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2022年 11月 13日（日）9：30〜11：15 作成：田畑恭子 監修：瀧川正子 前日からの天気予報は下り坂でしたが、朝は思いのほか晴れ間がのぞき、集合時間には初めての参加者も加わりました。しかし歩き始める頃には日差しはなくなり雲の厚みが徐々に増して1時間ほどで雨が降り出してしまいました。
11月の自然観察会の常連とも言うべき昆虫が今年も中道近くのマサキに集まっていました。ミノウスバは昼間に活動するガの仲間でマサキが食草です。この時期に雌雄が集まって交尾、産卵して卵で越冬します。マサキのすぐわきの草むらにはチカラシバが黒い穂をつけていました。大人の提案で子どもたちが下から上に穂をしごき取るように指を動かすと、種の部分が集まりました。マサキには上の方までカラスウリが伸びていて、赤い実をたくさんつけているのが見えましたが位置が高くて手が届きませんでした。
バッタの仲間のうち成虫越冬するものは少ない中、ツチイナゴは成虫で冬を越します。この日はツチイナゴ以外のバッタ類はほとんど見かけませんでした。飛んでいる昆虫も少なかったのですが、子どもがヒメアカネを捕らえました。腹部の赤みが濃く「きれい」と感心する参加者の声が聞かれました。ナナホシテントウが2頭、同じヨモギにとまっていました。ナナホシテントウも間もなく越冬準備に入ると思われます。
足元の草の地面から15�僂曚匹里箸海蹐�オオカマキリの卵嚢が見つかりました。昔からカマキリが高い位置に卵を産むとその冬は雪が深くなるという言い伝えがあるため、今年の冬は暖冬になるのかもしれないと言う参加者がいました。すぐ近くのムクゲの木にはムネアカハラビロカマキリの卵嚢がついていました。近年急速に数を増やしている外来種で、以前は見つけるたびにショックを受けていましたが、この数年の間にすっかり定着してしまったようです。同じムクゲの枝についていたのは、ヤガ科のオオアカキリバの幼虫でした。
カラスウリの実を解体した子どもが黒く熟した種を取り出して見せてくれました。変わった形の種で、子どもたちはカマキリの顔みたいと言っていました。大人の間では打ち出の小づちにも見立てますが、今の子どもたちの中には打ち出の小づちを知らない子もいるかもしれません。続いてヌルデの虫こぶを観察しました。虫こぶはヌルデミミフシと言って主はヌルデシロアブラムシで、中におびただしい数の成虫がひしめいていました。この時期に虫こぶから旅立ち、コケに移動して冬を過ごすそうです。この森でどのコケにつくのか探して歩いている人もいるとのことでした。
この季節に森を歩くといつの間にかズボンがひっつきむしだらけになったりするものですが、ひっつきむしがくっつく仕組みはさまざまです。キンミズヒキとオオオナモミを観察すると、どちらも実の周りの突起の先端がカギ状に曲がっていることがわかりました。以前の自然観察会でよく花や実を観察したクコは、いつの間にか草刈りの時に刈られてしまっていましたが、この日ひこばえが育っているのが見つかりました。でもこのままではまた刈られてしまうのは避けられないとみんな心配していました。
タラヨウは実が赤く熟していました。先月に続き、子どもが葉の裏に字を書いていました。小型のカマキリを見つけた子どもがいました。コカマキリと同定する決め手は前脚の内側の模様だと言われ、大学生の参加者が見やすいように広げて持ってくれたのでみんなで観察しました。脚の付け根に近い方から黒、白、ピンクの模様がついていました。
コカマキリを捕らえた子どもが、続いてトゲナナフシを見つけました。この森では少し珍しい昆虫です。樹皮に溶け込む体色をしていて、ゆっくりとした動きでした。中道を進むと、南側にはたくさんのキクイモが見られました。
つどいの丘についた頃に雨がポツポツと落ちてきました。つどいの丘ではエノキが黄葉しているのを見ました。黒くなった実もついていました。ムクノキにはエノキよりも一回り大きな実がついていました。こちらは食べられると聞き、多くの参加者が食べて「おいしい」と言っていました。
雨が本降りになってしまい、傘を持っていない参加者が多かったため観察会はここで切り上げることになりました。帰り道ではジュズダマとアキニレの実を早足で見ました。つどいの丘で観察したエノキとムクノキは以前はアキニレと同じニレ科とされていましたが、今はアサ科に分類されているそうです。アキニレは実の形状が上記の2種とは全く異なっていました。
途中で雨になっても傘さえあれば短縮しないのですが、今日は集合時にはいい天気だったために傘を携行している参加者が少なく、残念ながら引き返すことになりました。この自然観察会が11時前に終了となるのは大変異例なことでした。
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 11月度の観察記録
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