2021年 6月 13日(日)9:30〜11:20 作成:田畑恭子 監修:瀧川正子 新型コロナウイルスの感染状況はなかなか改善せず、今月も自然観察会を中止することとなりました。以下を2021年6月の記録として残します。 マサキの花の白さが目立ち、近づいて観察すると花は咲き始めたところでした。アカメガシワの花もちょうど開花の時期を迎えていて、マスク越しにもそのいい香りが確認できました。その奥のビワの木にはたくさん実がついていて、お店で見るものほど大粒ではありませんが、食べてみると甘さは十分でした。
スホウチクは新しい竹が周囲に出て広がっていました。クワの実を見ると、ここ数年の様子と同じく白く乾いた状況のものが多くできていましたが、菌に侵されないで無事に熟した実はほとんどが食べられてしまったあとでした。
5月の記録で少し触れましたが、今年の春大坂池の周辺でウチワゼニクサが新しく発見されました。北米原産の園芸種で、人の手によって持ち込まれた可能性が高いようです。地下茎を伸ばして増えるので繁殖力が強いと考えられ、生態系に及ぼす影響を見据えて注意深く対応していく必要があります。
大坂池の周辺ではキンミズヒキやネジバナ、ヘビイチゴなどを確認しました。
またハンノキの根本で樹皮にかじりついているゴマダラカミキリが発見されました。羽化してからそれほど長い期間が経過していないはずですが、よく見ると触角や脚の一部が失われていました。原因はほかのオスと戦って嚙み切られたか鳥に襲われたといったところでしょうか。
その周辺で見られる白い花は春先のハルジオンからヒメジョオンへと移り変わって、数え切れないほどの数が咲いていました。中道に戻ると道沿いの木にホタルガがとまっているのが見られました。昼行性のガで幼虫はヒサカキを食べます。
春にピンク色の花を咲かせて愉しませてくれるツツジの仲間ですが、この日は実をつけていました。コバノミツバツツジ、モチツツジ、ヤマツツジの実をそれぞれ確認することができました。
畑へ行くと黄色い花がたくさん咲いていて、一見何の野菜かわからずシュンギクの花と教えてもらいました。花は全体が黄色いものと花弁の外側が白いものとが見られましたが、咲いてから色が変わるのではなく、変異があるようで最初から2種類の色の花が咲くそうです。花は食べても苦みが強く食用には向かないとのことでした。ソシンロウバイの偽果も目につきました。先月より濃く色づいていました。
畑の周辺ではそのほかにドクダミの白い花やカタバミの黄色い花が見られました。
中道に戻ってネジキの実やシャシャンボの実を見ました。どちらも春に白くて可愛らしい花を観察しますが、実をつけているところはあまり目に入らないものです。
雨が降り出しそうな気配になっていました。ツツジの葉にはイセノナミマイマイがついていました。また道の脇のマツの幼木の葉の中に埋もれたセマダラコガネを見つけました。
クズの葉にたくさんの食痕が見られました。あたりを探すとコフキゾウムシが歩き回っていました。茎にしがみついたオジロアシナガゾウムシも見つかりました。
続いて田んぼに行くと田植えの済んだイネが美しく育っていました。今年の田植えは5月30日でした。田んぼの近くではシロツメクサの花にツバメシジミがやってきて吸蜜していました。シロツメクサはツバメシジミの幼虫の食草でもあります。
中道を進むとクマザサが群生しているところにさしかかり、葉を観察しました。今年出た若い葉はベージュの隈取りがなく明るい緑色をしていました。秋になると葉のふちが枯れてひと目でクマザサの葉とわかる模様になります。
コムラサキの花は咲き始めたところでした。葉は何かに食べられた跡がありましたが、あたりに虫の姿は見当たりませんでした。その先で若齢のスズメガの幼虫が見つかりました。その幼虫がついていた植物はその場ではヤマノイモであろうと思い込みましたが、あとでイモムシハンドブックで調べると幼虫はホシホウジャクの幼虫であり、そうであるとすればついていたのはヘクソカズラの葉だったことになります。
ところでこの日は歩き始めてから間もなく、大坂池を過ぎたあたりで、オオヨシキリが鳴いている声が聞こえてくるのに気づきました。「ギョウギョウシ」と聞きなされることが知られていますが実際には相当な早口でにぎやかに鳴き続けていました。スズメより一回り大きいくらいのサイズの鳥ですが、遠くまでよく通る大きな声です。中道を進むにつれてその声は近くなり、田んぼの隣のアシ原の中から聞こえていることがわかりました。すぐそばで鳴いているように思われましたが、残念ながら姿を確認することはできませんでした。
もう少し進んでウマノスズクサの様子を見に行きました。去年の6月の自然観察会では花が咲いているのを観察しましたが、この日は花は見つかりませんでした。帰り道ではズミの木にも緑の実がついているのを見ました。里山の家の横の作業棟で、今月のはじめに田んぼで発見されたクサガメが一時保護されていました。右の前足は失われていて小さい頃にカラスなどに取られたのではないかとのことでした。また甲羅の後部に穴が開けられていて、これは以前新池でマーキングした時のものということでした。そして甲羅にある年輪のような層の数から推定される年齢は15、6歳以上とのことでした。新池から田んぼまでこの足の不自由なクサガメが歩いてきたと考えると、カメにとってはかなりの道のりだったはずですが、何しろ無事でよかったと思わずにはいられません。
この日の天気予報は曇りのち雨でしたが、歩き始めた頃の空は明るく傘は要らないのではないかと思われました。しかし11時を過ぎると弱い雨が降り始め、11時15分頃には本降りとなってしまい、記録会は早めに切り上げました。今出ている3度目の緊急事態宣言は6月20日までの予定です。新型コロナウイルスの感染状況がこのまま終息に向かい、来月こそ通常の自然観察会が開かれるよう願っています。
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