからも新型コロナウイルスの感染者数は下げ止まりの傾向が指摘され、愛知県でも連日数十人の感染が報告されていますが、その状況の捉え方には変化が見られるようです。久しぶりに大勢の参加者が集まりましたが随所で感染予防の意識が働き、参加者がそろって発見や感動を共有することの難しさを感じました。
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| ファイル名 | 掲載日 | ヒット | |
 3月度の観察記録
2021年3月度の観察記録(PDF)です
| 2021-3-27 | 427 | |
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