天気予報では,午前中は雨が残るということでしたが,朝から晴れて,緑薫る5月のすがすがしい観察会になりました.集合場所の公園では,ニセアカシア(別名ハリエンジュ,針槐,マメ科)が白い花を咲かせていました.2羽のカワラヒワが周辺でしきりに鳴いていました.新池では,カワウとカイツブリが,水面を覆ったスイレンから,頭を出したり潜ったりしたりしていました.ハクセキレイ,ツバメ,ムクドリなども飛んでいました.周辺のセンダン(栴檀,センダン科)は,新緑になっているのに,まだ昨年度の薄黄色の実が少し残っていました.クワ(桑,クワ科)の木は,トゲトゲのついた緑の実がたくさんついていました.もう少ししたら黒くなって食べられるようになりそうでした.参加者は,子供9名を含む61名でした.昨年まで常連で,沖縄に住所を変えた蝶の好きな人も来名して久しぶりに参加されました.
集合場所の公園で,愛知万博のリサイクルのベンチ3つが,最初の話題になりました.また,公園の改修時に新池との間の鉄のフェンスは,撤去することも考えられましたが,段差になっているので危険ということでそのままになったことも話されました.撤去に費用がかかることも考慮されたようです.
平和公園入口の里山の家に行き,先月に続きトウキョウサンショウウオを観察しました.既に前脚と後脚も出ていました.エラもまだ見えていましたが,その内に小さくなると水面に出てきて呼吸をするそうです.数百万年の変化を幼生のときに再現していることに対する驚きの感想が出ました.餌のイトミミズが余ったときにどう生きながらえさせるかということで,冷蔵庫に入れてという方法とカナダモを水槽に入れて酸素を供給するという方法の説明がありました.後者は,昔から普通にやられている方法で,当たり前という感想も出ました.
畑の縁のニシキギ(錦木,ニシキギ科)の黄緑色の目立たない花を観察しました.秋の紅葉のときは,その見事な赤い葉と実ですぐに分かりますが,この時期はめだたない木でした.古い枝には,コルク状の翼が付いていましたが,新しい枝には,それが付いていませんでした.黄緑色の花は,枝から細長い茎が出て,その先に咲いていました.
アベマキ(阿部槇,ブナ科)の林からホトトギスのさえずりがしてきました.ホトトギスの初めての鳴き声は初音として昔から珍重されてきましたが,宅卵されるウグイスなどにすれば悪魔の鳴き声であるという指摘もありました.湿地の泥の中からヒメタイコウチを女の子が見つけて,皆で観察しました.このような泥水の中にいることに驚きがありました.周辺に生えていたイヌガラシ(犬芥,アブラナ科)とスカシタゴボウ(透し田牛蒡,アブラナ科)の違いについての説明もありました. 湿地の畦のすぐ横でカキツバタ(燕子花または杜若,アヤメ科)が紫色の花を沢山咲かせていました.カキツバタ街道として,愛護会の人達が整備したものでした.近くのキショウブ(黄菖蒲,アヤメ科)とともに5月を感じさせる花でした. 参加者の1人が,樹液を多く出している樹木の近くで,網を使ってオオスズメバチの女王蜂を捕まえました.網の中にいるので安心して観察しましたが,大きくて非常に獰猛な感じでした. 観察ビンに入れて,酢酸エチルで麻痺させ観察しました.最終的には,標本として里山の家に保管することになりました.キマダラカミキリも見つけて観察しました.
観察項目:カワウ,カイツブリ,シジュウカラ,コゲラ,ムクドリ,ハクセキレイ,ツバメ,コメツブウマゴヤシ,ニセアカシア,オカウコギ,シロコブゾウムシ,トウキョウサンショウウオ,イトミミズ,スグリゾウムシ,クロバナロウバイ,ヤマナラシ,ニシキギ,ジンガサハムシ,ホトトギスの鳴き声,ヒゲナガガ,オオスズメバチの女王蜂,ルリタテハの幼虫,ヒメタイコウチ,ツマグロヒョウモン,キマダラカミキリ,イヌガラシ,スカシタゴボウ,ヤブガラシ,ヒラタハナムグラ,カラスビシャク,ナツハゼ,コバンソウ,ヒメコバンソウ,アメリカフウロ,ヒメウラナミジャノメ(概ね観察順) |
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